【倫理の指導案】現象学(フッサール)×ペンがあることを証明せよ
当たり前?本当に見えてるか?
見ないものを見ようとしてるか??
当たり前にこそ、本質ってあるんだぞ。
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ゆとりんり流、PPTの授業での使い方はこちらで紹介しています。
\導入(アイスブレイク)/
まずはアイスブレイク。
授業冒頭で、早速ペンについて考えてみましょう。
生徒からすると何を言っているんだ…。という感じでしょうが関係ありません。これが今回のメインだからです。次なる発問です。
大体の人が「ある」と答えることでしょう。そこから授業を展開していきます。現象学の始まりです。
「周りの人が見てたじゃないっすか」なんてサラッと答える生徒のためにもう1発問。全員参加です。
\展開(フッサール) /
「いやいや誰も触ってないからあるに決まってるっしょ」とか言われるので、状況を整理します。すると当たり前と思っていたことが不思議に思えてきます。生徒にも体感してもらいましょう。
先の質問当たりから、生徒は答えに詰まり始めます。そこに救いの手を差し伸べるのがフッサールなのです。
と、言っても難しいと思うので、今回はより詳しい解説を1枚のスライドにまとめました。このページのためだけでも利用する価値ありです。
だからフッサールはいうわけです。「一回その判断を停止して、認識のあり方の方、意識を意識せよ」と。
この現象学の本質をみようという考え方には、もとになった思想があります。倫理の現象学の授業でここまでやる先生がどれほどいるかわかりませんが、合わせて確認した方が理解しやすいのでスライド入れました。不必要だったら消してください。
\展開(メルロ=ポンティ) /
メルロ=ポンティの思想はよく幻影肢(げんえいし)で説明されます。普段私たちは見たり触ったりしていること以上のことを感じているということが言いたいところです。
有名なメルロ=ポンティの言葉を紹介し、解説も入れております。思想家の考えは言葉で頭に置いておくというのも、頭の整理に有効です。
「ここは今から倫理です。」の高柳先生の授業がそんな感じですね 笑
\まとめ(本題に帰ろうぜ)/
忘れてはダメです。今回のテーマは「ペンがあることを証明する。」です。さあ、最後に思想を活用できるように考えて終わりにしましょう。生徒からどんな答えが出てくるか楽しみですね。シンプルですが結構レベルの高い発問かなと思います。
\余談(まとめ について)/
先の質問に対して、シンプルではありますが「人間は意識以上のことは意識できないので、私の意識下で”ある”ものは”ある”」とか答える生徒が出てきたら面白いなと思います。
倫理を通して捻くれた生徒を育成しているようで、授業のたびに複雑な気持ちにはなりますが、まあよしとしましょう。
また、以前『バガボンド』という宮本武蔵の人生を描いた漫画を考えるというnoteを書きましたが、今回の現象学はこれだと思います。
天下無双を目指す宮本武蔵が、天下無双に最も近いとされる柳生石舟斎に尋ねます。「天下無双とは何だ」と。対する柳生石舟斎は「ただの言葉である」「目を閉じよ どうじゃ お前は無限じゃろう?」とこたえます。
記事の中ではウィトゲンシュタインを出していますが、「目を閉じよ」の方は、意識下に本質が見えるという点で現象学ぽいなぁとも思います。
漫画も倫理を学ぶとより面白くなります。登場人物の考え方に目がいき、言葉一つひとつに注目できます。ぜひ倫理の魅力も併せて高校生に授業をしてみてはいかがでしょうか。まずは自分が授業を楽しんで。
余談 筆者より
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