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信じることの難しさと素晴らしさ【インド旅行記1】


こんにちは!yukiです。

今日は、インド旅行記の1回目です。

前回はイントロということで、
2度目のインド旅を始めるまでの
過程をお話ししました。

今回からが本番です!

いきなり重量級になってしまいましたが、
楽しんでいただけますように。


人を信じる難しさ


陸路でインドに入国し、
駅を目指して歩き始めたところ、

同い年くらいの、
バイクの男性に声をかけられました。

「やあ。どこへ行くんだい?」

かつてインドに来たときは、
話しかけてくる人が
「お金を稼いでやろう」
と思っている人ばかりだったので、
人間不信になりました。

再びインドに来たのだから、
話しかけられても、
もう油断しちゃいけない…!

「コルカタへ行こうとしてて、
 鉄道駅に向かってます。」

「そうなんだ、歩くと結構遠いよ?
 良かったらバイク乗ってく?
 ちょうど駅の方の家に帰るところだし」

「いえ、歩くの好きなんで、大丈夫です」

「僕はタクシーじゃないから、
 遠慮しないでいいよ。
 ついでだからさ。」


このパターン、知ってるぞ!

結局最後には、
ガソリン代くれとか言われるのです。

断ると、
お兄さんは続けます。

「でも駅まで6kmくらいあるよ?
 そんな荷物あったら大変でしょ」


口が上手い笑
それとも本当に親切…?

お兄さんは、
人の良い笑顔を浮かべています。

うーん、まあいっか、
請求されてもタクシー代だと思えば。

「じゃあ、
 お願いしていいですか?」

「もちろんだよ!乗って乗って!
 僕はアルパン、よろしく。」

国境付近の道

バイクは、
大きな木が両側に立ち並ぶ道を
颯爽と走っていきます。

並木の外には、
緑の田畑が広がっていました。

さすがはバイク、
あっという間に駅に着きます。


・・・心の準備はOK。
さあ、どうくる!

アルパンが口を開きました。

「コルカタ行くの急いでる?
 良ければ、うち寄っていかない?
 家族も喜ぶと思うからさ」


そうきたか…!

家に荷物を置かせて、
金目のものを抜く作戦だな!
(経験済み)

しかし。

目の前でニコニコしてるアルパンからは、
まったく変な空気が感じられません。

むしろ良い人オーラが出ている。

前にインドに来たときより
旅の経験値は積まれているので、
直感は敏感になっています。

それに従うと、
「この人は大丈夫」。

まさに、岐路に立っています。
どうする…?


もういいや、直感に任せる。
アルパンを信じてみよう。

どうにでもなれ〜!

「ありがとう。
 急がないから、
 ご挨拶しに行こうかな!」

「本当に?!
 嬉しいよ、家族に電話するから
 ちょっと待ってて!」

アルパンは、
ポケットからスマホを取り出しました。

アルパンの家へ


電話が終わり、
ふたたびバイクの後ろに乗って、
アルパンの家を目指します。


いまだ心のなかで、
「アホー!アホー!」と
もう一人の自分が叫んでいる汗

いや大丈夫、
怪しい空気を感じたら
帰ればいいよね。

てか、全く悪意がないとして、
行きずりの外国人がいきなり家に来て
どう思われるんだろう。

いろんなことが頭を駆け巡ります。


バイクは小さな町を出て、
こぢんまりした平屋が点々とする
林の中に入っていきました。

「ついたよ!」

そこは、
林の一角にあるレンガ造りの家でした。
綺麗に掃除されていて素敵な雰囲気。

アルパンの家

家のすぐ側で林は終わっており、
そこから先には農地が広がっています。

アルパンの家からみた農地


「帰ったよー!」

アルパンが声を出すと、
家から家族が出てきました。

アルパンが紹介してくれます。

おじいちゃん
おばあちゃん
17歳の妹さん・アルピタ
16歳の弟さん・アビシェク

アルパンは23歳でした。

お父さんとお母さんは病院に勤めていて、
バンガロールという遠い街に
働きに出ているのだそう。

突然の訪問なのに、
皆さんとってもウェルカムに
迎えてくれました。

とっても良い雰囲気の家族。

「まずはお茶にしよう!
 家入って!」

アルパン兄弟に案内され、
家にお邪魔します。

中に入るとダイニングがあって、
さらに3つの部屋がありました。

そのうちの1つの部屋に入ると、
クイーンサイズのベッドがどーんと置かれ、
その隣に“ヒンドゥー教の神棚”的なものが
設置されています。

「これはhome templeだよ。
 まずはお祈りしなくちゃね」

アルパンはささっとお祈りをしました。
僕も手を合わせます。

おばあちゃんが
紅茶を持ってきてくれ、
アルパンに何か言います。

「おばあちゃんが、
 泊まっていったら?って言ってるよ。
 そうしてくれると僕たちも嬉しい。
 外国人のお客さんなんて初めてだし。」


まじか…!

