結城 雪也(ゆうきゆきなり)

創作意欲の投げ散らかし場所。短編小説や雑記を投稿してます。 mint▷https://…

結城 雪也(ゆうきゆきなり)

創作意欲の投げ散らかし場所。短編小説や雑記を投稿してます。 mint▷https://min.togetter.com/GNNu96r Skeb▷https://skeb.jp/@Yukinari_looper

最近の記事

なんにもなくても書くことしかできん

日々無い。 何が無いかを明確に言葉に表せないけど、間違いなく何かが無い。それは残業続きで目元のピントが集中しないと合わなくなってきた時とか、ただ無意識にスマホを眺めていたなぁと自覚した23時53分とか、そういう時に感じる。無いということに確信さえ覚えるときもある。 ふとした時に「これは…!」ってきっかけを掴めたような気がしてPCに向かったりメモを取ったりするけど、いざ取り掛かろうとすると「あ、やっぱこれつまんないな」と急ブレーキがかかって止めてしまう。 繰り返し繰り返し

    • 2023/12/31 とりとめのない雑記

       今年も終わるなぁ、と大してしみじみとも思えないくらいの気持ちで迎えた大晦日。朝はおばあちゃんに頼まれた買い物をしにスーパーに向かった。  年末のスーパーは楽しい。店中がもう新年迎えましたと言わんばかりにお正月の飾りつけでいっぱいになって、カニだ肉だ鯛のおかしらだかが所狭しと並べられている。人も結構いる。師走は何年経とうと忙しいものらしい。  いつもは躍起になって割引シールをチェックする僕も多少気が大きくなっていて、でっかい海老天をいつもじゃ買わない値段で買った。年越しそば

      • 雑記 #01

        今まで何回も雑記を書こうと思ったことはあるんです。 書かなかった理由は単純にポジティブな話題が無いからなんですね。不思議なくらい。最近あったことといえば、サルモネラ菌に「胃腸よっわ~♡ ざぁっこ~♡」されてたくらいですし。そんな日々です。皆さんはお元気ですか。開運スポットを僕に教えなさい。 前述のとおり僕はここ数日「感染性胃腸炎」という、仰々しい病名があるのですが要は食中毒で倒れてました。原因は二日目の半熟卵をたった一個食べただけ。それだけでお腹が夢の国、僕の上から下から

        • Past Chapter "Conference"【ジョンウィック二次創作】

          ※「ジョンウィック:コンセクエンス」の二次創作です。未視聴の方はご注意ください。  ――これはいったいどういう状況なんだ?  両手を挙げながら資産家の男はそう思っていた。ニューヨークの摩天楼、屋上階のフロアで男は椅子に座ったまま降伏のポーズを続けている。普段はその二つ下の階から歴戦屈指のガードマンが鼠一匹も通すことを遮っているはずだが、その日に限っては侵入者を通してしまっている。いや、突破されてしまっているといった方が正しかった。侵入者の足元には屈強な男が二、三人ほど息の根

        なんにもなくても書くことしかできん

          Past Chapter "Mess" 【ジョンウィック二次創作】

          ※「ジョンウィック:コンセクエンス」の二次創作です。未視聴の方はご注意ください。 「ニホンのラーメンと本場の拉麺の違いを知っているか? コウジ」  水餃子を口に運びながら、サングラスをかけたスーツ姿の男は問いかけた。チャイナタウンの路地、埃の匂いが少し漂う中華料理屋にいる彼、いや”彼ら”は、周囲のネオンに満ちた風景からは少し浮いているように見える。  小さい円卓を囲うように座る三人は明らかに異質であった。サングラスの男は中国人のような顔つきで、彼の椅子の背もたれに立てかける

          Past Chapter "Mess" 【ジョンウィック二次創作】

          【掌編】酒とバーと男と女

          「マスター、席空いてるかな?」  一人でお気に入りのバーで飲んでいると、そんなことを店先から大声で確認してくる男女二人組が入ってきた。俺は雰囲気がぶち壊されると嫌な予感がしていたが、結論から言うと大正解だった。 「ええ、空いてますよ。どうぞこちらへ」  いつものように柔和な笑みを浮かべたマスターが奥の席を促すと、どかどかと男が女を連れてカウンターに座った。 「凄く良い雰囲気ですねー」  長髪ロングでモデルのようなスタイルの女が辺りを見まわしながら呟くと、ストライプシャツの前を

          【掌編】酒とバーと男と女

          【掌編】絵本の国

           「絵本の国」と呼ばれる国がある。  あった、といった方が正しい。かつて東欧に存在していた小さな国、ルビオという国のことだ。ルビオは約三百年前に建国され、約百年前に隣国との戦争で敗北し統合されてしまった歴史を持つ悲しい国だ。短命なこの国はあらゆる文献や資料といったものが残されておらず、子孫たちの口伝でのみ語り継がれて存在が残っている稀有な国である。不思議なことにその国の歴史や文化、いわゆるデータといわれるものが何一つ現存していないのだ。歴史学者も首をかしげるほどルビオの存在は

          【掌編】問題:動き続ける点Pを求めよ

          「せんせー、問2の動く点Pの速度が求められません」 「おいおい、中山。早々に諦めるんじゃないよ。どれ、見せてみろ……あれ、えっと? 待ってなさい、今先生も計算しま――」 「せんせー、点Pが動き出して教科書から逃げ出しました」 「いや、慌てなくて大丈夫だ。先生がすぐに解いて……おかしいな、どこかで計算ミスしてるか?」 「せんせー、窓から点Pが出ていきます」 「あぁ、まずいぞ。塾長、塾長!」 「どうしたんだそんなに血相を変えて……」 「すみません、いや、この問題の点Pが求められず

