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オナベバーは学びの場所。みんなが思っている水商売とは真逆の空間。

僕はLGBTトランスジェンダーの鈴木優希40歳。生まれた時の性別は「女」だったが、物心ついた時から心は「男」だった為、性別適合手術を経て今は戸籍を「男」に変えて望んだ性別で生きている。

LGBTセミナー講師・LGBT社会人交流会「BRUSH UP」の活動をしているが、仕事は地元である名古屋の錦三丁目で同じ性別違和、主にFTMの子を中心に雇用した飲食店いわゆるオナベバーと呼ばれるBAR「Venus」を14年経営している。

経営者と言っても今もまだ若いスタッフたちと共に現場に立っている。

「夜の商売」「水商売」と聞くと、あまり良い印象がないという方も多いだろう。

でも、この仕事の良い所は、普通に生活をしていたら話すことも出会う事も出来ない素晴らしい方々と同じ時間を共有し、お話をさせていただけること。

日々、勉強。

「カッコイイ大人たちがこんなにたくさんいるんだ。」

それまで人生を舐め腐っていた僕が、この錦という街に来て、特に自分の店を持ってから強く感じた。夜の世界には、昼間に見せないその方々の仕事論、生き様がふと垣間見れる瞬間がある。

40歳になった今も学びの毎日で、先日もオープン当初から応援して下さっているある社長にこんなことを教えていただいた。

今、名古屋も大変な時期である。また爆発的に人数が増え、時短・休業の繰り返しで錦というこの地方最大の繁華街も今まで見たこともない程に悲しい現状である。

そんな中、その社長がVenusを心配して顔を出してくれた。しかも初めて一人でふらっと。

連絡を頂いた時に、あいにく僕は別のお客様と同伴中で食事の真っ最中だった。すぐに店に戻れず、そうこうしている間に社長がもう帰られますとスタッフから連絡が入った。焦った僕はすぐに店に電話をした。そのお客様はもう会計を済ませていて、何のイベントでもないのに10万を超えるシャンパンを下ろしてくれていた。

「今日は時間がないからp2いれといたからな。頑張れよ」

言葉は少ないけど、その人の優しさを僕は知っている。この現状の中での「頑張れよ。」その一言に全てが詰まっていた。

10万を超えるシャンパンなんていくら錦とはいえ、なかなか出るものではない。僕は嬉しさと驚きでこう言ってしまった。

「うっそー!!!うそでしょ?」

そんな発言を繰り返していると、社長は冷静にこんなことを教えてくれた。

「優希、いいか? うそー!ではなくてホントにー?!と言え。同じことでも否定的な言葉より肯定的な言葉を使う。その方が良い」と。

確かにそうだ。

当たり前の事だが、やれていない事って沢山ある。40歳になっても、日々学び。その社長の周りにはいつもたくさんの人がいる。そしてこんなに顔が広いのに悪く言う人は誰も居ない。その意味が改めて分かった気がした。

もっともっと学んで、僕もそんな魅力的な人になりたい。


※2021.7.4 LGBT異業種交流会第1回無事終了。ご参加ありがとうございました!

次回は9月18日(土曜日)名古屋にて第2回LGBT異業種交流会開催決定。

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