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忘れてしまった君の香りを、いつまでも探してしまう

過去の恋愛を思い出す時、人は何を思い浮かべるだろう。

写真やLINEのやり取り。
もらったプレゼント。
色んなものがあると思う。

僕が思い出すのは香りだ。
こうやって文章にすると変態っぽいんだけど、分かってくれる方はいないだろうか。

その人の香りはもちろん、使っていた香水や家の中の匂い、使っていた洗剤や柔軟剤の匂い。
それを時々思い出す。

写真や文章とは違って目に見える形で残っていないから、どうしたって香りの記憶は薄れていってしまう。
それが、すごく切ない。

ちなみに、皆さんは『香り』と『匂い』の意味の違いをご存知でしょうか。
不勉強なもので、僕はこの記事を書くにあたって調べて知ったんですが。
良いと感じる匂いは『香り』、その様な感情を入れない一般的な場合は『匂い』というそうです。

別れる前は、香水も柔軟剤の匂いもそんなに大事なものじゃなくて。
全部、ただの『匂い』だと思っていた。

でも、思い出してみるとどれもすごく思い出深い。
自分の中で、いつの間にか『匂い』が『香り』に変わっていたんだなって、後から気付かされる。

恋人と別れたばかりの頃は、洗濯してしばらく着ていなかった服に向こうの家で使っている柔軟剤の香りなんかが残っていて。
それを嗅ぐ度に、切ない気持ちになる時もあったものだ。

今もふと、誰かの香りを思い出す時がある。
でも、もうどんな香りだったかしっかり思い出すこともできなくて。
忘れかけていた香りを思いだそうともがいてしまう、そんな自分がひどく滑稽だ。

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