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「Just a Gigolo(ジャスト・ア・ジゴロ)」
またまた映画のお話。こちらの舞台もベルリンです。
まったくボウイさんとこの街の所縁の深さは只事ではない。
第一次世界大戦後、敗戦国ドイツの青年将校だったポール(ボウイ)が祖国に帰還。
敗戦のショックでエリート将校としての誇りを失った青年がジゴロに身をやつす生活の中で何とか自己を取り戻そうと奮闘する姿を描いたストーリー。
ボウイさん曰く「軍服を脱いで自己を見失った男が、ジゴロという『制服』を着る
3月29日はBOWIE記念日
京都。
1980年3月29日。
雨の土曜日。
風のある小雨まじりの肌寒い朝、傘を差しかけ宿から外出する姿。
髪の毛も傘も冷たそうな風になびく。
コートの前をぴったりとしめ、マフラーも巻いていたから寒の戻りでかなり寒い日だったのだろう。
写真家鋤田正義氏の手によるボウイの京都での日々を記録した写真が世に出て42年。
昨年の今頃、JR京都伊勢丹「美術館えき」にて、BOWIE x SUKI
「家族の肖像」はヘルムートへのラブレター?【ネタバレあり】
ルキノ・ヴィスコンティ監督後期の珠玉作。
ローマの豪邸で「Conversation Piece」と総称される18世紀の家族画に囲まれ独り静かに暮らす老教授のもとに、ある日突然騒々しい闖入者たちがやって来る。
富豪のビアンカ・ブルモンティ夫人は愛人コンラッドのために教授が買い損ねた家族画と引き換えに、豪邸の一部屋を間借りしたいと申し出る。
不承不承、承諾した教授だがこの一家の身勝手さと行儀の悪さ、
残酷な芸術神が支配する…?
例のドキュメンタリー映画が7月末から英国公開された。
今年初めのサンダンス映画祭への出品以降、この作品はカナダやセドナ、そして本国スウェーデンの映画祭に出品されたらしいが特に大きな話題にはならなかった。
が、英国プレスの評価はちょっと不自然とも思えるほど高いものだった。
短いレビューをざっと読んだが、こちらもサンダンス同様、声をそろえて
ヴィスコンティ批判の大合唱で「Me too」という言葉ま
「ELLE JAPON」の悪質な捏造記事に対する反証
今年2月下旬に公開され、3月7日にヤフーニュースで取り上げられた
「ELLE JAPON」によるヴィスコンティ監督に対する事実無根の捏造記事について検証します。
その記事は前半がアンドレセンの生い立ちに関するもの。
ここで取り上げるのは後半部分の「ヴィスコンティ監督がアンドレセンに対して売春を強要した」とする部分です。
一笑に付して終わりのような出鱈目な捏造記事ですが、中には真に受けている人も
David Bowie is @ 寺田倉庫④
ここに来るまでには大変な勇気が必要だった。
この一年間、ずっと押し殺していた喪失感が、数々の所縁の品々に接することで一気に溢れ、決壊してしまうのではないか、自分がどうにかなってしまうのではないか、そんな恐怖で一杯だった。
出来ることなら、行きたくない。
あの人がもうこの世にいないという現実を思い知らされる展示など、見たくはない。
遺品となってしまった数々の品を眺めて故人を偲ぶ…
そんなのはい
David Bowie is @ 寺田倉庫③
個人的にコアであったベルリンルームの隣は日本限定戦メリ部屋。
ここでは沢山の若い人たちが熱心に映像に見入っていた。
考えてみればこの映画も上映からかれこれ34年になるのだ。
現在の若者たちにとっては初見であったり、新鮮に映るのかも知れない。
その次の部屋が展示としては最後の部屋になっていた。
真正面の壁沿いに、寛斎の鮮やかなニットスーツを着たマネキンが両手と右ひざを床に着き、左足をまっすぐに後ろ
David Bowie is @ 寺田倉庫②
その次の部屋は映画や映像作品、PVを中心としたコーナーだった。
モニターが4つ並べられた映像コーナーの内容は特に珍しくもないPVだったが若い人たちが熱心に見入っている姿が印象的だった。
映像の隣には、実際のPVで着用された「アッシェズ・トゥ・アッシェズ」「ブルージーン」「D.J」それから女性ベーシストのゲイルに着せた尻尾つき衣装(デザインはボウイさん本人)、「リトル・ワンダー」PVの肩に角のよう
David Bowie is @ 寺田倉庫①
品川駅の港南口(東口)から、インターシティ沿いのスカイウェイという遊歩道のような道を歩いてゆく。
このあたりは大阪の京橋に少し似ていて、ふと13年前の「リアリティツアー」のことが頭をよぎった。
陸橋から地上に降りて八ッ山公園という公園を横切り、IGINビル本社の大きな建物を右手に見ながら楽水橋という橋を渡る。
このあたり何かと目印になるものが多く、超方向音痴な私でも迷わないのは非常に有難い。
ボウイ訃報から5日後。渋谷陽一のワールドロックナウ
2016年1月10日、69歳で逝去したデヴィッド・ボウイの追悼特集。
渋谷さんのラジオを聴くのは本当に久しぶりで、古いCDラジカセを引っ張り出して時間前にNHKFMに合わせてスタンバイ。
空の「カセットテープ」もあるので学生時代の頃のように録音しようかな、とも思った。
でも。
オンエアの23時になるのが怖かった。
1月11日の夕方にあのニュースを聞いて以来、ボウイの曲が一切聴けなくなった。
新
映画「David Bowie is」感想
「彼は何者なのか?」
それがこのドキュメンタリー映画のタイトルだ。
2013年、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で5ヶ月に渡って展示され、チケットは瞬く間に完売、入手困難となった展覧会のクロージングイベントの模様を収めたドキュメント。
地下鉄サウス・ケンジントン駅のホームから映画は始まる。BGMは「フェイム」。
そしてナビゲーター役の男女が登場。美術館の学芸員といっても日本と違い、ほど
DAVID BOWIE 映画「ZIGGY STARDUST」
1973年7月3日。
真夏のロンドン。
ロンドンの夏は日本のように暑くはないが、ハマースミス・オデオン前を埋めつくし、開場を今や遅しと待ち構える観客たちの熱気は、夕日の照り返しとも相まって2021年の今現在でも往時と寸分変わらぬ熱量で、ありありと伝わってくるようだ。
気さくな笑顔でファンに対応しながら誇らしげに群衆の間を縫って歩いてゆく愛妻アンジー。
そして群集の姿に被せるように「アメリカ、