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詩やことばについて

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詩や芸術についての思考のかけら。
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2020年7月の記事一覧

忌み言葉の効果を知る。

残さないこと、見せないこと、出現させてしまわないこと。
見えてそこにあると反応が起きてしまう。文字に残ってしまうと未来永劫燃焼する。
無ければ、そのうち薄れて消えてなくなる。
こころを守る、とてもやさしいやさしい配慮。

だから、私はあれを表記しない。

振り返り

最近我が身を振り返って、良くないなぁ、と思った。
もっとよく噛んでゆっくり味わって食べなきゃだめだ。

なにをかというと、ことばの話。

ことばはこころのたべものだと思う。
であるなら、こころのためには、ゆっくり食べなければ。一文字ずつ、丁寧に。

最近はあれこれ次から次に口に入れて、がつがつと早食いしているようで、よくない。
これはお行儀がよくない。
早食いは消化不良をおこす。
いけないいけない

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詩を書く人へのラブレター

私は詩そのものも好きだが、詩を書く人も好きだ。
(※ここでの詩には、古今東西の各種詩歌、詩的表現やほんとうを含んだ文章を含めます)

詩を書く人は、他人への諦めに染まりきった私に、もっともきれいなものをくれる。

詩を書く人の何が好きかというと、詩を書く人は、どうやったら「これ」を正確にあらわせるのか、どうやったら「これ」を写せるのか、どうやったら「これ」を言語世界に翻訳できるのか、そういうことに

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解毒の旅路

以前に、「なぜ詩が好きか」ということを書いた。

そのときの答えでは「詩はほんとうの純度が高いから」、ということだったのだが、よくよく考えてみると、それでは答えになっていなかった。

ほんとうの純度が高いものがではなぜ好きなのか、ということを次に考えなければならない。

最近このことをずっと考えていた。ぐるぐると。このぐるぐるの中身を少し書いておく。

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まずは「ほんとう」について。

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縁起物のちから

しばらく前から、家にアマビエだるまがいる。白河だるまのかわいい子。

ウイルス対策としては直接的にはどうにもならないかもしれないが、いつも帰るとほっこりして、心の支えになる。
そんなものが何になる、と思う人もいるだろうが、この「ほっこり」の力はばかにできない。
不安や寂しさが薄れるし、なにより、私は確かに誰かに健康を願ってもらったのだという事実を、毎日胸に刻んで確かめることができる。

世の中でた

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詩と大学と私、そのorigin

高校のころ、私にはやりたい学問があった。

大まかに言うと、ある文化圏の古典の詩について。どういうことを意識して過去の人は詩を作っていたのか。「いい詩」というのがあるとすれば、それはなんなのか。そういうことに興味があった。
私が、いいな、好きだな、と思ったことの必然性というか、理由みたいなのを確かめたかった。

きっかけはとある外国映画で、物語の核として詩の朗読シーンがあった。吹替版でもたしかそこ

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