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子どもが病気で不登校に。でも待っていたのは思いもしない未来だった

実はこの話、書くつもりはありませんでした。

でも、やっぱり書こうと思ったきっかけは、同じオンラインサロンに所属している方が不登校のことを投稿していたのがきっかけです。


もう1つは、当事者である息子から書いてもいいと許可をもらえたから。

子どもの病気や不登校のことで、トータル1000記事ほどの日記ブログを書いていた時代も許可はもらっていました。息子が許可した理由は「自分と同じように苦しむ人が一人でも減ってほしいから」と言っていた記憶があります。

その想いを引継ぎ、私自身の居場所作りも兼ねて、当時はブログを書いていました。今はそのブログは書いていません。でも、時々同じような悩みを持つ方の発信を見かけると、経験者としてできることがあるかもと考える自分もいました。


そして、どう書こうかずっと迷っていました。考えすぎて疲れてしまったので(笑)、一周まわって、今、私が素直に思っていることを綴ってみようと思います。

実は「不登校」という言葉もあまり好きではありません。でも、昔の「登校拒否」という言い方よりはマシかなとは思いますが、微妙ですね。


子どもが学校に行けなくなる理由はさまざまで、原因を追及したところでいろいろな要素が混じり合い、原因を特定することは難しいです。子ども自身にもわからないこともありますよね。

でも学校に行けなくなる原因が、外からわかりにくい病気ということもあります。私も子どもが当事者になるまでは知りませんでした。

知らなくて、なかなか病気にたどり着けなかったことを今でもとても後悔しています。


思春期のお子さんが体調不良で学校に行けなくなるのは、いろいろな可能性が考えられます。我が家の体験談を書くことで、困っている方に役立つ情報が1つでもあればと思います。

そして、私自身は今朝も家族にポンコツぶりをディスられるような母です。そんな私でも、当時は私にできる方法で頑張り抜きました。

普通、いや、もしかしたらそれ以下の母でも、大変な日々を乗り切り、今も対応中です。人生、なるようになるさで乗り切るしかない時もありますよね。


少々長文となりますが、もしよろしければお付き合いください。




自分が不登校の子どもの親になるなんて

小さな我が子をこの手に抱いた時、そして海辺で走り回る小さい子ども達を追いかけ回していた頃。

まさか、自分が不登校の子どもの親になる未来があるとは、1ミリも思っていませんでした。

良くも悪くも普通の家庭。そこから外れることはないだろう、と。


ところが息子が中学1年生の時、思いもしない出来事が起こりました。子どもが原因不明の体調不良でだんだん学校に行けなくなったのです。

まわりの人に話しても、
「学校で何かイヤなことがあったんじゃない」
「思春期の体調不良はよくあるよ」
という感じで、なかなか思うような情報にはたどり着けません。

さらに明確な原因がないので、学校側からもさぼっているように思われていた雰囲気もあり、私から見るとひどい対応が続きました。


矢面に立つ私も、精神的に疲弊していく日々。解決の糸口がなく、途方に暮れていました。


「自分が不登校の子どもの親になるなんて」 


ドクターストップしてくれた若い医師

近所の病院では一向に症状が改善されず、どんどん息子の体調が悪くなっていきました。あの頃、今のように知識があれば、他の病院を探し、受診し直していたはず。

でも、今までそのような経験がなく無知だった私は、病院で出された薬を飲み続ければいずれは治ると信じていました。


友人が「総合病院の小児科に行ってみたら?」とアドバイスをくれ、違う病院に行くことを決意し、受診。

顧問の先生に言われ、見学で部活に出ていることを伝えると、
「ドクターストップをかけてあげるから、部活を休んだらいいよ」
と、言ってくれました。

私は部活を休ませたかったのですが、明らかな原因がない体調不良だったので、私が言っても部活を休ませてもらえず、見学で参加する日々。


はじめて受診した病院の医師でさえ、息子の体調不良がわかるのに。どうして中学校の先生方には、いくら言っても伝わらないのだろうと、当時は悶々としていました。

「ドクターストップと言っても休めないようなら、書類を書くよ」と言ってくれた若い医師に、今でも心から感謝しています。


何かがおかしいと思うのに、まわりに伝わらない苦しさ。まわりからわかりにくい症状の残酷さを、身をもって知りました。私でもそう思ったので、本人は本当に苦しかったと思います。

