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エッセイ

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2021年11月の記事一覧

万年筆で書くことの違い

万年筆で書くことの違い

Pilot製の万年筆。名は『KAKUNO』という。
Pilot社の油性ボールペンを探してして、偶然目にしたもの。

興味本位で買ってみたが、これがなかなか興味深いものだった。

印象の違い不思議なことに、ボールペンと万年筆とでは筆記の速度が変わる。
変わるというか、変えているのは自分であるから奇妙な表現ではあるが。

万年"筆" という語源を調べるとそちらに認識が引っ張られてしまい、自分の感覚とず

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書くことでの静けさ

書くことでの静けさ

ものを書いている瞬間。静けさと活発に飛び交う言葉とが入り混じったような世界にいることに気づく。

主人公がただひたすらに "飯を食う" という行為を描いた漫画があるが、ソレのドラマ版。イントロダクションで流されるあの言葉。

「つかの間、彼は自分勝手になり、『自由』になる」

言葉や文章が飛び交う中で、雑音のようなものを感じることはなく、無声映画でも見ているような感覚だろうか。情報は多いが、ソレに

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瞬間を掴み取るむずかしさ

瞬間を掴み取るむずかしさ

運命の神様は、その瞬間にしかチャンスを掴ませてくれないとか。
いくら過ぎ去ったチャンスを悔やんでも、後ろから掴むことは叶わない。

私は文章で似たような経験を何度もしてきた。
「ちょっと後で書こう」「今は手が離せない」「人と話している最中だから」・・。
その瞬間は風呂の中で訪れるかもしれないし、高速道路を運転している最中かも。

とにかく文字通り "時と場合を選ばず" なのだ。
困ったことに。実に

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柿の木と

柿の木と

この時期の田んぼは刈入れも終わり、後に残った株だけが点々と残っている。
その時期と重なって成るのが柿の実で、葉は落ち、独特の枯れたような樹皮が寂れたように見え、あまり好きになれない。

紅葉の葉がある内はいいが、それも段々と落ちてゆく。
少し前には稲穂が垂れ、いかにもな収穫の秋で賑わっていた風景から一変し、生命力が一気に薄れてしまったように見える。

ほとんどの木々や生き物は休眠や冬眠に入るわけだ

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流行語とはなんだろう

流行語とはなんだろう

過去の流行語として集められた言葉を見ると、なんだか気恥ずかしい。とても人工的で空々しく、冷めた気持ちになる。

その時代を表した言葉を寄せ集めているつもりだろうが、数年経てば実に "お寒い"
単純に言えば感動が無く、とても作為的。
とても "薄い"

人の感情や情熱の中から生まれた言葉には温かみが感じられ、時代が過ぎても伝わってくる。名著の中の言葉がいつまでも色褪せないのは、そのためではないかと思

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ネコの流儀

ネコの流儀

人間にはよくわからない行動の違いであるが、ネコにもそれぞれに個性やこだわりがあるようだ。

実際に見たことがない人でも、ネコが蛇口から水を飲む様を動画などでみたことがあるだろう。
我が家にもネコが長年暮らしているが、実際目にしたのはこの「ユズ」が初めてだった。

田舎の、特に農家では外の洗い場が何箇所が設けてあることが珍しくない。採ってきた野菜を洗ったり、長靴の泥なんかを洗い流すのに使う。

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