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96. きざはし

咲く花を

歌うように抱えて

渚からは遠い場所で

海のうたを詠む

夢に見た

地平線まで続く波の曲線

五鈷杵をつるりと飲み込むような

カラーの出で立ちは

無国籍に美しい

異教徒のドレスの裾から

壁伝いの階段を一歩

手摺りを滑らせまた一歩

様々な歩みを受け止めてきた

蒼い絨毯の一段いちだん

オフホワイトの爪先は

泳ぐ踵をしっかりと自由に支え

あちらの壁にこちらの壁に

手をついては眺めた

牧歌的なミルキーグリーンの絵画

もう少しゆけば

ゴシック調の合わせ鏡が

光を求めることなく

鏡の中の中に中で中へ

終わりなき先を白く霞ませる 

また少しあと少し前ヘ

もう少し先を見上げると

半月の形の蜀台にて

水に浸せばシャボンに溶けゆく

空を仰いだ白い天使が

上半身に緩やかな

S字型の翼を広げていた

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トップ画の写真は耀さんがお撮りになったものです。

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