おじいちゃんとの生活のはじまりの話

いざ「書く」と決めると、筆が進まない。
 全く書けなくなる。

 この、おじいちゃんとの約2年間の生活が終わったので、ものすごく何かを書きたくなった。
 いろいろ、やってみたくなった。表現とか……。

 父と過ごしていた頃よりものすごくインパクトのある生活で、私の誕生から○○年一緒に過ごした時間より、おじいちゃんとのたった2年の生活の方が色濃かった。それまでの父との生活を忘れてしまうくらい。

「ふとした時に思い出す」というよりも、おじいちゃんとの暮らしはルーティン化されてしまっていたので、全てがベーシックになってしまった。なので、今は何か物足りないと言った感じなのである。

「大好きなおじいちゃんがいなくなって寂しいでしょ」と言われるが、この暮らしが始まる以前は数年に一度会うか会わないかであった。もちろん子供の頃は、年に一度の夏休みに遊びに行く程度にしか会っていなかったし、ここ最近では父の葬式以来全く会っていなかった。なので、正直「大好き」かどうか本当のところよく分からなかった。もちろん、好きではあるし、100歳まで生きているのだから自慢のおじいちゃんではあるのだが、一緒に暮らすまではぼんやりとした感情だった。というよりも……

「これから大変なことになるぞ」という不安と、
「どうにかしなければならない」という覚悟しかなかった。

 しかし、一緒に暮らしてみて、改めて「好き」になった。いや、こんなにも「大好き」になると思わなんだ!(おじいちゃんの方言)

「とても尊敬できる人」となった。

 そんな2020年5月末日、我々4人家族の新しい船出だった。

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