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僕はFTMトランスジェンダー。鈴木英理子 女 から、鈴木優希 男 に性別を変えた41歳。

仕事は地元名古屋で同じFTMやLGBTQの子を雇用した飲食店を経営して15年を迎えた。
今年42歳。自分でも信じられないスピードで歳を取っていく。
そんな僕が最近、よく考えることがある。

若い頃と今とこれから。

僕にも当たり前に10代があり、20代があった。

その頃は時間はあるけどお金がない。やりたいことも欲しいものも沢山あったけど、お金がなくて行けなかったり買えなかった。

欲しいのに値札を見て諦める日々…

ただ、欲しいものは買えなかったけど、それでも両親のおかげで食うに困るなどはなく、恵まれていたんだと思う。
それに甘えて貯金もせず、日々散財。キャバクラ、ホステス、BARの店長と18歳から水商売をしていたのにかかわらず、通帳にはいつも数万円。
母はそんな僕を見て心配そうにしていたっけ...。
とにかく社会的な信用の欠片もない奴だった。
しかし、人生甘くない。
そのままずっと行けるわけはなく、25歳の時、地獄を見た。
それから「自立」「お金を稼がないといけない」生まれて初めてそう思った。ほどなくして自分の店を持ったこともあり、まさに必死。記憶がないほどに働いた。税金・年金・保険などもやっと自分で学んで世の中の仕組みを知ることができた。

その結果、今はあの頃よりお金はある。知識も信用もある。

でも今度は時間がない。(笑)
健康的な身体もない。

人生とはうまく出来ているなとつくづく実感する。

では未知なるこれからの

40代50代はどう生きるか?

カミングアウト後、性別適合手術を受けて戸籍を変えた僕は20代後半から自分としてやっと生きれた感覚がある。心と体の性別を合わせるために費やした時間は思ったほどに長く僕の人生を占める。

だからこそ、そこからの恋愛経験、男としての人生経験の始まりが故に、41歳になった今でも幼稚で未熟な面も多いと自覚している。

僕は5年後10年後を考えて生きられない。

昔からそうだった。性別違和・性同一性障害で悩んでいた時が長かったせいか、将来を考えることがずっと怖かった。そこから逃げて生きてきたから、今でもその癖が抜けないのか?

先のことを計画的に考えておくことが必要だと感じるけど出来ないし興味がない。
明日どうなるかわからないし、今を精一杯生きることで目一杯。
今を一生懸命に生きていれば、後についてきてくれるとも思っている。
現にそう生きてきて今年僕の始めた店Venusは15周年を迎えることが出来た。

僕が自分の店を出すと言った時、開店した時、だれがこんな15年後を想像しただろう。自分でもこんな未来は思い描いていなかった。
日々の積み重ねと応援してくれたお客様が僕をここに導いてくれて今の景色を見せてくれている。

開店当初は「ホスト営業」「オナベバー」にこだわっていた僕だけど、今はスタッフのお母さんや僕の地元の女の先輩も店を手伝ってくれている。

人生、何が起こるかわからない。考えていた事と全く違う今があったりする。備えることは大切。準備をする事の大事さも知った。
ただその上で流れに身を任せたっていい。今の僕はそう思っている。

「なるようにしかならない」


その場しのぎとも投げやりとも違う。
やる事をやって今を全力で生きていれば人のご縁も運もついてくる! 
将来が不安なら、考えなくていい。
ただし、逃げずに今出来ることをやろう!出来ることから始めてみよう。
自分のペースで良い。そして、もう少し楽に生きたっていい。


※2022.4.16(土)LGBT社会人交流会「BRUSH UP」第7回無事終了。沢山のご参加ありがとうございました!

次回、第8回「BRUSHUP」は2022.5.21(土)名古屋にて開催決定!


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