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2022年12月の記事一覧

ゼレンスキー大統領の訪米が示す外交巧者ぶり

現地時間の12月21日(水)、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が米国を訪問し、ジョー・バイデン大統領と首脳会談を行うとともに、上下両院合同会議で演説しました[1]。

今年2月24日(木)にロシアによる侵攻を受けて以降、ウクライナ国内に留まって抗戦を主導してきたゼレンスキー大統領にとって、今回の訪米は侵攻後初の外遊となります[2]。

現在、世界で最も注目される政治家の一人であるゼレ

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ジャッキー・ロビンソンの遺産を活用せざるを得ない大リーグの実情

去る10月24日(月)、日刊ゲンダイの2022年10月25日号27面に連載「メジャーリーグ通信」の第125回「ジャッキー・ロビンソンの遺産を活用せざるを得ない大リーグの実情」が掲載されました[1]。

今回は今年9月5日に一般公開されたジャッキー・ロビンソン博物館について、その意義と価値を現在の球界におけるアフリカ系アメリカ人の存在感という観点から検討しています。

本文を一部加筆、修正した内容を

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「防衛費増額の財源問題」で岸田文雄首相は何をなすべきか

昨日、自民党総裁である岸田文雄首相は自民党の役員会において防衛費の増額にかかる財源の問題について発言し、「いまを生きる国民が自らの責任としてしっかり重みを背負って対応すべきものだ」と指摘しました[1]。

防衛費の増額については、自民党安倍派を中心として増税による手当を批判し、赤字国債の発行により対応することを主張する意見があります。

確かに、どのような税目であろうと増税することで消費活動や生産

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真珠湾攻撃から81年目に考えるその現在的な意義

今日、日本時間の1941(昭和16)年12月8日に日本軍がハワイの真珠湾を攻撃するとともに、米英に宣戦布告してから満81年が経ちました。

一般書や解説書を含め、いゆる真珠湾攻撃や日本による対米英戦争の意味とその帰結については、これまでに多くの論者によって検討されていることは周知の通りです。

また、開戦時に当局者が楽観的な見通しによって戦況の推移を予想したことや、戦争の長期化に伴い国民に対して真

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