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柿の木と

この時期の田んぼは刈入れも終わり、後に残った株だけが点々と残っている。
その時期と重なって成るのが柿の実で、葉は落ち、独特の枯れたような樹皮が寂れたように見え、あまり好きになれない。

紅葉の葉がある内はいいが、それも段々と落ちてゆく。
少し前には稲穂が垂れ、いかにもな収穫の秋で賑わっていた風景から一変し、生命力が一気に薄れてしまったように見える。

ほとんどの木々や生き物は休眠や冬眠に入るわけだから、まぁそれが自然の姿ではある。

見慣れた景色。当たり前に繰り返しに見てきた景色なのだが、やはり好きになれない。
それっきりで終わるわけではないとわかっているが、あまり見たくない風景。

不思議なもので、完全に真冬に入ってしまえば見え方も違ってくる。完全に季節が変わりきってしまうと "嫌な感覚" が薄れ、休眠の情景もいいものだと感じる。

あの秋から冬への過渡期は何なのだろう。
まるで風景が死んでゆくように見えて嫌なものだ。

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