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グローバル教育に特化した広尾学園の"学生"と"英語教育のあるべき姿”を考えました。

こんにちは、Yukiです!
本日は、注目をされている先進的な英語教育を実施する
広尾学園小石川中学校・高等学校の学生さんと「日本の英語教育」について
議論をしました。
グローバルリーダーコースの学生さんが4名参加し、私が質問を投げかけて意見を交換するという双方向の対話を試みました。

学生自身が自分の意見をしっかり持っており、建設的な意見交換ができ
非常に有意義の時間になりました。

先進的な教育環境に身をおく彼女たちが日本の英語教育に
どのような意見をもっているのか是非とも英語教員のみなさんに共有したいと思いnoteを書くことにしました!

結論を先に述べると、
日本の英語教育には、リスニング、スピーキング英語に触れて得られる成功体験を学生に提供する必要があると感じました。
なぜなら、学生自身が実践的な英語に触れる機会の少なさを指摘し、定期的に実践的な英語に触れる機会を求めているからです。
さらに、そういった機会が英語力だけでなく多様な価値観を受け入れるという人間的な部分の成長も促していることもわかりました。

この点について実際の学生さんの発言も紹介しながら、話していきたいと思います。

広尾学園小石川中学校・高等学校の英語教育とは?

広尾学園小石川中学校・高等学校(以下広尾学園)は、東京都に位置する私立高校です。
2021年から村田女子高等学校改め、共学化し広尾学園として新しいスタートをきるようです。

こちらは広尾学園に関する情報です。
興味がある方は是非参考にしてみてください。
https://digitalpr.jp/r/38916


広尾学園にはグローバルリーダーコースというグローバル教育に特化したコースがあり、そのコースの英語教育が特に先進的です。

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広尾学園の英語教育が先進的な理由は、
日常に英語を取り入れ実践的な英語力が身に付く教育を行っている点です。
パンフレットに、本コースの目標は
世界中で活躍できるトップレベルの国際人を目指す」と記載してあり目標からもコースのレベルの高さが伺えます。

具体的な数値目標としては、CEFR B1-B2レベル(英検準1級)を目標にしています。
文部科学省が定める高校生の英語力の目標がCEFR A2なので一般的な高校生より高い英語力の習得を目指しているのが分かりますね。

私が注目する特徴的なポイントは
①3ヶ月タームの留学に実質保護者負担なしで参加できる点
②ネイティブの先生が副担任である点 
です。

3ヶ月の留学による学生それぞれの変化

留学に参加したことで1番変化した点」について質問をしました。

1人目の学生さんは、特にリスニング力が身についたと答えてくれました。
彼女たちはオーストラリアに行っており、最初はイギリス訛りの英語に苦労したようです。

しかし、3ヶ月間ホストファミリーや学生と積極的に英語を話す機会に身をおくことでイギリス訛りの英語にも慣れリスニング力が上達し、
帰国した後には、イギリスのジョンソン首相のコロナに関する演説で単語が聞き取れるようになったという成功体験を教えてくれました!

高校2年生で、海外の首相の演説の単語が聞き取れるってすごいなと関心しました。
大人でもイギリス英語とアメリカ英語を聞き分けるのが難しい方は多いはずです。
実際に私もイギリス英語に慣れておらず、アメリカ英語に比べてイギリス英語を聞くときは意識が倍くらい削がれます笑
私が高校2年生の時は、試験などの比較的ゆっくりで発音がはっきりしてるCDの英語しかきき取れなかったように感じます笑

2人目の学生さんは、親御さんが海外の方で元々高い英語力があります。
そんな彼女が留学を経てどんな変化を感じたのかというと
家族以外の人と英語を話すことで話し方が変わったと高いレベルの変化を共有してくれました。
親御さんと話す英語だけでなく、様々な人と英語を話す時に使う時と場合にあった英語を身につけることができたということです。

このように3ヶ月の留学で英語漬けの環境に身をおくと
リスニングやスピーキングというコミュニケーションにおける英語能力に変化を与えると再確認しました。

大学生になって海外留学に行き英語を話せるようになる人は多々いるので、
海外に身をおくとスピーキングやリスニングが上達するのは周知の通りでしょう。
ただし、高校生のうちに英語漬けの環境に身をおくことで
自分のリスニング力やスピーキング力が少しでも変わった自分で相手の言ってることを理解できたという感動的な成功体験を経験できその後の英語学習の姿勢に影響を与えるのではと思います。

ネイティブの副担任が学生に与える影響力について

この点については、「ネイティブの副担任からどんな影響を受けているか」と質問をしました。

1人目の学生さんは、ネイティブの先生を"英語を話す海外からきた先生"ではなく”自分と同じように様々な一面があるん人間”なんだと再確認しネイティブの先生に対する接し方が変わったと教えてくれました!

毎日朝礼や日常生活の中で英語を使ってネイティブの先生と関わる機会がたくさん設けられていることで、
ネイティブの先生がどんな性格やどんな考えを持った人なのかというパーソナルな部分を考えるようになり、それを踏まえたコミュニケーションを取れるようになったということです。

英語を話す海外からきた人

自分と同じように様々な一面を持つ人

彼女は中学生の時までネイティブの先生を”英語を話す人”としてしか見ておらず、1人の人として接していなかったのではないかと自身の以前の考えを見つめ直していました。

この感想には正直驚きました。
英語力以外の国際人として多様性を認めるという感覚を身につけていると感じたからです。

多様なバックグラウンドを持つ人と相手の性格を配慮したコミュニケーションをとるために英語をツールとして活用している一例ではないでしょうか?

