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yuzuha
2021年6月9日 05:48
一つ一つが素朴なものだが、新鮮味を感じるものがあった。素朴な街並みを見るのは、僕が見ていたあんなビルが乱立しているギスギスした雰囲気の町よりかは綺麗に見えた。こうした背の高いビルがない街並みは遠くの空も山も見れて、それが一番新鮮なのかもしれない。「綺麗な町でしょう?景観だけは自慢できると思います。けど戦争が始まってからは壁に色々なポスターが張られたり街灯に何かぶら下がっていたりと少し
2021年6月9日 05:47
「何で……聡は今……そんな事を言うのですかそんな言葉を聞きたくて、ここまでした訳ではないのですよバカ……あなたは分からず屋です」千代がその泣きそうな顔で言ってきた。「バカで分からず屋なのは千代の方だよ僕もこんな千代が見たくて黙って見ていた訳じゃない笑ってお父さんと話して、その後愚痴をべちゃくちゃ言って適当な話題をで笑って町を歩いている千代が見たかったんだよ」千代に訴えかける。
2021年6月9日 05:45
「聡は別になにもしゃべらなくても構いませんもし何か聞かれたら、当たり障りのない事を言ってくれるだけで構いません。変な事は言わないでくださいね。」部屋に入る前に千代に釘を刺される。そりゃ……変な事を言わないように努力はするさ。いざ目の前にしたら何があるのか分からないから確証はないんだがな。「あぁ……なんとか頑張るとするよ」千代が部屋のドアに手を掛けて回す。ノックもなしにそのまま
2021年6月9日 05:43
「言ってくれないと分からないんだよ……僕の経験と知識なんかでは何を求めているのか分からないんだよ」何も言ってくれない千代の思いをぶつける。言ってくれないというのは少し語弊があるな。言ってくれているが、何を求めていて、何を言いたいのか分からないという事だ。「もういいです……もう行きましょう……こんな事していても時間の無駄だと思いますけど……分かってくれるってそう思って私は待ってい
2021年6月8日 08:19
全く今日は千代に色々と振り回されて疲れた。けどあんな風に活発な千代も初めて見たのかもしれない。いや活発なのは初めてではないのだが、あんな風に突っかかってくるのがという話だ。千代に一体何があったっていうんだ。まぁ人の事はいくら考えても分からないものか。人の事というか千代の事は分からないといった方が正しいか。考えても無駄だと思うから、お風呂から出ることにした。お風呂から出てみると、二
2021年6月8日 08:18
「全くまた迷っていたんですか仕方ない人ですねなんで後ろについてくる事も出来ないんですか……」しっかりと手を握って引っ張って、駅の出口まで連れて行ってくれた。「おいおい……先に行ってしまったのに、帰って来て罵倒していくなんてまた珍しい人種だな。そんな罵倒していくまではいいと思うんだが、手を引いて行ってくれるのは優しいと思うんだ」千代の罵倒には別に気にはならない。今までもそういう罵
2021年6月8日 08:16
「ふぅ……美味しかったです次もこのお弁当頼んでみようと思います。」「それは良かったな……僕の分まで食べてお腹がいっぱいなんじゃないのか。」僕は言った。「お腹がいっぱいですね……お腹が張ってくると眠たくなりますよね……こんな風に……こくっ…」首を席の背もたれにかけて目をつぶっている。無防備にも眠ってしまっていた。僕は目の前で無防備に眠っている千代をどうしたらいいんだろうな
2021年6月8日 08:15
次の駅に着いた。僕が買いに行って迷うより、千代が買いに行ってくれた方が早いし確実だと思って、僕はまた留守番をしていた。扉が開いた瞬間駆け出していく千代を窓越しに見ながら座って待った。暫くしてお弁当を持って千代が帰ってくる。弁当の中身はすべて千代に任せていた。何を買ってきたかというと……それなりに高そうな幕ノ内弁当を買ってきた。そんな幕ノ内弁当を三つも買って来ていたのだ。なぜ三つも買
2021年6月8日 08:13
「それはごめんなさい……起きそうになかったから……少し後部車両でなにか食べ物が売っていないか見に行ってきたのです……まさか目が覚めてしかも憲兵が来るなんて想定外でしたけど私が戻って来たからにはもう大丈夫です……安心してくださいそういえば後部車両でバナナが売っていましたので買ってきましたどうですか?元気が出ますよ?」そう言って千代がバナナを差し出してきた。すっかりお腹が空いている僕
2021年6月8日 08:12
「なっ……いきなり何を言っているのですか!?眠たすぎて頭がおかしくなったのですか!?そんな恥ずかしくなるような事を言わないでください!いや……別に嫌ではないのですが……その……あの……私は……どうしたら……」千代が僕の一言に戸惑っている。その戸惑っている姿を見て面白がっている僕。「別に千代は普通にしていればいいと思うよ……外でも見ているといい……僕は千代をずっと見ているから」
2021年6月5日 05:30
「ええええ……今さっき話し始めたばかりじゃないですか……どうしてですか……さっきは話し相手になってくれるって言ってくれたじゃないですか……むぅ……いけず」千代も横になり、寝る体制に入った。そこから別に、千代からしゃべりかけてくる事はなかった。だが、たまに構って欲しいのか背中をつついてくるので、眠れなかった。単純につついてくるので眠れなかったのではなく、心臓がバクバクして眠れなかったと
2021年6月2日 02:12
「それなら大丈夫ですよ……お尻を少しぶたれるだけですから……ぺちぺちと……ふふふ」千代は冗談みたいな事を笑いながら言っている。「ははは……なにをそんな冗談を実際にそんなことになるのなら見てみたいものだぺちぺちとお尻を叩かれてる千代……あはは」その冗談みたいな光景を、この後目の当たりするなんてことを知らずに笑って家の門をくぐった。玄関先にはニコニコと“おかえりなさい”と一言言って