見出し画像

4年前、ウクライナ行きたいと思ってた

「返事しなくてもいいからね。ただ、エレナのとウクライナのこと祈ってるて伝えたかった。何か必要だったら力になってあげるからね」

このメッセージの対象のエレナは日本住のウクライナ人、元同僚だ。私は友達だと思っていたい。

4年前、ミャンマーに移住する前、キエフに引っ越しすることを考えていた。(ミャンマーの体験についても書いたことがある)


なぜ、キエフ?

理由はプシュキン。世界言語を愛する私としては、歴史上に有名な詩人のポエムを原語で読めるようになりたかった。

って、そんな理由で世界の向こう側まで旅立つなんか可笑しい人じゃないか。

いいともわるいともなく、この理由でウクライナに移住すると決心して、仕事も応募して地元の生活と治安とか調べはじめてた。

スラブ民族の旧都市のキエフ。寒いけど、人の笑顔は温かい。ソ連時代では色々な悲劇に遭ったが、今は平和で庶民は前向きで生きている。特に、他の国と大きな違いない。子供は学校に通って勉強する。家族は揃って夕食する。経済的には発展してないけど、みんな頑張って働いて稼いでる。

エレナとの出会いは偶然だった。職場で同じオフィスで一緒に仕事していた。ちょっと年上だったけど、金髪で美人で心優しいひとだ。私がロシア語を勉強していると知っていたけど、ネイティブとロシア語で会話するなんか、私は恥ずかしすぎてできなかた。

「ウクライナって、どんな国?」

…と聞いたら、エレナは特別に嬉しそうな返答しなかった。

「普通の国だよ」

…ぐらいな感じ。

彼女にしては、長く日本に住んでいて日本人と結婚し、子供も産んでから、母国に対しては懐かしい想いをしてなかったのか。

ただ一つ、いいこと教えてくれた。

「ウクライナだったらロシアと違って、日本国籍の人はビザなしでいけるよ」

面倒臭い手続きがいらないで入れてくれる。なんと素晴らしい国だ!

エレナの話しを聞いてウクライナにそそられた。ヨーロッパの冬にふさわしい厚いジャケットを買うまで、引っ越しする夢を見てきた。普通な国といっても、私は訪問したらいろんな面白いものを発見するに違いない。キエフに住んだらモスクワもピーターも遠くない。東ヨーロッパの文化に馴染んでプシュキンの詩を深く分かるようになれる。地元の美人と会うこともできるとこっそり思ってた。

この夢は叶わず、人生全く違う道に乗って、暑くてロシアから遠いミャンマーへ向かった。この経験とミャンマーに対しての愛情には、他のnoteに書き出した。

ミャンマーではクーデターが起きた。ウクライナはロシア軍に攻められた。私は危険性がぜんぜんない人なのか。うん、その通りだ。私は危ないものから逃げるより、美しくて優れたものを追いかける人間だ。

ウクライナには行ったことはないけど、この国の人々に思いを伝えたい。まだ、ウクライナが救われると信じていたい。知り合いのエレナにも気持ちが伝わってほしい。


・・・

て。世界の裏側に人が殺されてるのに、ここまで自分の話ししかしてなくて、申し訳ない気持ち。でも、私は専門家でもないし、国を動かせるひとでもない。日本はロシアに対して制裁を与えるべきだとは思う。でも、たった一人の声でなにができるかと悩んでいる。

正直、私はシンプルな人だ。単純に世界平和と文学や芸術を楽しめることを願ってる。今週の出来事がすごく残念だと思う。

今はアパートでベッドの上でごろごろしてる。これで安全だということは感謝するべきか。

そして、スマホいじりインスタグラムを見てたら、しばらく前からフォローしてたロシア住民のアーティストから新しい投稿が目に入った。

窓に向けてる手作りのサインを掛けてる。

нет войне

(戦争なし。英語で:No war)

この一言で少し安心できた。この世の中にはまだいい人がいるのだと気づいた。アーティストやライターこそ、命の尊さを知らなければならない。希望を抱える必要がある。美術と芸術はこの希望に光を当てるものではないか。

No war。No war。




イメージはインスタグラムのアーティストalicehualiceが投稿した写真です。是非、ご覧になって、フォローしてください。
https://instagram.com/alicehualice?utm_medium=copy_link

本当にキレイな作品があるので、幾つかここに載せます。

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5