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体調を崩すと短歌が詠めなくなるのはなぜか【3分】
低迷期。
何を、どうしても、うまくいかない。
スポーツ、勉強、料理、……それから短歌。
いろいろな、あらゆるものごとに、「スランプ」はつきものだ。
かく言う私ユミヨシも、ここ10日間ほどのあいだ、プチ短歌スランプに陥っていた。
ふだんは、ほぼ毎日短歌を詠むから、10日間は、私にとってはじゅうぶんにスランプと呼べるものだった。
今までにも、忙しいがあまり、短歌を詠む心のゆとりが持てない時期はあったけれど、特段忙しいわけではないのに、一定期間短歌を詠めなくなったのは、はじめて。
せっかくスランプだったことだし(幸い、プチもプチ、くらいのうちに脱出した)、今回のスランプを、カジュアルに分析してみようと思う。
事の発端
早い話、私は夏バテをした。
本格的な夏には、まだちょっと早いけれど、だって、暑いんだもん。
みるみるうちに食欲がなくなり、伴って体力もなくなり、バテ・バテ子に改名したいレベルだった。
急激、と呼ぶほどではないが、1か月のうちに体重が2キロほど落ち、私基準では免疫力が落ちるラインに達しつつあった。
体が弱れば心も弱る
体の元気がなくなると、必然的に、心も弱々しくなってくる。
あれもできない、これもできない、と思ううちに、自分の無力感に打ちひしがれるようになる。
心が弱る=短歌が詠めなくなる、というよりは、あいだにワンクッションある気がする。
そのワンクッションとは、「心が鈍る」だ。
心には、舌の味蕾と同じように、受容体があると私は思っていて、体が弱って、心が弱ると、受容体の数は変わらないんだけれども、その1つ1つの機能が鈍ってしまう。
美しいものを美しいと感じることができない、といった単層的な話というよりは、美しいものを美しいと何とか感じるんだけれども、受容体の機能が鈍っているから、その美しさを細分化できない、といったイメージだろうか。
美しいことは何となくわかるんだけれども、どんなところが美しいのか、その美しさはどんな美しさなのか、その美しさは何に由来しているのか……。
このあたりのインスピレーションが湧かないと、短歌にはならない。
体調を崩すと短歌が詠めなくなるのは、心が鈍くなるからだ。
心を鋭くするために
体が弱って、心が弱って、心が鈍くなった私は、再び短歌が詠めるようになるまで、ただ待っていたわけではなかった。
美しさがよくわからないのだから、美しさを大量摂取して荒療治に持ち込むことにしたのだ。
ふだんは、新書や学術書も読むところを、心を決めて、小説、エッセイと歌集だけに絞って、ひたすらインプットした。
美しさをきっかり細分化した作品のエッセンスを、少しずつ、少しずつ、自分に染み込ませていった。
今日の朝、気がついたら、「夕焼け」と言われて、夕焼けを背景に少女らが橋を駆けて渡ってゆく姿が、自然に浮かんでいた。
スランプを脱した瞬間だった。
おわりに
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君がくれたひとつひとつの原石を磨き上げたら眼裏にしまう/弓吉えり
いちごつみをしてくださっている、私の大切な歌友のみなさま、長らくお待たせして、すみませんでした。
かけていただいた温かいお言葉、忘れません。
そして、いつも、私の短歌や文章を読んで、応援してくださるみなさま。
ほんとうに、ほんとうに、感謝しています。
感謝の上をいく感謝をあらわす言葉が見当たらないのが、もどかしいです。
これからも、私は、スランプに陥ることがあるかもしれないけれど、何とか自分の力で這い上がれるように毎回努力したいと思っているし、どうしても這い上がれないときには、ちょっとだけ力を貸してくれたらうれしいです。
私も、あなたがつらい時、必ず力になります。
あなたも私も、みんな一緒に、幸せでいましょう。
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