そして、この時に知りました。わかった風に病名をつける医師よりも「わからないから」と紹介状を書いてくれる医師の方が実はありがたい、ということです。


高校進学には内申書がいるので、学校を休まないようにするのは大事なことだと思います。悪意ではなかったと思いますが「体調を整えるように」と担任から言われるのは、当時の私たち親子にはとても残酷な言葉でした。


年月が経過して思うのは、かけがえのない健康を犠牲にしてまで、学校に行くべきだったのかということ。この後、時々「あの頃、めっちゃしんどかった」と言われ、自分の親としての無知を心から申し訳なく思う日々が続くことに……。

私に知識がないから、こんなことになってしまったと、自分で自分を追い詰めていきました。


「ドクターストップしてくれた医師」


道端で涙が止まらなかった昼下がり

総合病院から紹介された、地域では一番大きな病院の総合診療科で「起立性調節障害」という診断になります。

ただ調べれば調べるほど症状が合わないことから、本当に「起立性調節障害」の治療をしていて治るのだろうか?という疑問が浮かび上がることに。

病状はどんどん悪化し、ほぼ寝たきりのようになっているのに、病院に行けばドクターに「学校に行かせてください」と言われます。


この頃、思春期に多い「起立性調節障害」という病気の実態が知られていないことを実体験を持って知ったことがきっかけで、ブログを書き始めました。

書き始めてすぐに、思わぬ出来事が起こります。新聞記事に載っている青年の病気の症状が、息子の症状に似ていることがわかったのです。

そのことをブログに書いたら、まさかの出来事が起こりました。


その新聞記事の青年のお母様が、ブログにコメントをくださったのです。パート先を出て、スマホでコメントの通知を見つけ、本当に驚きました。そして、人通りがある道だったのに涙が溢れて止まらなくなりました。

後で知ったのですが、私が使っていたブログサービスにコメントを書くためにわざわざ会員登録してくださったとのこと。当時青年のお母様もお子さんのことで、とても大変だったそうです。


他にも何名か情報を教えてくださった方がいて、たくさんの方々の善意と、この後に出逢うドクターのおかげで息子が元気に暮らせるようになったことには今でも感謝しかありません。

私が自分が伝えたいことを書くのを諦められないことも、この体験からきています。言葉が人を繋ぎ、誰かを救うことがあると実体験として知ったから。


私がブログを書いていなければ、そして情報を必死で探していなければ、息子は本当の病気がわからずに、今も回復していなかったかもしれません。

そう考えると、どれだけ奇跡的なことだったのかと、今でも身震いしてしまいます。


子どもがどう思っているかを聞いたことはありませんが、この出来事は私の人生観を大きく変えました。


「道端で涙が止まらなかった昼下がり」


起立性調節障害の類似疾患

私は病気の子どもの親でしたが、医療関係者ではありません。でも、子どもの病気を通して知ったこととして、書き記しておきます。

もし、今も息子と同じように困っている方がいらっしゃったら、参考の1つになればと思います。


起立性調節障害とは、思春期に起こりやすい自律神経の病気です。いろいろな症状が出るのですが、午前中に立ちくらみやめまい、頭痛や吐き気などが起こることが一般的には多いです。

この病気の一番の問題点は「朝や午前中は具合が悪いのに、夜には調子がよくなってしまうこと」かもしれません。


起立性調節障害の話でよく見たのは、学校を休んでいるのに塾や習い事には行けるので、まわりから誤解されやすいというような話でした。

学校の先生方の中でも知識にバラつきがあり、息子の場合も診断を受けても病気と認めてもらえていない雰囲気もありました。

症状に軽症~重症があり、軽症の場合は頑張れば、学校に行けることもあるようです。そうなると、同じ病気でも学校に通えていたという事実が残ってしまいます。でも、実は重症の場合は日常生活もままなりません。


