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おじいちゃんとエアコン戦争の話
人間は怒りを通り超えると、呆れになる。
悲しみを通り超えると、笑いになる。
人間の感情は複雑である。
おじいちゃんの私小説の中に出てくるエピソードにこんなものがあった。
「戦争で死にいく若者は皆、最後は笑っていた」
この話は、おじいちゃんなりの戦争の恐ろしさを表現したものなのだろう。
私のおじいちゃんは、本当にいつも笑顔の人だった。不機嫌なことがほとんど無く、怒っている姿は一
おでん食べ過ぎ事件の話
おじいちゃんの「食べること」についての話は、本当にたくさんのエピソードがある。
まずは「食べる量」である。私たちは、一緒に暮らすようになってまず驚いたのが「うちのおじいちゃんは、めちゃくちゃ大食いである」という事だった!
昔、まだ私が小さかった頃……私自身の記憶には残っていないのだから、相当昔のことだと思うのだが、我が家に遊びにきたおじいちゃんに、母がおでんを振る舞ったそうだ。おじいちゃ
おじいちゃんの私小説の話
今から10年ちょっと前の、おじいちゃんがまだ90歳くらいの頃の話である。おじいちゃんは小説を書いていた。しかもパソコンで、である。
私が文学部出身だったので「Word」の縦書きの設定をどうしたらいいか?なんて相談を受けたこともあった気がするが、あまり記憶が定かでない。その点、おじいちゃんは本当に昔のことを良く覚えている。
実はその私小説が親族に配られた時、私はすぐにそれを読もうとしなかった
残った青い歯ブラシの話
洗面所に1本の青い歯ブラシが置いてある。おじいちゃんが使っていた歯ブラシだ。
父が亡くなった時もそうであったが、「残っているもの」につい目がいってしまう。
朝、顔を洗う時。
仕事から帰ってきて手洗いうがいをする時。
夜、お風呂に入る時。
特に今は、コロナ禍という時代になって洗面所で手を洗う回数が多くなったのめ、その青い歯ブラシがとても良く目に入る。
この青い歯ブラシは、私が買っ
おじいちゃんとの生活のはじまりの話
いざ「書く」と決めると、筆が進まない。
全く書けなくなる。
この、おじいちゃんとの約2年間の生活が終わったので、ものすごく何かを書きたくなった。
いろいろ、やってみたくなった。表現とか……。
父と過ごしていた頃よりものすごくインパクトのある生活で、私の誕生から○○年一緒に過ごした時間より、おじいちゃんとのたった2年の生活の方が色濃かった。それまでの父との生活を忘れてしまうくらい。
「
おじいちゃんと私の楽しい介護(個人の意見です)
はじめに
2022年3月25日、102歳の誕生日を目前にして祖父が亡くなった。
この祖父というのが、3年半程前に亡くなった私の父の「お父さん」で、つまり私にとって「父方のおじいちゃん」ということになる。
「おじいちゃん」と「孫」
我が家は、2020年5月現在で私の「母」=亡くなった父の「妻」、そして私の「弟」=亡くなった父の「息子」と私の3人暮らし。なぜこうも複雑な書き方をするかとい