マガジンのカバー画像

評論

633
運営しているクリエイター

2023年11月の記事一覧

前原誠司氏の「国民民主党からの離党と新党の結成」はいかなる意味を持つか

本日、国民民主党の前原代表代行は離党届を提出し、自身を含む5人の議員で新党「教育無償化を実現する会」を結成することを明らかにしました[1]。

前原氏は今年9月の国民民主党代表選挙に立候補したものの現職の玉木雄一郎氏に敗れており、その去就が注目されていました。

代表選後、前原氏は玉木氏と手を取り合って一致結束をアピールし、「ノーサイドだ」と記者団に強調する一方、玉木氏が自公政権との連立に傾いた場

もっとみる

池田大作氏の訃報に接して思い出したいくつかのこと

去る11月15日(水)、創価学会名誉会長の池田大作氏が逝去しました。享年95歳でした。

池田氏の宗教家としての事績については、1960年に創価学会の第3代会長に就任して以降同学会の勢力を拡張させるとともに、1964年に政治組織である公明党の結成に関わるなど、現代の日本社会に広範な影響を及ぼしたことは周知の通りです。

そのような池田氏に関する話題として思い出されるのは、政治記者として活躍し、同氏

もっとみる

大谷翔平選手の「2度目のMVP受賞」を讃える

現地時間の11月16日(木)、大リーグ機構は今季の最優秀選手(MVP)を発表し、ナショナル・リーグはロナルド・アクーニャ・ジュニア選手(アトランタ・ブレーブス)が初めて、アメリカン・リーグは大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)が2回目の受賞となりました。

両選手とも満票での選出であり、大谷選手は前回に引き続き2回連続の満票となり、いずれも大リーグ史上初となりました。

アクーニャ・ジュニア選

もっとみる

岸田政権の「辞任ドミノ」をどのように考えるべきか

昨日、政府は持ち回り閣議で2013年以降、4回にわたり固定資産税の滞納により差し押さえを受けていた神田憲次副大臣の辞任を認めました[1]。

政務三役の辞任を巡っては、10月26日に文部科学政務官だった山田太郎氏が女性との不適切な関係を報じられて辞任し、10月31日には柿沢未途氏が東京都江東区長側の公職選挙法違反を巡り法務副大臣を辞めており、今臨時国会の開幕から1か月を経ずして3人が相次いで職を退

もっとみる

岸田文雄首相の「年内の衆院解散断念」発言はいかなる意味を持つか

昨日、岸田文雄首相は首相官邸で記者団の質問に応え、当面は衆議院を解散しない意向を示しました[1]。

確かに、各種の世論調査で政権への支持率が低迷する状況の中で、総選挙を行っても自民党が議席を減らすことが予想されています。

そのため、単独過半数を維持できたとしても党内から岸田首相の退陣を求める声が上がりかねないとすれば、来年9月の総裁選挙での再選を目指す岸田首相にとっては望ましくない選択肢となり

もっとみる

阪神タイガースの日本シリーズ制覇を祝す

昨日、京セラドーム大阪において2023年の日本選手権シリーズ(日本シリーズ)の第7戦が行われ、阪神タイガースがオリックス・バファローズに7対1で勝利し、通算4勝3敗で38年ぶり2度目の日本シリーズ制覇を成し遂げました。

今季のタイガースが見せた粘り強さと安定した試合運びが日本シリーズでもいかんなく発揮されました。

特に、第1戦で村上頌樹投手が前年まで1軍の試合で無勝利ながら、日本シリーズを含め

もっとみる

岸田政権による「一時的な所得減税」は一時的な措置か

本日、岸田文雄首相は新たな経済対策が決定を受けて記者会見を開き、企業の賃上げの支援や所得税の減税などの対策を通じ、来年夏には国民所得の伸び率が物価上昇率を上回る状態を確実に実現したいと発言しました[1]。

これに加えて、所得税の減税を含む今回の経済対策が、財政再建という政府に貸されたより大きな目的に反するのではないかという趣旨の批判を念頭に置き、岸田首相は「経済が成長してこそ税収も増え、財政健全

もっとみる