見出し画像

探さなきゃね。君の「涙のふるさと」

久々に聴くと、いやこれは名曲だ。

BUMP OF CHICKENといえば僕の中では「天体観測」とか「カルマ」のイメージが強かったんですけど、これも負けず劣らず良いですね。
中学や高校の頃は今ほど歌詞をしっかり見ていなかったので、余計にそう感じる。

探さなきゃね 君の涙のふるさと
頬を伝って落ちた雫が どこから来たのかを

こんな優しい歌詞、なかなかないですよね。
もし自分が女子で、こんなこと男子に言われたら秒速で惚れる自信があるぞ。

「会いに来たよ 会いに来たよ
君に会いに来たんだよ
君の心の内側から 外側の世界まで
僕を知って欲しくて来たんだよ」

このサビ、よく見ると涙からのメッセージなんですね。
すごい歌詞だ。
昔読んだ乙一氏の小説「夏と花火と私の死体」という作品では死体が語り手だったんですけど、涙が語り手ってそれに並ぶ衝撃。

到着だよ ほら 覚えてるかな
いつか付いた傷があるだろう
君の涙が生まれ育った ふるさとがあるだろう

曲のテーマとしては、「涙の根源」と向き合うということなんでしょう。

「会いに来たよ 会いに来たよ
消えちゃう前に来たんだよ
消せない心の内側から 遠ざかる世界まで
ちゃんと見て欲しくて」

ここの歌詞にもそれが現れている。
涙の理由をちゃんと見て欲しい、ということなんでしょう。

ここまでの歌詞ももちろん充分素晴らしいんですが、ウルトラCなのが締めの部分です。

笑わないでね 俺もずっと待ってるよ
忘れないでね 帰る場所がある事を

この最後の部分、一人称が”僕”ではなく”俺”になっている。

つまり、サビのフレーズは”俺”という人物が涙を擬人化してセリフをつけたものだった、ということが明らかになります。
最後にサビの歌詞に「」が付いていた理由がわかるというわけです。

構成のオシャレさもさることながら、曲の持つ優しさ、深みがここでまた一段階グッと上がる。

さわやかな歌いっぷりや無理に泣かせにこない曲構成、演奏も余計に沁みる。名曲です。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?