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家事をしない男の心理

まだ実家暮らしということもあり、私はほとんど家事をしていない。だからこそ家事をなかなか手伝ってくれない男性の心理が、多少はわかる。

家事をしないのは「家事を1つ取り組んでも認められず、やっていない部分ばかり見られて怒られる」ことが要因の1つだと思う。

普段家事をしない人でも、ときどき取り組む瞬間が訪れる。例えばわたしは休日の夕方に手が空いたとき、ふと台所のお皿を洗う。ついでに、外に干されていた洗濯物も取り込む。平日は会社から戻ると部屋にこもってしまう私が、2つの家事をやり遂げた。小さくても第一歩だ。

しかしその一歩は、あっという間に消される。家に帰った母親は台所やベランダについては触れず、洗われていない風呂の浴槽を見て、「たまにはお風呂くらい洗えば?」と呆れたように言うのだ。母からすれば、この日も私は何一つ家事を手伝わない娘でしかない。

異論や批判はいくらでもあるだろう。「親は多くの家事をやっているのだから、1,2つ家事をするのは当然だ」とか「1,2つ家事したくらいで偉そうにするな」、「褒めてもらわないと家事をしないなんて甘えてる」「普段から家事をするのが当然。時々するなんてありえない」とか…。どの意見も正しい。家事をしない私の不満なんて、甘えと言われても仕方がない。

でも家事をしない人間の心理として、何もしない人として扱われ続けていたら、ますます何もしたくなくなってしまうのだ。たった一言「お皿洗ってくれたんだ、ありがとう」くらい言ってくれれば、少なくとも何もしない状態から抜け出すことができると思う。

何もしていないことを責められて、まずは少しだけ試してみようと挑戦しても、手つかずの別の箇所を指摘されて責められてしまい、もう何もしなくていいやと投げ出してしまう。認められなくても家事をするべきというのが正しい。でも人はそんなにたくましくないから、どんどん何もしない方向へ進んでしまうのだ。

「夫がゴミ出ししたくらいで威張ってくる」といった女性の嘆きをSNSで見たことがある。確かに多くの家事をこなす女性からすれば、簡単なたった一つのことをしただけで偉そうにされても失笑してしまうかもしれない。

でも気持ちをぐっとこらえて「ゴミ出ししてくれてありがとう」の一言を言えば、小さな一歩は少しずつ前に進むはずだ。

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