いろいろな症状が出るので、思春期に体調が悪く、血液検査などで何も出ないと、安易に「起立性調節障害」と診断されることもあるようです。


息子の場合、私が違和感を感じたのは、夕方になっても症状があまりよくならないこと。むしろ、悪くなっていくような気がしていました。

そのことからいろいろ調べて、間違われやすい病気があるという事実を知ります。


起立性調節障害に間違われやすい病気

・うつ病
・鉄欠乏性貧血
・子どもの脳脊髄液減少症
・甲状腺機能低下症・亢進症
・小児慢性疲労症候群

やさしくわかる子どもの起立性調節障害 田中大介著 洋泉社 P91~P94より抜粋して引用   


他にもブログで命に関わる脳腫瘍とお子さんが診断された方のお話も見ました。その方のお子さんは最初は頭痛の症状で、起立性調節障害と診断されていたと書いていました。


息子の場合も、この中の病気のひとつでした。病気のことについて書き出すと長くなるので、ここでは触れません。でも、世の中には多々そういうことが起こっていると、当事者になり、はじめて知りました。

まわりにこの話をしたら、大人でも病気が間違われている事例がある話を聞いたこともあります。


医療は万能ではありません。

でも病名が違えば、治療方法が真逆の場合があります。治る可能性があったのに、診断が間違っていたせいで治らないというのはとても怖いことです。

ネットの医療情報は必ずしも信頼できるものではありません。こういった話を見かけたと言うと、ドクターによってはイヤな顔をする人もいました。


医療従事者ではない一般人の私たちができることは、インターネットの医療情報を鵜呑みにするのではなく、取捨選択する力をつけることだと思います。

我が家は真摯に子どもの病気と向き合う方々の、誠実なネット情報に救われました。今でも感謝の気持ちしかありません。


この経験を通して、確信したことがあります。


起立性調節障害の類似疾患


母としての自分の勘を信じる

ドクターはデータと一瞬の診察しか、判断材料を持っていません。日本は専門分野が分かれているので、専門外の病気はわからないこともあるようです。


インターネットの情報を鵜呑みにするのはオススメしませんが、子どものことに関しては自分の何かがおかしいという勘を信じた方がいいこともあります。


実際、小さいお子さんの場合では、風邪と診断されていたのに川崎病だった話をママ友から聞きました。ママ友に知識があったから、受診し直して、川崎病とわかったと言っていました。

実はこの話、他でも結構見かけます。

私の場合は、

・何かを徹底的に調べるのが得意
・文章を最低限は書けた

解決への糸口となったこと

ということが、解決の糸口へと繋がりました。


母としての自分の勘を信じる


通信制高校に進学

本当の病気にたどり着き、治療をした息子。ただ、全日制高校へ進学できる体調に中学3年生時点では回復しませんでした。


通信制高校に進学した息子は、オンラインで学びながら少しずつ回復していきました。全日制高校に行くことにこだわらなかったのが、我が家の場合は結果として正解だったようです。


そして現在。息子は親元を離れ、大学生になりました。実は高校3年生の時に起業し、大学生をしながら自分の事業を持ち、働いています。


昨年より専業在宅ワーカーとして働いている私。

たいしたことはしていませんが、時々仕事を手伝い、息子に「作業代」を請求するようになりました。

ただ、息子のライティング案件の依頼はかなり微妙でお断りしています(笑)。


体調不良の原因がわからず、苦しんだ日々の先には想像もしなかった未来が待っていました。

脅し文句のように「学校に行かないと人生が終わるよ」という人が、子どもが不登校になると現れます。

学校に行けなかったことで受けられなかった教育も、確かにあります。本人も漢字などがちょっと苦戦しているようです。

でも、人生は終わりませんでした。


不登校の子供の親になると、先が見えないことに大丈夫だろうかと悩みます。私自身も下の子供が不登校でまだ当事者なので同じです。

でもムダに思い悩むより、自分のことを一生懸命にしていた方がいいのかもと最近は思います。

親子であっても、子どもには子どもの人生があり、母である私にも私の人生があります。自分の人生を切り開くことは、本人にしかできません。


まず、親が自分の人生を切り開くところを見せることが、ある意味最大の教育なのかなと思ったりしています。


通信制高校に進学


子どもの将来のために一番大切なこと

子どもであっても親が子どもの人生に対して、できることは限られています。ただ、多様な選択肢を示してあげることはできると思いました。


だから、私自身が在宅で働けるWebライターにチャレンジ。でもこの時は子ども達が次々に入院やあちこちの病院に通院となり、働く時間を確保できず、しっかり挫折しました。

