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職業:医療ソーシャルワーカー 病院内でのごたごたや愚痴、私見をフィクションを交えていろ…

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職業:医療ソーシャルワーカー 病院内でのごたごたや愚痴、私見をフィクションを交えていろいろ投稿していきたいと思います。 いつか何かの役に立てられるように形に残るものとして始めてみました。

最近の記事

医療ソーシャルワーカー73(退院支援の何割か)

 日々の仕事の中で患者さんやそのご家族から感謝の言葉を頂くことがあります。「〇〇さんのおかげで退院できました」、「色々と調整してくれてありがとうございます」と。大変ありがたい言葉ですが、正直退院調整におけるソーシャルワーカーの役割は1割くらいじゃないかと思っています。(もちろんケースにもよりますが・・・)  患者さんを看取る為に自宅に退院したご家族から、後日ご本人がお亡くなりになったご報告と感謝の言葉を頂いたことがあります。自分を過小評価しているわけでも、卑屈になっているわけ

    • 医療ソーシャルワーカー72(ソーシャルワーカーはいらない)

       様々なケースを日々担当する中でソーシャルワーカーは必要とされていないんじゃないかと感じることがあります。  患者さんと直接話をしながら、リハビリ担当者とリハビリの進捗状況を確認し、病棟看護師から自宅退院に向けた課題を共有し、担当ケアマネへ連絡して在宅に向けたサービスの調整をしているにも関わらず、主治医から「治療が終わったから、明日退院ね。家族には連絡しておいたから」と発信があった際には、自分がやっていたことは何なんだろう。  退院日を医師の一存で退院が出来るのであればソーシ

      • 医療ソーシャルワーカー71(ピンピンコロリの弊害)

         患者さんやそのご家族と面談する際に「最期はぴんぴんころりが良いね」と言われることがあります。  たしかに亡くなる直前まで元気で痛み等の苦痛も感じず、家族に介護の負担も背負わせないことは理想的な亡くなり方だと思いますが、その弊害もあると思っています。  それまで元気だったご家族が急に病院に運ばれて意思疎通や食事摂取も難しい状況になってしまったご家族と面談する際に良く言われることが ・昨日まで普通に過ごしていたのに急にこんなことになるなんて信じられない。 ・食べるのが好きな人な

        • 医療ソーシャルワーカー70(エゴ)

           患者さんの支援を行うにあたり、「本人の意向を大切に」と新人の頃から良く指導されてきました。おそらく医療ソーシャルワーカーの倫理綱領にもあるはずです。(何年も目を通していないのですが、たしかそんなようなことが書いてあったはずです・・・。)  ですが、日々の業務のなかには意向を尊重しても良いのかと思われるケースもあります。  糖尿病の疾患はあるが、栄養指導に非協力的で「好きなものを食べて死にたい」と主張する方。  受診や内服もおろそかにして体調を崩し入院するが、退院が近づくと元

        医療ソーシャルワーカー73(退院支援の何割か)

          医療ソーシャルワーカー69(言われやすい職種)

          これまでのケースで「あの先生の治療が悪いから良くならない」、「あの看護師さんのケアが不十分だから寝たきりになった」、「あのリハビリ担当者が良くないから寝たきりのままだ」なんていう訴えは聞いたことはありません。 ですが「ソーシャルワーカーが病院から追い出そとする」、「相談員が何もしてくれない」、「希望の施設や病院を紹介してくれない」とソーシャルワーカーへの指摘は数多い印象があります。 自慢ではないですが、病院内の職種の中でもトップクラスに文句を言われると思ってます。 退院への調

          医療ソーシャルワーカー69(言われやすい職種)

          医療ソーシャルワーカー68(本音)

          以前関わった患者さんのご家族から面談中に「本人にあの時死んでもらったほうが良かったと思うの私は冷たい人間ですか」と聞かれことがあります。 その患者さんは救急搬送された際には意識不明で医師から「覚悟はしておいてください、近しい方でお会いになられる方がいれば自由に面会をしても良いですと」と言われました。 私の感覚で言うとそういったお話をされた患者さんの多くはそのまま病院で看取らせて頂きます。 ですが稀にそこから驚異的な復活を遂げる方もいます。が復活するのはあくまで命をつなぎとめる

          医療ソーシャルワーカー68(本音)

          医療ソーシャルワーカー67(矛盾を追求するのは野暮)

          退院したがらない、退院させたがらない患者さんやご家族は多くいらっしゃいます。そういった方々の調整は苦労しますが、なるべく心を冷静にし対応していこうと心がけています。 「リハビリが終わっていないのでまだ入院が必要だと思う」「この病院の治療が本人には適しているのでもう少しいさせてほしい」「本人のことを一番に考えているので、より良い病院または施設を紹介してほしい」様々な要望をソーシャルワーカーに伝えてこられますが、いざソーシャルワーカーが退院の為に色々なことを提案し始めると、「仕事

          医療ソーシャルワーカー67(矛盾を追求するのは野暮)

          医療ソーシャルワーカー66(命は大切)

          患者さんの容態が思わしくない時に胃ろう、経鼻胃管、気管切開、人工呼吸器、心臓マッサージ、点滴等の延命に繋がるような処置について希望されるご家族も少なからずいます。 亡くなることが受け入れられない気持ちは分かりますが、命を大事にすることで患者さん本人の生活の質は守られるのでしょうか。 2~3時間おきに吸引があり、意識もままらない状態で栄養は入る、家族の面会も週に数えるほど、1畳ほどの広さのベッドから動くことは出来ない。 ご家族の選択を否定はできませんが、自分に置き換えたら耐えら

