医療ソーシャルワーカー68(本音)

以前関わった患者さんのご家族から面談中に「本人にあの時死んでもらったほうが良かったと思うの私は冷たい人間ですか」と聞かれことがあります。
その患者さんは救急搬送された際には意識不明で医師から「覚悟はしておいてください、近しい方でお会いになられる方がいれば自由に面会をしても良いですと」と言われました。
私の感覚で言うとそういったお話をされた患者さんの多くはそのまま病院で看取らせて頂きます。
ですが稀にそこから驚異的な復活を遂げる方もいます。が復活するのはあくまで命をつなぎとめるまでの回復で認知機能、ADLの低下はありました。
主治医としては治療が終了段階になったことで退院許可の話が出て、そのご家族と面談しました。
元々は自宅で生活されていましたが、ご家族の介護の苦労は多かったようで、今後は施設に入所させたいとの希望でした。ですが施設と言っても費用はかかります。またもし体調が悪くなれば昼夜問わず施設や病院から呼び出しがあります。ご家族と面談する中で最初に記載した言葉が出たのはそんな面談の最中でした。
正直に私は「冷たいなんて思いません。むしろ感覚としては正常だと思います。言葉だけで本人には生きててほしいと言いながら何もしない人はたくさんいます。」と伝えました。(過去のことなので一言一句間違っていない自身はありません・・・)
結局そのご家族はこちらから提案したいくつかの施設を見学し入所まで調整が付きました。
自分の限界や本音を伝えてくれる患者さんやご家族のほうがこちらも本音でぶつかれると感じました。
「本人の為に、本人のことを思って」と言葉だけで伝えてくる人ほどこちらは警戒しています。

年明けからの忙しさなのかマイナスの投稿が続き申し訳ありませんが吐き出させて頂きました。

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