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#小説
〘新話de神話〙 ~目次~
【神話創作文芸部ストーリアについて】
部長 矢口れんとさん
マガジン へッダー用画像
〖目次〗
✭部活動の記録
✬個人活動の記録
◉参加方法・要項・注意点など大切なお知らせ
創部 覚書【note神話部の趣旨】
参加要項・注意事項
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〘 新話de神話 〙◉お題de神話
202311『馬/神の馬』
202310『収穫/穣かなる』
202309『杖/
〘夏祭り2024〙 心こそこの大空にはばたかせ
本日、2024年8月6日、ハローの日。
矢口れんとさん 率いる 神話創作文芸部ストーリア(旧・note神話部)恒例『夏の企画2024』、このたび5回目の夏の企画となります。
昨日、初日担当は 吉田翠さん。
2日目は私・ゆーりんちーが担当です。
ちなみに今回のテーマは『神話✕児童文学』!
児童文学ってなに!?(白目)と私は言いたいwww
そんな私が、一応神話は出て来るけど児童でも
〘新話de神話3〙 置き去りにされた春
✭
「ころがれ ころがれ指輪よ、ころがれ ころがれ指輪……」
「パーヴェル?」
不意につぶやいたパーヴェルに、ザハームが不思議そうな目を向けると、
「ああ、それ、呪文だろ?」
向かいの席からヴァジームが口を挟んだ。
「呪文?」
「そう。えーと、アレだ……妖精だか精霊だかの呪文」
「……四月の指輪の呪文だ」
物憂げな視線を手元に向け、パーヴェル自ら訂正した。その視線の
〘周年企画2023〙 テーマ『風 ✕ 年末年始』
神話創作文芸部ストーリア(旧・note神話部)創立4周年記念企画参加作品です。
企画のご案内はコチラ↓
昨日のスタートは我らが 部長・矢口れんと氏 が切ってくださり、不肖・唐揚げゆーりんちーことこの悠凜が次鋒を取らせていただきます!
今回は、4周年に掛けて4つのテーマを二組(花・鳥・風・月✕龍・家事・巡礼・年末年始)捻出して組み合わせると言うもので、何と何の組み合わせに当たるかは
〘お題de神話〙 神の馬
「この馬は……」
万物の主オーディンさえ、思わず唸った。
「スレイプニルと言います」
ロキが連れて来たその馬には脚が8本あり、見目形を取っても神馬に相応しい気品と威厳を兼ね備えている。
「待て。今、スレイプニルと言ったか?」
「ええ。スヴァジルファリの子です」
「……では、こやつがそなたの……」
ロキは答えなかった。
先年、アース神族と山の巨人との間である契約が交わ
〘お題de神話〙 穣かなる(ゆたかなる)
華麗に舞う姿に目が釘付けになる。
(……これは夢か……)
その時、心は決まった。
✮
「お前はいつも歌ったり踊ったり元気だな」
背後からの声に少女が振り返った。声の主が見知った仲の相手と認め、花よりも美しい顏がほころぶ。
「一緒に踊らない? 多聞」
「冗談はよせ。おれに舞踏など出来るわけなかろう」
多聞と呼ばれた大柄な少年が眉をしかめた。
「今のは大祭で披露する
〘お題de神話〙 御魂の音──たまのね
シャン ────!
涼やかでいて凛とした音が辺りの空気を震わせた。
「なんと言う音色……」
比丘十八物のひとつとされるその杖は、頭部の輪形に遊環と呼ばれる輪が通され、揺らすと都度音が鳴る。
「その音を聞くだけで満たされた心持ちでございます」
道端に伏した民人は、姿が見えなくなり、音が遠ざかっても、まるで聞こえているかのように手を合わせていた。
(この錫杖の音を聞いて
〘夏祭り2023〙 真夏の夜のアレ
本日、算盤パチパチ 2023年8月8日。
草木も眠る丑三つ時前……。
矢口れんとさん 率いる 神話創作文芸部ストーリア(旧・note神話部)恒例『夏の企画2023』参加作品です。
このたび4回目の夏の企画となります。
今回のテーマは『ストーリア学園』!
学園ものです!!(遠い目)
この夏、どんな学園ストーリー ( by Mythology ) が繰り広げられるのか乞うご期待!
〘お題de神話〙赤の王
「ルベウス。本当にその子と逃げるのか?」
友・ヴォーツァロが問うた。ルベウスの手にはひと際鮮やかな『赤』が在った。
「致し方あるまい。神はこの子を良しとされなかった。このままでは消されてしまう。既に一片は南の地に逃したが……」
その色は神に危険と見做されたのだ。
「お前が逃げればすぐにも気づかれよう。主要色がこの地から消えるのだから」
「なれば、どうしろと言うのだ! むざむ
〘お題de神話〙底はどこか
「神の怒りで洪水を起こされたらたまらんな」
「突然どうした」
「まあ、自然は怒っても悲しんでもないんだろうけどな。知らんけど」
「身も蓋もないな」
「そう言えばさ。この辺りにも水害関連の神話ってか伝説あったよな」
「それ、度重なる洪水に困り果てた村人たちが近隣の村と協力して堰……つまりダムを造ったって話よね」
「ああ、それで村が一つダムの底に沈んだんだっけ?」
「そうそう」
「神話って
〘お題de神話〙 毒を以て
「何処へなりとゆくがいい」
男が言った。
はらりと落ちたひと粒の涙が、女の手にある酒杯へ吸い込まれる。
「せめて最後の杯を……」
差し出された酒杯に手を伸ばした時、年配の男が声を上げた。
「王! 飲んではなりません!」
だが、男は静かに酒杯を受け取った。
「アリストテレスよ。案ずることはない。私には英雄ヘラクレスとアキレスの加護がある。何より『決して負けぬ』と神託
〘お題de神話〙 我が生涯に一片の光あれ
「光あるところに影(陰)がある」
「どうした。いきなり」
「いや、こないだマンガ読んでてさ」
「マンガかよ」
「神話って大体最高神は太陽神とか光の神だったりすることが多いじゃん? 光と対なのは闇だと思うんだけど、対比的に出されるのって影(陰)が多い気がしてさ。そもそも闇を司る神はいるけど、陰の神ってあんま聞かないし」
「強いて言うなら伊邪那美命かしら。陰と言うよりは陰だけど」
「雑に分
〘お題de神話〙 ずっと、ここにいて
『永の別れにしたくなかったのだ』
✵
その村を訪れたのは先祖の供養をするためだった。調べてみたいことがあり、この機会にと両親の代わりに私が出向いたのだ。
きっかけは数年前に亡くなった曾祖母が遺した言葉だった。
『お前の姉ちゃんは童神になったんよ』
私には姉はおらず、意味する所は両親にもわからなかった。当時存命だった祖父にすら。
だが、最期までしっかりしていた曾祖母の言
〘お題de神話〙 理の戒
〜理の戒〜
✵
軍神と愛の女神は溜め息をついた。
「残念なことだ……」
二柱には、欧州随一の名門となったハプスブルグ家の行く末が見えてしまった。
青い血──貴族階級が『高貴な血筋』を笠に着るようになったのは予兆だったに違いない。
やがて、民衆が意味を挿げ替え、揶揄するようになった時には手遅れだった。婚姻政策を繰り返すうち、欧州全土の貴族はほぼ血族となっていたのである。