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言語のカベを超えたコミュニケーション「パターンランゲージ」と介護現場のケアの未来

ともに生きることば
高齢者向けホームのケアと場作りのヒント

作者の金子くんとは出会って8年ぐらいだったような…
一貫して真摯に向き合い、
やり続け、やり通す姿をわたしは知っている。

介護現場の教育、研修に疑問があった。
「それ本当?」って思うことが多かった。
秋田に来て外国人実習生がやってきた。

実習生が来て1年が経ち無事に夜勤までできるようになる中で日々、教えること教わることの連続。このやりとりの中で選択肢が「言語」(日本語)だけしかなく「伝えたいことが伝わらない」と感じることが実習生、わたしにもにあった。

指導側が丁寧に話しているつもりでも実習生からは「ワカラナイ」と答えが返ってくる。それが何についての「ワカラナイ」なのかがどちらも合致することない機会がたくさん起きる。

「ワカラナイ」がどこかのタイミングで「ダイジョウブ」と言葉が変わり、結果何事にも「大丈夫」と答える形になった。

分かってても、分からなくても「だいじょうぶ」そうしていくうちに分からないことがわからない。教えてもらっていることが何なのか分からない…綻びが徐々に出てきた。

これは実習生教育の課題のひとつであり解決するべきだと私は強く思った。

両者がどれだけの熱意をもって話し聞いても、
どれだけ考えて話してもそれは日本語という
「言語」だけのやりとりで伝わることができなかった
こちらの実力不足はもちろんありますが…なんとも言えない虚無感をどうにか打開できないかと思った時、友人である金子くんの研究「パターンランゲージ」を思い出した。

「これなら言葉だけじゃない共通のものでやりとりが出来るかも」と思いすぐに金子くんに連絡を入れトライアルを実施したのが2020年9月。
やってみるといつも教えるより数段理解があった(している表情、頷きが増えた)「言語じゃないコミュニケーションがある」そう思えた瞬間でした。

そこから定期的に実習生とパターンランゲージをすることでケアに体温が出てきた。

ゆずる
「このことばで思いつく利用者いる?」
実習生
「ハイ、◯◯サン。◯◯サンハイツモ...」
実習生
「◯◯サンカナ〜、サイキンコンナコトアリマシタ...」

コミュニケーションに温度が入った。
認知症=認知症ケアだけではない
人と人との関わり。ともに生きるということ。

もちろん常に100%なんてことはない。
全てが正解なんてことはない。

ない。ないけどいつも向き合うことはできる。
パターンランゲージは教育、研修を変える力がある。

ちまたの研修というと、すごく便利なことばだが内容が伴ってないものが多いのが実態。机上ではそう話してるが現場ではそんなことない。本やテキストでは言ってはいるが実際はそんなことはできない。それができる時の瞬間や体温、雰囲気まではなかなか研修で教えてくれない。

この本は「できない理由」と向き合って色んなリアルと思いがカタチなった30のことばが入ってる。

このことばにはどんなドラマがあるのか。自分ならどう思うか、◯◯さんならどう思うか、このことばは◯◯さんだ!自分と目の前にいるおじいちゃん、おばあちゃんが重なる瞬間にともに生きるが始まる。そんなことを感じ、考え、行動させてくれる本です。

最高でした。ありがとう。

p.s.
大変嬉しいことに今後、『ともに生きることば』活用・実践コミュニティを副業としてお手伝いさせて頂くことになりました。Facebookとnoteにてコミュニティを作り運営していく予定です。お楽しみに

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作者:金子智紀(Tomoki Kaneko)
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