でも、普通に働く以外の選択肢を示せたのではないかと思います。失敗しましたが……(笑)。


病気と一生の付き合いになる可能性もあったので、普通の就職は難しいかもしれないと思い、息子が突拍子もないことを言い出しましたが、私も夫も反対しませんでした。


今は変わっているかもしれませんが、息子が中学生時代。自宅療養の子どもは義務教育の中で自宅で学ぶ方法はありませんでした。義務教育を受けられていないのに、塾のように自費でなんとかするしかありません。

でも、子どもの事情で思うように働けなくなっていたので、家計的にも無理でした。あと、息子の病気の症状の1つに高次脳機能障害のような症状もあり、勉強できる状況ではなかったという事情もあります。


もしこの高次脳機能障害のような症状が治らなかったら、息子の未来はどうなるのか?と考えると、ふっとした瞬間に不安に襲われる日々。

この頃、同年代で同じ悩みを持つブロ友さんがいたので、1人で悩まずにすみました。それまで孤独な闘いだったので、彼女のような存在が本当に心の支えでした。

日本のどこかに気持ちを共有できる人がいることで、大変な日々ではありましたが、心穏やかに暮らせるようになっていきます。


そして、ブログ仲間のおかげで一番大切なことを見失わずに、子ども達の対応ができるようになります。

一番大切なことは、体調が悪いのに学校に無理矢理行かせることではなく、長い目で見て、子ども自身の生きていく力を養うことが一番かもしれないと考えるようになったことでした。


子どもの将来のために一番大切なこと


第二の患者

病気の人の家族は「第二の患者」と言われるそうです。今、調べると、厳密にはがん患者の方のご家族のことを指すようですね。ここでは病気や不登校の家族も含めて、話を進めます。


実感として、第二の患者時代は大変でした。特別なケアがあればいいのですが、まわりの人は「一番大変なのは本人だから、あなたが頑張りなさい」的なことを言います。

けれど、支える側もいろいろなことを犠牲にして対応しているわけで、辛い時もあります。でも、なかなかわかってもらえません。そういった意味でも、会ったこともないブロ友さん達が本当に心の支えでした。


不登校の子どもの親も一緒な気がします。私はたまたま「病気の子どもの親」「不登校の子どもの親」の両方を経験しました。本人以上にケアが必要なのは、親もだと思います。


辛い日々の中だからこそ、時々は自分のリフレッシュも大事です!

時には心ないことを言われることもあるかもしれません。でも、支える側が倒れてしまっては元も子もないです。大変な状況だからこそ、自分のことも大切にしてあげてください。

もしまわりにそういう立場の人がいる方は、できる範囲で第二の患者さんに手を差し伸べてくださると嬉しいです。


実は自分のことを後回しにした結果、私を含め、ブログ繋がりの方々の体調不良が発覚した話を当時よく見ました。

何人かいらっしゃったので、絶対に関係があるとは言えませんが、まったく関係ないとも言えなさそうです。

患者本人だけではなく、家族やまわりの人もお互いに支え合うことができたら素敵だなと思います。


第二の患者


ブログ1000記事分の想い

今は下書きに戻してしまいましたが、当時書いていたブログは2サイトで1000記事近くあります。日記ブログですが、病気や不登校に関する情報があったことで、役立ったと感謝のコメントやDMを頂いたこともありました。


コツコツと書いた日々を、ここに全部書き切ることはできませんが、伝えたかったことの一部は書けました。


同じようなことで悩んでいる方、一緒に頑張りましょう!


そして、助けてくださった方々、本当にありがとうございました。


もっとおもしろおかしく書きたかったのですが、内容が内容なだけに難しかったですね。


実を言うと、文章の印象と本人の印象がかなり違うそうです。恐らく、病気や不登校など、あまり笑えない話を書いていたせいだと思うのですが……。

これからはおもしろい話も書いてみたいです!!!


長文になってしまいましたが、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

この中に1つでもお役立ち情報があったなら、私も嬉しいです!

そして、過去の私たち親子のように困っている方に情報が届きますように。


ブログ1000記事分の想い





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