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パリこでかけ 映えすぎるバルセロナ ガウディ祭り② _パリ節約自炊生活番外編

パリこでかけバルセロナ、ガウディ祭り第二弾、今回はカサ・ミラ、カタルーニャ音楽堂、カサ・バトリョの3本立でお送りします。正直、カサ・バトリョはこのためだけにバルセロナに旅行しても良いと思うくらい感動しました。

◆カサ・ミラ

カサ・ミラ(Casa Milà)は、バルセロナの銀座であるグラシア通りに立つガウディの作品です。直線部分が全く無い構造になっていて、それまでの、いやそれ以降の建築物と比べても特別な存在です。スペイン版アール・ヌーヴォーと言われるモデルニスモ様式であるカサ・ミラは、鉄やコンクリートという近代的な素材を使いながらも、柔らかに波打つ造形を重視し、独特の存在感を放っています。
建設当時はバルセロナ市民から「石切場(ラ・ペドレラ)」という批判的なニックネームを付けらてしまったそうですが、現在では他の建築物と同様にガウディによる歴史的な作品として世界遺産に認定され、バルセロナを代表する建造物となっています。
現在ではガウディ建築の博物館となっているだけでなく、普通に4世帯が居住しているそうで、生きた建築物として今もなお活躍している様は美しくも強かさを感じます。

◆カタルーニャ音楽堂

こちらも他のガウディ作品とともにユネスコ世界遺産に認定された建築物であり、現在でも様々なジャンルの音楽を鑑賞するための音楽堂として現役で使われています。ちなみにこちらはガウディの先生でありライバルであったイ・ムンタネーの設計とのこと。

内部は見学ツアーを申し込まないと入る事ができませんが、入口だけならツアー外でも見学する事ができます。こちらの写真は入口を入ってすぐ、両サイドに階段と、奥にカフェがあります。

こちらは階段を見上げたところ。歴史を感じさせながら新しくもあるモデルニスモ様式の階段は圧巻です。時間がある方はぜひツアーを申し込んで中まで見に行かれてください!

◆カサ・バトリョ

ガウディの作品の中でも随一の個人邸宅であるカサ・バトリョは、大繊維業者であったバトリョ氏の依頼で1904年から1906年にかけて改築が行われ、建物に5階と地下室を加え、玄関広間を広げ、階段や内壁を作り直し、各部屋に曲線的なデザインを持ち込んで、タイルやステンドグラスの装飾が施されました。
こちらのカサ・バトリョは個人所有の美術館としてオーディオガイド付き見学ツアーが行われていて、私も参加してきました。ここから建築好きさん垂涎の内部写真満載でご紹介します。

まずは入ってすぐの螺旋階段。直線を一切排除し、木の優しさを感じる階段や手すりは、近代建築の中で自然の造形への敬意を表現しようとしたガウディの思想の現れを感じます。

うねうねしているように見えますが、手すりはびっくりするほど手にぴったりと添い、ストレスなく階段を昇ることができます。

2階の広間、曲線の窓とステンドグラスが印象的です。ガウディが改築を手がけた当時、このグラシア通りは金持ちの富豪が自らの資産や地位の高さを示すがごとく斬新な建築ラッシュが起こっていました。そんな通りを、バトリョ家の皆さんはどんな思いで見つめていたのでしょうか。

2階の壁面を横から見た所。外から見ても直線を一切排除した生き物のような造形は独特の美しさがあります。

建物内の吹き抜け。上から光が差し込んだ時に同じ色に見えるように、モザイクタイルは下の方は濃紺、中はスカイブルー、上は明るいグレイと色を変えているのだそうです。ガウディの配慮によって写真では全く同じ色にしか見えませんが、それこそが建築家の英知と工夫の傑作なわけです。
また、写真下の鯨のお腹の中のような木枠は、吹き抜けを活用した換気システムになっています。手で簡単に開閉できる木製の弁によって、空気を入れ替えたり密閉したりが容易にできるような構造となっています。

こちらはグラシア通りの反対側、裏庭から見上げた建物の様子です。裏庭に面した窓は大きく、プライバシーを保ちながら外の空気や景観を楽しむことができるよう設計されています。

こちらは建物内のエレベーター、今も現役で、体の不自由な方の見学に活用されています。エレベーターと言えば無機質なイメージがありますが、100年前にこんなにも美しいエレベーターが設計されていたとは感動的です。

最上階の洗濯場。散らかりやすく湿気が溜まりやすい洗濯場だからこそ、外からは見えないが自然に空気が抜けるような設計の外壁になっています。

屋上の屋根裏部屋。鯨の背骨のような構造にすることで、軽くても強度のある構造となっています。曲線に磨き上げられた漆喰は、どこか落ち着く質感です。

そしてカサ・バトリョ名物の屋上へ。突き出す指の様な突起は換気扇ですが、こんなに美しい換気扇を見たことはありません。ガウディの建築はどこまでも機能的であり、どこまでも美しい。教科書では何度も見ていましたが、実際に目の当たりにするとその機能美に言葉も出無いほど感動させられます。

最後に、カサ・バトリョでは今日でも継続して修復が行われています。見学料は結構お高めですが、個人所有の建物として修繕費用を税金に頼れない分、と考えれば納得もいきます。これほど建築史上画期的で美しい建物は後世に残すべきであり、細かく修繕されている様子は大変好ましく思いました。

第2弾はここまで!第3弾では、ガウディ以外のバルセロナの魅力をお届けします。


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