彼女が言うように、私自身も中学生・高校生の時ネイティブの先生を"英語を話す海外からきた先生"としか捉えていなかったなぁと思います。
ただそれは、教育現場においてネイティブと相互にコミュニケーションを取る環境が少なく「Repeat after me」と発音を教えるといった関係性しか築けない環境が影響しているのではないかと感じます。

2人目の学生さんは、授業では身につかない実践的な英語を身につける機会になっていると教えてくれました。

私たちが日本語で行う挨拶から始まる日常的なコミュニケーションを英語で日々取り入れることで実践的なコミュニケーションに抵抗がなくなるだろうなと感じます。

個人的な感想なのですが、朝礼で使う英語であれば日本人教員でもこなせる方は一定いらっしゃるのではないかと思います。
ネイティブの先生でなくても、簡単かつ日常的な英語を学生の日々に組み込むのが大事なのではないでしょうか?


日本の英語教育の問題点

日本の英語教育は昔から問題視されていましたよね。
EFの英語能力指数なのですが、日本は55位と先進諸国では未だ低いレベルです。

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日本社会全体でみた時の日本の英語教育の問題点について学生のみなさんに質問を投げかけてみました。

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1人目の学生さんは、構造的な問題を指摘しています。
まず、日本ではローマ字を先に習いその後にアルファベットの発音を習う仕組みが英語そのものの発音を勉強する際に悪影響を及ぼしているのではないかと指摘していました。

確かに、ローマ字でカタカナ英語のような発音を先に習得してしまうがゆえに英語本来の発音がわからない、苦手といった日本人が多いような気がします。

さらに、彼女は幼稚園や小学校の低学年であればあるほどリスニングやスピーキングなどの実践的な英語の教育は効果を発揮するのではと指摘していました。

幼少期をフィリピンで過ごしたという学生さんは、日本の英語教育の遅れを指摘していました。

フィリピンでは、幼稚園でアルファベットについて勉強し始めるそう...
彼女は中学生になったときに幼稚園でしたことをしている日本の英語教育に驚くと共にそこが問題点ではないかと意識しているようです。


つまり日本では海外で幼稚園生がしていることを中学生もしくは小学校高学年で教育しているということですね。
※もちろん指導要領の変化によって、4-7年間中学生だった筆者が受けた教育と単純に比較することはできませんが。

3人目の学生さんは、完璧を求める環境を問題視していました。
英語はあくまで言語であり、ツールにもかかわらず
少し発音を間違えるてはいけない、文法を間違えてはいけないという完璧を求められる環境を問題視しています。
完璧が求められる環境によって自信を無くしてしまうという体験を共有してくれました。

特に彼女たちのコースでは英語力が高い学生が多く、できるのが当たり前という環境に置かれているのかもしれません。
ただし、発音や文法が完璧な英語でなければならないという価値観は日本の英語教育全体にあると思います。


結局、学問として間違えてはいけないという意識が醸成され
英語を話す時も間違ったらどうしようという不安に繋がり話せないという人が多いのではないでしょうか。

学生の間は間違ってもいいという環境をいかに作り出し
「自分の英語が伝わった!」という感動的な成功体験を提供するのが英語教育において重要なのではないでしょうか?

最後の学生さんは、話す英語に触れる機会の少なさを問題点としてあげています。
グローバルコースに所属し、ネイティブの副担任の先生がいる環境にいる彼女たちでももっと英語に触れる必要があると感じているようです。

英語を毎日聞いて使う反復練習をしないと英語は習得できるものではないと
本人が自覚しているからこそ感じる問題点なのだと思います。
如何にして学生が英語に触れる機会を授業以外で作っていくのも重要なのでしょう。

英語教育の問題点から考える”あるべき姿”とは

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①リスニングやスピーキングにおける感動的な成功体験を学生に提供する
②授業外でも学生が話す聞くの英語に触れる機会を提供する


この2点が学生の実践的な英語力を身につける上で重要だと感じます。
*これは私の持論ですので、違う意見がある方はその旨をコメントください

そして、学生自身が実践的な英語力を身につける教育を強く望んでいると再確認しました。

こういった機会を提供するには、
教育を始める時期を早める、受験の仕組みを変えるなど国単位で大規模に行わなければ変わらない部分もあるでしょう。
そして、もちろんコミュニケーション英語や英語表現などのカリキュラムの全てが問題だとも思っていません。

一方で当事者である学生が、英語を学ぶなら実践的な英語力を身につけたいと思っているのであれば、
学生自身が身につけたい力を身につけられる、なりたい自分に近づける教育を提供することが今後求められうのではないでしょうか。

実際にN高のように、自身の目的意識がはっきりしている生徒は自由に学べる環境を選ぶ時代が到来していますからね。

最後に

今回も読んでくださり誠にありがとうございました。
対談に参加してくださった広尾学園の4名の学生さんと機会を提供してくださった先生に感謝申し上げます。

今回の対談を通して先進的なグローバル教育を受ける学生から見た英語教育の問題点や求められる要素を知り私自身の見解を整理することができました。

そして、是非英語教員をされている方にこのnoteを読んでいただき
英語教育において学生がなにを求めているのかを知り英語教育について改めて考える機会なれば幸いです✨

noteを読んで「私は英語教育に対してこんな意見を持っている!」という先生がいましたら是非コメントで自身の英語教育に対する意見を共有していただけると嬉しいです!

Facebookグループ「英語教育アップデートの会」URL
https://www.facebook.com/groups/858427728335617/




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