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【今でしょ!note#180】報告を受ける責任

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

有り難いことに、私には尊敬する先輩が社内外にたくさんいます。
その中の一人の方から、組織のマネージャーの心構えとして大切なことを繰り返し伝授してきていただいたので、今日はその話をします。

私としては納得がいくことばかりで、マネジメントにおけるこのような考え方がより広まっていくと良いなという思いを込めての整理です。

先日、「組織の上に行くほど、問われてくるもの」の話をしましたが、大小問わず何らかのリーダーやマネージャーの立場になると増えてくるのが、「自分がメンバーから何らかの報告を受ける」ケースです。

自身が若手の時には、上にエスカレーションする機会の方が圧倒的に多かったため、自分が報告者の立場で「どのしたら分かりやすく報告できるか」「どうしたら協力を得られそうか」を主軸に置いて考える機会の方が多かったです。

一方で、30代の半ばにもなると、自分がチームメンバーから報告を受ける機会が増えてきます。「報告の上げ方」にも工夫やコツがあるように「報告の受け方」にも実は工夫やコツがあるんですね。
一見、報告を受ける側のほうが「聞いているだけ」なので簡単そうに見えますが、実はそうではない。「報告の受け方」のほうが、かなり難易度が高く、「報告を受ける責任」が発生し、受けた報告をどのように活用していくかが問われてきます

しかし「報告の上げ方」のような情報の発信側をテーマにした情報(伝わる伝え方や上手なプレゼンテーションなど)は、書店などでも数多く取り上げられているのに対して、「報告の受け方」には、あまりフォーカスされない。

「報告を上げる・受ける」の対話が生まれる会議の場は、実はその組織の運営力が試される場であり、組織内の人材育成や組織そのものの成長の場になります。

今日は、「報告を受ける責任」と題して、私が現場での仕事を通じてリアルに学んでいることを5つの観点からご紹介していきます。
特に、何らかのマネジメント業務に携わっている方には、今後の報告の受け方が変わる必見の論点になりますので、ぜひご覧ください!


1 配下メンバーの視点を把握する

1つ目は、自分の配下メンバーから見えている仕事の視点を確認することです。
何らかの判断が問われるケースでは、その判断材料が提示されることもよくあります。提示された材料が考慮されている「広さ」を知ることで、そのメンバーが見えている世界が大体見えます。

「個別最適」と「全体最適」という言葉があるように、見ている視野の広さにより、何が最も適切な判断になるのか?は変わってきます。
メンバーの判断軸として見えている世界が狭かったり、事実やデータに基づく判断になっていなかったりする場合は、その視点を足していく。

つまり、ただ単に「報告を受ける」だけでなく、「受けた内容からメンバーが見えている世界を理解して、根拠が曖昧だったり、自分の仕事・あるいは自分のチームのことしか考えられていなかったり、理解が不足している場合は、支援する」ことで、メンバーの成長を促す場にすることが重要です。

また、メンバーのレベルに応じて、求めるレベルも当然変わってきます。

自分の後継に当たるような人を育成したい場合であれば、その人のマネジメント力の向上を促す働きも必要になってきます。
次期マネジメント候補が、どのようなレポートの上げ方をしてくるか、というのは、その人が自身のマネジメント範囲をどのように分割して、構造的に捉えているのか、が反映されています。

報告内容から「主語・述語・目的語が明確か」、「事象の起点と終点が明らかになっているか」、「自分のマネジメント範囲が体系的に整理された上で、そのベースの上で議論がされているか」を確認し、曖昧だったりごちゃっとしている点があれば、そこを紐解くための対話が必要です。

具体的に言えば、「〜〜のトラブルについては、○○時に連絡をもらうことになっています」のような報告であれば、「誰が」連絡を受けることになっているか本人が理解できていない(=マネジメント対象で見えていないものがある)可能性がある。
「〜〜の状態は、15時に回復する予定」のような報告であれば、「いつ(=起点)」の状態に戻るのが正しいか、抑えられていない可能性がある、といった具合です。
このように、配下のメンバーが考慮できていない・見えていない世界があれば、そこを気付かせるための働きかけが必要です。

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