          【掌編】問題:動き続ける点Pを求めよ

          【掌編】お膳立て

          「新人、そうじは終わったか?」 「もう少々!」 「あぁ、わかった。いそげいそげ。じきに来てしまうぞ」  新人のぼくがひぃひぃ言いながらそうじをするのを、腕組みをしながらリーダーは厳しい目つきで監視していました。 「いいか、どうか少しも疑われることの無いようにするんだ! 入り口はこの店の顔だ! いっとう高級な店だと思ってもらえるようにな!」 「はいぃ」  そうは言ってもぼくは最近雇ってもらったばかりの新人。何をするにも「何をしてるんだかなぁ」とまわりに笑われてしまうぼく。でもこ

          【掌編】善と黒と悪と白

           雷鳴が轟き、空は闇よりも黒い雲に覆われた。魔王城の周りは霧が立ち込め、その場にいる者以外の視界を遮った。人間と魔物で二分された世界、幾多の困難を乗り越え人間側の希望である勇者と悪の化身である魔王がついに相まみえたのだ。魔王の間は瘴気で包まれ、今にも勇者に襲い掛からんとする気迫であった。 「フハハハハハ!! よくぞここまでたどり着いた勇者よ……愚かな人間の中にも骨がある奴がいたようだな……だがそれも今日までのこと。お前はここで死を迎えるのだ!!」 「…………」  勇者は俯き、

          【掌編】善と黒と悪と白

          【掌編】夏めく

           今年も夏がやってきた。例年に違わず、梅雨が明けたと思ったらその翌日にはやってくる。まだ寒さが来るかもしれないと長袖を片付けられていない頃に。夏は突然やってくるのだ。 「やーやー、私が来たよ!」  家の中に夏が大声をあげて舞い込んできた。外のじとっとした湿気と一番蝉の鳴き声を引き連れて。俺は急遽引っ張り出したTシャツの首元を仰ぎながら呟いた。 「……なぁ、来るなら来るでもっとゆっくり来れないのか? 毎年毎年急すぎて何の準備もできないんだけど」 「さぷらいず」 「毎年過ぎてもう

          【掌編】夢の値段

          「ディ○二―、ついに入場料10万になるってさ」 「うへぇ、まじか。来るとこまで来たな」 「なー。もう中入ったら飯も食えないしお土産も買えんわ」 「無理無理。俺の家ガキが2人だから毎日のように行きたがっててさぁ」 「やー、数年に1回行けたら良い方って感じだな」 「それすら厳しいな。昔入場料1万になるって発表されたとき、とんでもない騒ぎだったのが懐かしいわ」 「うーわ、いつの話よそれ。あったなー。『夢を買うのに1万かかる』だの『足元見過ぎ』だのって炎上してたな。今考えたら全然安い

          【掌編】付加価値料理

          「この料理はなんですか?」  こちらは『ブルエン産牛フィレ肉のポワレ ド・ブラゴーニュソースと共にビネットを纏わせた温野菜を添えて』でございます。王室ミシェル家に代々納めていた幻と呼ばれるボルワ牛と同等の品質であるとデリッシュ協会に認められた牛肉を使用し、一頭から取れる中でも最小量であるフィレを贅沢に切り落としポワレにした一品です。アクセントとしてフランスの名門シャルド・ホセンヌより熟成20年を施したワイン『ド・ブラゴーニュ』の芳醇な香りを煮詰めて抽出し、モルデラ産エクスト

          【掌編】付加価値料理

          ”貴重な人生取扱店”を取材した話

          こんにちは、春だか冬だか夏だか分からん日々が続くせいで衣替えが一生終わらない結城雪也です。 突然ですが、先日こんなものを見つけました。 ”貴重な人生”取扱店 あるんですね。 僕が知らないだけで資格とか取れば案外簡単に取り扱えるのかもしれません。危険物取扱亜種とかかな。 その日は家に帰る予定だったのでそんなに気にしてませんでしたが後日。 「……取扱店ってなんだ??」 後日猛烈に気になってきました。 気になってからはもうその店のことが頭から離れません。一体どういう意

          ”貴重な人生取扱店”を取材した話

          フリー朗読台本「夏空に溶けた」(男女指定なし)

          こちらはフリー台本になります。ご使用になる場合は本文下【利用にあたり】をお読みになり、記載の範囲でご利用ください。 ※Skebにて承っているオリジナル台本のイメージサンプルです。1,500文字の指定でこのボリューム感になります(実文字数:1,462文字)。 ・依頼の際の参考イメージ「青春」「夏」「ドラマ」「一人称」 Skebリクエストはこちらから▷https://skeb.jp/@Yukinari_looper  夏になると思い出すことがある。眩しく射し込む太陽の日差し。

          フリー朗読台本「夏空に溶けた」(男女指定なし)

          フリーボイス台本「ロブスターに寿命は無い」(男1・女1)

          こちらはフリー台本になります。ご使用になる場合は本文下【利用にあたり】をお読みになり、記載の範囲でご利用ください。 ※Skebにて承っているオリジナル台本のイメージサンプルです。1,000文字の指定でこのボリューム感になります(実文字数:1,078文字)。 Skebリクエストはこちらから▷https://skeb.jp/@Yukinari_looper  食事をする二人(ナイフやフォーク、皿が当たる音が台詞の裏に流れる) 女「ロブスターに寿命は無いって、知ってた?」 男「

          フリーボイス台本「ロブスターに寿命は無い」(男1・女1)