体性感覚のレビューと足底感覚 適切な足底への刺激がパフォーマンスに影響する?

「運動と感覚器の統合がパフォーマンスに影響を及ぼす。」

このような話がここ数年多く聞かれますね。

今回はその感覚器、体性感覚のレビューと足底部の感覚器のお話をしていきたいと思います。

体性感覚は皮膚、皮下組織や粘膜の受容器からの反応の表在感覚と筋肉や腱などの固有感覚や深部感覚の二つに分けられます。

どちらも受容器の興奮が求心性伝達によって中枢に送られることで感じる感覚です。その際の感度によって感じ方に影響を及ぼします。

表在感覚には触覚刺激、圧刺激、振動刺激などを感知して、深部感覚、固有感覚は姿勢やバランスに関与して体の位置や動きに関わっています。

神経受容器

表在感覚

・触覚などの感知 マイスネル小体 速順応 FA1

・振動などの感知 パチニ小体 速順応 FA2

(振動はその振動数によって上記2つのどちらに関わるかが変わります。)

・圧などの感知 メルケル盤 遅順応 SA1

・皮膚の引っ張りなどの感知 ルフィニ終末 遅順応 SA2 

順応速度の違いに加えて1、2の違いは1は受容部野が狭く、2は広くなっています。

この4つは足底の話で再度登場します。

固有感覚受容 

筋紡錘 Chain fiber, Bag fiber

ゴルジ腱

これらの受容器に然るべき刺激が加わると受容器の膜のNaチャネルが解放しNa+が入り電位が生じます。そしてその電位が閾値に達すると受容器が応答していきます。

そのためにその各閾値や内部環境の状態によって個人個人で感じ方に差が出たりします。

表在感覚の受容器はあまり過度に刺激が加わると感知が低下するとも言われています。

しかし適度に(適度の範囲は難しいですが、中毒になっていない程度でしょうか)表在感覚に刺激を加えると循環を向上させ固有感覚の感知も改善されることが期待されます。

姿勢やバランスが崩れるというのはこのような感覚も狂った状態であり、また逆に感覚が狂うと姿勢やバランスが崩れてしまいます。

バランス感覚は重力が変化した時に修正をするために重要です。

例えばサッカーをしていて相手とガシャっている中でのボールのキープ。

例えばスクワットで少しブレた時に力が入る位置へ戻す操作。

例えばバッティングで予期せぬボールや状況への対応。

これらに対応するためにも細かな表在感覚の感知は繊細にしておくのはスポーツをする上で有益かと思います。

さてこちらが足の裏の神経受容器になります。

画像1

注目していただきたいのはFA2

まあ主にトライポットポジションと言われる母指球、小指球、踵ですね。

これらはFA2。つまりパチニ小体、振動が関わってくる部分です。

この部位などに適切に振動などをかけてやると良いアップやコンディショニングになるかと思います。

https://www.fitevangelist.com/archives/497

足底は地面との唯一の接地部位であり、床反力により力のベクトルや強さに影響する重要な部位です。

また足底への刺激はバランス感覚の向上に直結し、さらに全体の循環系にも影響しますので普段からケアをしておきたい部位です。

そういえばイチロー選手も足裏マッサージ機を遠征に持ち込んでいたとも聞きましたね。

足は体の大元。しっかりと適切な刺激を入れてケアしてください。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28679842/




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