太古の地層は堅苦しい??:兵庫県中央東部の山間地域【都道府県シリーズvol.4:兵庫県part1】
プロローグでは、兵庫県は地形的な特徴で分けていくと、14か所になるとお話ししました(あくまで私個人の見解です)。
今回はその中でも県中央部の東側の山地メインの地域についてお話ししていきたいと思います!
今回紹介する地域は⑤です。⑩とは地形的特徴としては大きく変わらないのですが、⑧の地域北西がニョキッと出て、ほぼほぼ⑤と⑧が分断されそうだったので、分けました。
それでも⑤の地域は広いのですよね。
では、行ってみましょう!
どんな地形だ?
まず、見てみましょう。
これまで宮城県・福島県・山口県と紹介しましたが、その中ではあまり見なかったタイプです。
図の〇で囲った地域はみんな、山の中の谷地形が広め。
まとまった範囲での平地ではないんですが、谷が広めで網目状に広がってるので、全体的には平らな土地が続いてるんですよね。
宮城県や福島県の山地内の平野は盆地と呼ばれる地形でしたが、こちらは明らかに、河川で平らになった土地に見えますよね。
ちなみに北東の青丸は京都府の地域なので、色を分けました。
地質はなんだ?
そう。だいたいの場合、地形の原因は地質です。
ですので「この地形は何でできた?」と思えば、まず地質を見てみたくなります!
ただし、この地域の範囲は広いので分割して見てみます。
①:丹波市~丹波篠山市周辺
黒線が県境、赤丸が市役所で、西が丹波市、東が丹波篠山市です。
南西側のオレンジ色は白亜紀(はくあき)後期、約7000万年前の火山性の硬い地層です。
全体的に見られる灰色などの地層は砂や泥が固まった地層がメインになります。時代はなんと、まだ恐竜がいなかった古生代ペルム紀から恐竜がいたジュラ紀で、約2億9900万年前から約1億4550万年前までと非常に古い地層です。古いので硬い岩石になっています。
②:市川町~多可町周辺
全体的に広がるオレンジ色の地質は、上で紹介したオレンジ色の地層と同じような古い火山性の硬い岩石。
茶色の地層は上の灰色の地層と同様に、古くて硬い堆積岩(砂岩や泥岩)です。やはり古い地層ですね。
③:六甲山~三田市東の山地
残りの地域のオレンジと薄いオレンジの地層も上と同じような時代の古い火山性の硬い地質。
南部の六甲山も時代は近く白亜紀で約7500万年前から7200万年前の花崗岩です。花崗岩はドロドロのマグマが地下深くでゆっくり冷えて固まった岩石で、非常に硬いです。
ちなみに六甲山の花崗岩は固くない部分もありますが、これについては別記事で詳しくお話ししたいと思います。
太古の地層だらけ!
ということで、兵庫県中央東部の山地はどこも古い時代の地層で、硬い岩石ばかりでした。
だから平らな地形ができにくく、山がちな地域なのですね。
今回はここまでとなります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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参考文献
栗本史雄・松浦浩久・吉川敏之(1993)篠山地域の地質.地域地質研究報告(5 万分の1 地質図幅),地質調査所,93 p.
藤田和夫・笠間太郎(1983) 神戸地域の地質.地域地質研究報告( 5 万分の 1 図幅),地質調査所,115 p.
河田清雄・宮村 学・木村史郎(1986)20万分の1地質図幅「京都及び大阪」,地質調査所.
猪木幸男(1981)20万分の1地質図幅「姫路」,地質調査所.
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