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すみれさんの帰省とピンク色の世界_【見た夢の光景】

 すみれさんは私にとってとても学びのある人だった。私よりは少し年下だけれども、全くそんな感じがせず、むしろずっと年上のお姉さんのような感覚を持っていた。
 そのすみれさんが最近結婚をした。そして、お腹に赤ちゃんができて、赤ちゃんを産むために故郷の長崎へ帰り、小学校に戻った。すみれさんは昔、小学校の先生をしていたのだ。なぜ赤ちゃんを産むために小学校に戻るのか、そんな疑問は1ミリも出ず、当然のことのように私たちは送り出した。すみれさんも古巣の安心感と周りのお祝いの言葉と、とても嬉しそうだった。大きな笑顔の周りに赤と黄色と青色の紙テープが舞っていた。

 私たちはすみれさんたちと一緒に同行していたのだが、すみれさんが小学校に戻ってからは別行動となった。

 どこか一息つける場所を探していた。ビルの何階かにあるお店に入ると全面ピンク色のカフェバーのようなところだった。薄いピンク色の大きめのクッションチェアが、気の利いたようなそうでないような配置で置かれていた。座って落ち着ける場所があると判断したので、その店にのりちゃんと入った。外は暗くもう夜だった。街の電灯が明るく都会の真ん中という感じがここからでもすごくする。普段ならこういう雰囲気のお店には入らないのだけど、大丈夫だと思った。

 席は2席くらいしかないのかぁと思って、空いている席を確保する。でも、しばらく経ってからよく店内を回ってみると、もっといろんな席があった。人もいた。そして、あるエリアは泊まれるスペースにもなっていた。長めのソファのようにもベッドのようにもなるモコモコのクッション。その空間にあるものを全部物珍しそうに眺めた。額も掛けられていた。終始薄いピンク色である。私たちは少しはしゃいでおしゃべりをした。その様子を誰かが見ていたか、自分たちが見ていたか、
「全部聴こえているよ」
という声が耳に響いた。それは言われたような、言ったような、言われているのを見たような…。どれもそうでどれも違うような。でもその一言であらゆる角度を体験した。ピンク色の中に赤色が出現した。少し恥ずかしくなった。

 その日はそこに泊まることにした。ソファベッドが置かれているところを部屋に見立てて、くつろぎの場を作った。同時にのりちゃんはシャワー室を発見した。

 すみれさんは無事に赤ちゃんを産んだのだろうか。

//夢ここまで
at 20240116


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