家に来てハッキリ分かりましたが、
アルパンもご家族もまったく悪意はない。

いや、この空気感で悪意があったのならば、
僕は二度と人を信じられなくなったでしょう笑

迷惑にならないか、何度か念を押して、
泊めていただくことにしたのです。

のどかな農村


紅茶をいただいたあと、
アルパンがボードゲームを
出してきました。

「これ、ちょっとやってみようよ」

アルパンの部屋でゲームをする

アルピタとアビシェクも一緒に、
4人でプレイします。

“インド式すごろく”といった感じ。
面白さは、まあまあ笑

ちょうどいいタイミングで、
近くの親戚の方が訪ねてきたので、
外に出ます。

「なんか日本人が来てるって聞いて!
 外国のお客さんなんて珍しいわ!」

アルパンと、家族

しばらくおしゃべりしてから、
アルパンは、

「夕飯の食材を買いに行ってくるね。
 近くを散歩してきたら?
 2人が案内してくれるよ。」

とバイクで出かけていきました。

「じゃあ僕たちも行こうか!
 ついてきて!」

アビシェクとアルピタについて、
近所を散歩しにいきます。

林の中から数人の子どもたちが走り出て、
一緒についてきました。

近所の子供たち

アビシェクとアルピタは、
けっこう離れた大都市コルカタの学校に通っていて、
向こうに部屋を借りて2人で住んでるそう。
すごい!自立してる!

辺りには、のどかな農村風景が広がっています。

農地の風景

「今は暑くないし、
 ちょうど良い時期なんだよ。
 夏は地獄だからね笑」

服に花をためる男の子


近所の男の子は、
マリーゴールドを摘んで、
お腹に入れていました笑

てか勝手に摘んでいいのか?
プレゼントしてくれたから、
もらっちゃったけど。

マリーゴールド畑

寺院などで祈りに使われるマリーゴールドは、
こういうところで育てられているんですね。

置いてあったマリーゴールド


家に戻ると、アルパンも帰っていて、
シャワーを浴びたところでした。

「おかえり!
 yukiも、明るいうちに
 シャワー浴びちゃいなよ!」

シャワーは、
庭の真ん中にあります。

シャワーというか、
四方にレンガを積み重ねた、
水道のあるスペース。

レンガの高さは、
僕の首が出るくらいなので、
150cmくらい?

もちろん屋根はありません。
見上げると、緑の木々。

水シャワーのうえ、
開放感がすごいのもあり、
最高に爽快でした笑


庭にある小さな小屋では、
おばあちゃんがスパイスを挽いて、
夕飯の準備をしてくれています。

スパイスを挽くおばあちゃん



親戚の赤ちゃんも遊びに来ていました。
可愛いすぎるー!

親戚の子ども


アルパンが、

「おばあちゃんが夕飯作ってくれるから、
 その間に町も案内するよ!」

といいます。

3人兄弟と、
町のほうへお散歩にいきました。

ボンガオンという、小さな町。

アルパンの友達がやっているネットカフェで
Wi-Fiを使わせてもらったり、
これまた友達がやってるお菓子屋で
パウンドケーキをご馳走になったり。

ありがたや…

気づくと、辺りは薄暗くなっていました。

夕暮れの市場


夕暮れどきの市場、
とても賑わっていますね!

カリンを買うアルパン

アルパンがカリンを買っていたので、
僕もみんなで食べられるように
丸ごとスイカを買いました。

「ええ〜。yukiはお客さんだから、
 そんなの気にしなくてもいいのに!
 てか、いくらだった?」

「えっと、確か80ルピーだったよ。」

「うえー、本当は40ルピーで買えるよ!
 ふっかけてくるから、気をつけてね。」

ありゃ、それは残念。

おばあちゃんのカレー


散策を終えて、家に帰ります。

アルパン兄弟


夜の田舎を現地の人と歩くのは、
安心感があって楽しいもの。

暗い林を抜けて家に着くと、
夕食ができていました。
ありがとうございます…!

「机が小さいから、
 2人ずつしか食べられないんだ笑
 先にyukiと僕で食べよう。」

おばあちゃんが作ってくれた夕食

おばあちゃんが作ってくれたのは、
ジャガイモのカレーと、
揚げたゆで卵の入ったトマトカレー
そしてアジアらしいパラパラご飯。

手食でいただきます。

スパイスの深みがあって、
めっちゃ美味しい!!
お店で食べるカレーより断然美味しい。

おばあちゃんのカレーの味は、
強く記憶に刻まれました。
本当、感謝しかありません。


夕食後は、
アルパンのPCに入っている
映画や写真を見せてもらったり、
僕の写真を見せたり。

アビシェクとアルピタとおばあちゃんは、
例の“インド式すごろく”で遊んでました。


部屋にめっちゃ蚊が出てきたので、
アルパンが蚊帳を持ってきます。

「これがないと寝れないからね!」

天井にささっと蚊帳を取り付けてくれました。

いつもはクイーンベッドに
アルパンとアビシェクで寝るそうですが、
今日はアルパンと僕で寝かせてもらうことに。

アビシェクは別の部屋へ。申し訳ない!


外国で人を信じるのって、難しいです。
嫌な目に遭ったこともありました。

でもこの日は、
「あのとき信じてみて良かったな」
と感謝しながら眠りにつけたのです。

というか、疑ってばっかだったのに、
誘ってくれて本当ありがとう!!

どこの国でも、
優しさとあたたかさに出会える
ことを、
改めて実感したのでした。



最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

それでは今日も良い1日を!



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