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超近距離介護はじめました

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最近母(N子さん)が自宅から車で40分前後離れた実家を離れ、徒歩圏内にあるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)へ入居しました。 そんな日々のこと、介護について感じたことなどを綴っ…
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#超近距離介護

1年前のあれやこれや

1年前のあれやこれや

まもなく父が亡くなって1年になる。2019年大晦日に解離性大動脈瘤を発症し、2020年1月初頭に手術後1月末に地域の病院へ転院して一時期リハビリに励んでいた。

しきりに「早く退院したい」と訴えていたが、自力歩行はできるものの歩行時のふらつきがひどく、実用的な状況ではなかった。本人が戻りたいと願っている2階の自室へは階段という難関が立ちはだかっている。

おまけにその前から軽度の認知症と思しき状態

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新たなご縁がつながる

新たなご縁がつながる

介護保険外のケアへのニーズ父の死後今までの疲れが出たのか一気に足腰が弱った母N子さん。まだ早いかと思ったが、今後のことを考えると早いうちに申請した方がいいかも、と考え直して介護保険の利用申請したのが3月下旬。

その後判定を経て5月半ばに要支援2という認定が出たので、我が家近くのサ高住入居時に介護ベッドをレンタル(地元自治体では自費扱いにはなるが、月1,000円前後でN子さんのような段階の人にも必

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スマートフォンへの高い壁

スマートフォンへの高い壁

ガラケーはもはや絶滅危惧種!?N子さんは長年ガラケー(3G回線)を愛用していた。転居時「電話をどうしようか?」と相談したら「携帯電話あるから固定電話はいらない」と言われた。

「親戚や友人知人にけっこう連絡するんじゃないの?」と言ったが、「転居の知らせは手紙でやるし、電話も決まった人にしかかけないから」と鷹揚に構えていた。

ところがかけ放題プランではなかったため、7月の電話料金のが1万円を超える

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N子さん、ネット進出を果たす

N子さん、ネット進出を果たす

話し相手が欲しい!人は死ぬ間際までコミュニケーションを求める生き物だ、と以前叔父を看取る手伝いをした時実感したし、父も死ぬ前日まで「看護師が隣のベッドの人にばかり話しかける…」とヤキモチを焼いていた(ほぼ毎日家族の誰かが見舞いに行っていたというのに…!)。

N子さんは家族と暮らしていた頃は「一人になりたい」とよく言っていたが、いざサ高住での一人暮らしが始まると誰かとコミュニケーションを取りたい欲

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N子さん 81歳にしてデビューする

N子さん 81歳にしてデビューする

加齢に伴う変化いくつになっても人は成長する-とは言うものの、年齢に伴って新しいことへの挑戦が億劫になるのも事実だ。

N子さんも実家にいた頃は自分や夫の老化や長女家族の状況で少しずつやることは変化していたものの、家事と読書が生活の中心になっていた。

むしろ以前は孫の送迎や近所の買い物に利用していた自転車を「転ぶと危険だから」とやめ、散歩は行くものの、買い物は「たくさん物を持って歩けないから」と一

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母、個人に戻る

母、個人に戻る

母N子さんの変化母は父と約51年一緒にいた。その間は妻であり、姉と私が生まれてからは母となり、そして姉に子どもが生まれてからは祖母として実家を切り盛りしてきた。

父の死後、葬儀や相続手続きを母と共にしていると「あれ?こんな人だったっけ!?」と今まで知らなかった母の一面に触れることがあった。

正直戸惑いも感じたが、思えば私は個人としての母と接するのはこれが初めて(当たり前だ)で、母はずっと本来の

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超近距離介護はじめました

超近距離介護はじめました

先月母が我が家から徒歩圏内にあるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)へ入居した。

昨年末までは自宅から20キロほど離れた実家で父と姉一家(姉、姪、甥:近くに家はあるが、姉は仕事をしていたためほとんどの時間を実家で過ごし、母が実質家事を担当していた)と暮らしていた母は、かねてより「一人で気楽に暮らしたい」と私に愚痴をこぼしてはいたものの、時折預金通帳を眺めては「無理か…」と現実に戻っていた。

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