          医療ソーシャルワーカー66(命は大切)

          医療ソーシャルワーカー65(同じ悩み)

           医療ソーシャルワーカーとしてふとした時に毎回悩むことがあります。 それはソーシャルワーカーとしての役割と病院職員としての役割が相反する時です。  例を挙げますと病院としては在院日数を減らすため、治療が終われば早期に退院することが望ましく、そのための役割としてソーシャルワーカーに依頼が来ます。  ソーシャルワーカーとしては早期に退院させることをも役割の一つですが、追い出すための仕事ではないので、治療とは別の課題を解決すべく調整することも多いです。    理想は早期に退院調整が

          医療ソーシャルワーカー65(同じ悩み)

          医療ソーシャルワーカー64(綱渡り)

           私の医療ソーシャルワーカーのイメージは患者さんが入院し退院という対岸に渡るため綱渡りの補助という感じです。  退院という対岸に渡るためにはさまざまな障害があります。     自宅退院という対岸の場合には本人のADL、家族の協力、介護保険サービスの調整、病気の進行具合等を気にしながら。  施設入所や転院という対岸の場合には本人の状態(認知機能やADL)、処方されている薬の種類、金銭面等のことを気にしながら。  渡りきるには上記のことを整えながら進めていきます。もう少しで渡れそ

          医療ソーシャルワーカー64(綱渡り)

          医療ソーシャルワーカー63(今年の目標)

           先日、救急認定ソーシャルワーカーの認定研修及び試験を受けました。 理由としては今年度から救急病棟担当になったこと、ソーシャルワーカーとしての引き出しを増やしたかったことが挙げられます。  研修では実際の救急認定ソーシャルワーカーとして勤務している方の話もあり、とても面白かったですが自分にはまだまだ足りないものがたくさんあるなとも感じました。    特に「救急認定ソーシャルワーカーとして病院から患者さんを早期に退院させることで院内の多職種から賞賛されることもあるが、ただの追い

          医療ソーシャルワーカー63(今年の目標)

          医療ソーシャルワーカー62(男女の違い)

            患者さんやそのご家族と毎日面談していますが、大きく女性と男性で対応の仕方を変えております。(細かく分けたらキリがないくらい対応を変えています)  簡単にいうと女性の場合はそこに至るまでの過程や多少本題とは外れた話をしながら、男性は本題になるべく早くかつ端的+直接的のほうがソーシャルワーカーとの話が盛り上がる傾向があります。(あくまで私の感覚です。)  例えば各種制度案内(介護保険や身体障がい者手帳)にを例にした場合、 女性の場合制度案内の前に現在の状況やこれからの不安、

          医療ソーシャルワーカー62(男女の違い)

          医療ソーシャルワーカー61(鼻が利く)

           おそらく医療ソーシャルワーカーの方なら分かってもらえると思いますが、面談時に席について挨拶をした瞬間になんとなく患者さんやそのご家族を見て、気を引き締める場面があると思います。    例えば、「この方は色々病院に対して要求が多そうだな」とか「退院調整になったら、色々理由をつけて退院を伸ばすんだな」とか「介護やそれにまつわる諸手続等の面倒なことは色々やりたくないんだな」初対面から挨拶を席に着くまでの間になんとなく感じ取ることができます。    もちろんすべての患者さんやご家族

          医療ソーシャルワーカー61(鼻が利く)

          医療ソーシャルワーカー60(理想の形)

           毎日仕事においての反省がありますが、反省、後悔のない形の仕事はどんなものだろうと考えたことがあります。  医師の指示通りで、看護師のストレスなく、リハビリスタッフの目標値に達した通りかつ、患者さんの気持ちが整った状態で、ご家族の納得いく形で、ケアマネジャーが確実にサービスを始められる段階で退院日が決められれば私の思う理想の退院日設定が出来るんだろうなと感じています。  お恥ずかしい話ですが、正直まだ一つも上のような退院調整が出来た気がしません。  それでも理想に近づくべく日

          医療ソーシャルワーカー60(理想の形)

          医療ソーシャルワーカー59(バイタリティ)

           医療ソーシャルワーカーとして病院で勤務し始めて分かったことは、ドクターの強靭な元気さです。  入職する前のドクターのイメージはインドア、静かのような感じでしたが、入職してから一変しました。  外来に回診、当直をこなした後に体力作りのジムに行ったり、何時間もかかる手術の後に夜中まで飲み会に参加したり、普段の忙しい業務+学会の提出資料を作りながら英会話教室に通ったり、仕事も全力、プライベートも全力です。どこにそんな時間と体力があるのだろうと感じることがあります。  ドクターに比

          医療ソーシャルワーカー59(バイタリティ)

          医療ソーシャルワーカー58(説明書)

           いくつかの病院に勤務してきましたが、医療ソーシャルワーカーのマニュアルと言うものに出会ったことがありません。(全くないとうわけではなくありませんが・・・)  たまたまなのかもしれませんが、私が勤めてきた病院の指導は主に指導係の先輩のソーシャルワーカーに付いていき、制度の説明や患者さんとの対応方法を学び、時期が来れば独り立ちのような形です。    ある病院での初日の出勤の際には入職式が終わり、ソーシャルワーカーの部署に配属されると「●●病棟と●●病棟が担当ね」と上司にあたる方

          医療ソーシャルワーカー58(説明書)