腰・骨盤部の安定と上肢のケガ
初めて2日続けて書いています。
今回はPublishホヤホヤの論文でabstractしかアクセスできてないため、こちらしか読めてませんが、そこで分かったこと、私の見解を書いていきます。
よく体幹の安定は大事だ!と言われていて、現場でも胸郭と骨盤のアライメント(hyperlordosis、反り腰)になっていないか、腹圧がしっかりコントロールできて動けているか、など周りでもアプローチしています。
この研究では腰・骨盤部の安定が低いと慢性的な上肢のケガをしやすいのか、という現場目線(?)の疑問を調べています。
研究デザインと参加者
49名の症状のないMLB球団所属投手の腰・骨盤部の安定(lumbopelvic control)を測定した。
その際、あるデバイス(an iPod-based digital level secured to a Velcro belt )を使い、前方/後方と左右の傾き(anteroposterior and mediolateral deviations)を、以下の動きで計測。
・Single-leg balance with movement
・Static bridge maneuvers
どちらの動きもストライド側(例:右投げの左脚)とドライブ側(例:右投げの右脚)の両方を計測。
そして、シーズン中に上肢のケガが追い、実際ケガをしたのは49名のうち22名だったそうです。
ちなみにこのabstractだけでは、上記の前方/後方と左右の傾きはどういったものなのか?Cut off ナンバーはどうなのか?2つのテストがどのようなものなのか?の説明はありません。Full textを待つのみでしょう。
結果
ケガをしたグループとしなかったグループでは、Static bridge maneuversでストライド側とドライブ側それぞれで腰・骨盤部の前方/後方と左右の傾きの違いは見られず。
しかし、single-leg balance with movementでは、ストライド側とドライブ側の両方とも、ケガをしたグループの方が腰・骨盤部の前方/後方と左右の傾きが大きかった(安定・コントロールが低かった)そうです。
個人的な見解
この内容の過去の文献を追っていないので、どのような結果が出ているのか正直わからないですが、この文献でも示唆している腰・骨盤部の動的安定・コントロールは個人差はもちろんあるものの、ある一定必要ということでしょうか。
Single-leg balance with movementということですが、片脚でバランスを保ちながら何か特定の動きをするのでしょう。そして、その動きでの腰・骨盤部の前方/後方と左右の傾きというのは、結局アウトプットということだと思います。
そこで身体を評価できる資格保有者の方々は、以下のようなアウトプットに影響していると考えられる部位をさらに調べ、原因と突き止める必要があるでしょう。
・下半身と腰部の既往歴
・足首、膝、股関節、腰部の静的・動的安定機能
・足底の感覚(こちら勉強になります。)
・靴
・視覚
・前庭機能
・頚部
ちなみに最近日本でよく聞く脳に対してのアプローチですが、Z healthというコースを私の職場では耳にします。ですが、個人的には無料ウェビナーを取ったくらいで、その分野にはズッポリ足を踏み入れていません。大事なのは十分承知していますが、リスクvsリワードを考えると、現職場環境ではまだ高い優先順位ではないのです。ですので、私の場合、必要であれば上司に相談、リファーすることになります。
少し脱線しましたが、この論文の情報から現場できることとすれば、とにかく、構造的、機能的、神経・感覚的な問題なのか調べる必要があるということ。そしてもし脳神経的な部分にアプローチするのであれば、視覚や前庭機能を片脚バランスに足すこと(頭部の傾きを足すとか、ものを目で追うとか)は腰・骨盤部の安定の向上を期待できる1つでしょうか。
読んでいただきありがとうございました!
Reference:
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