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資源・エネルギー・環境教育雑記帖(20)〜教科書で扱われている資源・エネルギー・環境(中3理科・大気と水にまつわる環境問題)〜

2023年より、資源・エネルギー・環境教育の推進に深く関わってきました。
この分野への興味を抱き、暇を見つけては関連する書籍を読み、研究を重ねています。
同じ関心を持つ仲間たちと立ち上げた研究会では、教育における資源・エネルギー・環境問題の扱いについて積極的に議論を交わしています。
この不定期連載では、教科書に記されていることを踏まえ、中学校及び高校での資源・エネルギー・環境に関する教育内容をご紹介します。
今回の記事では、中学3年生の理科の教科書で綴られている環境問題について綴っています。


オゾン層の破壊

地球を取り巻く大気上層には、宇宙からの紫外線を吸収し、生物にとって有害な影響を軽減するオゾン層が存在します。

1980年代から、フロン類の使用によりオゾン量が減少し、地表に届く紫外線量が増加しています。
特に9月から10月にかけて、南極上空に顕著なオゾンホールが現れます。フロン類が紫外線によって分解され、オゾン層を破壊することが、中学3年生の理科の教科書で説明されています。

この問題への対応として、1987年にはフロン類の生産が国際的に規制されました。
オゾン層の破壊は緩和されつつありますが、完全な回復にはまだ数十年を要するとされています。

大気汚染と酸性雨

化石燃料の燃焼によって、二酸化炭素、窒素酸化物(NOₓ)、硫黄酸化物(SOₓ)、粉じんなどが大気中に放出されます。
窒素酸化物や硫黄酸化物は水と反応して硝酸や硫酸となり、これが雨水に溶け込んで酸性雨を形成します。
酸性雨は金属の腐食や湖沼の酸化、生態系への悪影響を引き起こします。

1960年代の日本では、工場からの排煙が硫黄酸化物を多量に含み、環境と健康への悪影響を与えました。
この問題に対し、排煙から硫黄分を除去する技術の発展が見られました。
一方、窒素酸化物は紫外線により有害物質に変化し、光化学スモッグの原因となります。
また、粉じんは呼吸系への健康被害をもたらしました。

水質汚濁

人間活動からの栄養塩の流入は、海や湖での植物プランクトンの異常増殖を引き起こし、赤潮やアオコの発生に繋がります。
これらの現象は水中の酸素濃度を低下させ、水生生物に深刻な影響を及ぼします。

物質の性質の学習と資源・エネルギー・環境教育のつながり

中学1年生で学ぶ気体の性質や中学3年生で学ぶイオンの反応、炭素と窒素の循環などの基本的な科学知識は、大気と水の環境問題を深く理解する上で欠かせません。
これらの問題に対する理解は、将来の地球環境を守るための第一歩となります。

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