【夢日記】ロキ空港とタイの寺院

飛行機がゆっくりと滑走路を走っている。
どうやら、無事にランディングしたようだ。
乗客はまだ席に座っている。
機内は明るさを取り戻す。
自分は半袖のシャツを着ていて、どうやら暑いところに来たようだ。
どこの空港だろう。
小さな窓の外は真昼の太陽にさらされて、ビルの看板も色褪せているように見える。
沖縄だろうか。
3階建くらいの建物の上の大きな青い看板がだんだん近づいてきた。
大きな白に赤い縁取りの文字で、英語で航空会社のロゴが書かれている。
その下に小さく「ロキ」とカタカナで書かれていた。
ロキって、どこだろう、聞いたことがあるような気がする。
タイかどこかじゃないだろうか。
通路を挟んだ左の方から、父親と母親らしい人が話している。
そばに座っている親戚のおじさんに何やら指示を出しているようだ。
機内アナウスで「ただいま当機はロキ空港に到着いたしました」と言うのが聞こえた。
使えるようになった携帯の検索に「ロキ」と打ってみる。
検索結果一覧には、タイ語のような文字が並んでいて、その中に日本語で「タイ、ロキ空港」とあった。

真夏の日差しの中、私の乗ったマイクロバスは大きなお寺の前に着いた。
祖父母のような人が、バスのドアの方に向かっている。
まず、祖母のような人が手すりにつかまりながら、ゆっくり階段を下りて、地面に足をつけると、スタスタとお寺の方に歩いて行った。
それから、茶色のスーツに茶色のハットをかぶった祖父のような人が同じように階段を下りた。
足が地面に触れた瞬間、急に体が薄っぺらくなって、パタパタと九十九折りにたたまれて、まるでクリーニングから戻ってきたワイシャツのようになっていった。
私は後ろから、祖父のような人の両腕をつかんで、万歳をするように引き上げた。
すると、体はもとの厚みを取り戻して、自力で立てるようになった。
「いやぁ、驚いたよ。急に体に力が入らなくなって、あんなふうになるなんて」
祖父のような人はそう言って笑った。
寺には門のようなものもなく、道路に面したところから、鮮やかな黄色い花に囲まれた大きな黒光する仏像が見えた。
ほかの乗客たちは、その仏像の前に集まっていけれど、私たちは通り過ぎて裏手に回った。
私は知っていた。
裏にもっといい仏像があることを。
祖父母のような人に紹介しなければならないと思い、ほかの人たちが不思議そうに見ているのをよそに、祖父母を促し歩いて行く。

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