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カイロから始まるアフリカの旅【アフリカ旅行記1・エジプト】


こんにちは!yukiです。

今回から、
旅行記のアフリカ編を
書いていこうと思います。

全体を大ざっぱにいうと、
エジプトから南アフリカまで、
4か月ほどかけて陸路で旅しました。

順番に読まなくても楽しめるように
書いていこうと思いますので、
お時間あるときにご覧いただけたら嬉しいです。

1回目は、
アフリカ大陸に入るところまでを
書いていきますね。

それでは、どうぞ!

(この記事は、2016年の旅を“旅行記”としてまとめたものです)



恋するダハブ


ボオーッ!と大きな汽笛が鳴り、
船の中に慌ただしい空気が漂いはじめます。

ヨルダンからエジプトへの夜行船が、
まもなく目的地に到着するようでした。

リクライニングで寝ていたため、
少しクラクラする頭で外に出てみます。

まだ夜明け前で、
あたりは真っ暗。

生温かい海風が
身体にぶつかってきます。

まもなく船は港に到着し、
人の流れに乗りながらタラップを降りて、
イミグレーション(入管)へと進みました。

エジプト入国の列に並んでいると、

「あの、助けてもらえませんか?!」

アジアの青年に話しかけられました。

彼は韓国人で、
マンジェといいました。

「あそこのATM、
 デビットカードが使えないみたいで、
 お金が下ろせないんです…!
 30ドル貸してくれませんか?
 ATM使える場所で必ず返しますから!」

「クレジットカードは使えましたよ。
 クレジット持ってないんですか?」

「持ってないんです!」

カード1枚しかないって、
海外旅行だとリスク高くないかなあ。

というか予備でドル用意してないのかな?

これは、
貸したら返ってこない確率が高い。
お金あげると思った方がいいパターン。

でも本当に困ってるならかわいそうだし…


「分かりました。
 ダハブに滞在しますか?
 その間に返してくださいね。」

「はい、ダハブで返します…!」


貸してしまいました。

無事にマンジェもビザを取れたよう。



港のある町から数十キロ離れた、
シナイ半島東部のダハブという町に
彼とタクシーをシェアして向かいました。

シナイ半島は、
モーセが「十戒」を授かった地

車の窓から、
うす茶色の荒地とゴツゴツした岩山が
黄色い朝日に照らされるのを眺めていました。



やがてタクシーはダハブに到着。

マンジェと連絡先を交換してから、
宿泊予定の宿に向かいます。

朝だからでしょうか、
ガラガラで人の気配がありません。

目当ての宿に
チェックインしているとき、

「おお、yukiじゃん!
 やっと来たか!」

ヨルダンで出会った同い年のザキが、
共有スペースに入ってきました。

ザキとは、
この宿で会えたらいいねと
話していたのです。

朝食にチーズケーキ食べに行くんだ。
 yukiも行かない?
 昨日も食べたんだけどハマっちゃって」


・・・朝食にチーズケーキ。

たまにはいいか、と同行します。

“ジャーマンベーカリー”なる店で、
チーズケーキを注文しました。

ザキが美味しいよと勧めるので、
彼と同じパンも買ってみます。

重い。
夜行明けの胃袋が
悲鳴をあげています。

味は良かったですが、
この朝食はナシでした!笑

さて、ここダハブは、
紅海沿いのリゾート地

日本人旅行者は、
“恋するダハブ”と呼ぶそうです。

海がとても綺麗なうえ、
ダイビングのライセンス取得環境も
整っています。

しかも安宿だと1泊300円ほど。
かかる食費も安い。

当然ながら、
しばらく滞在する旅行者も多くなるのです。


しかし…

今(2016年当時)は、
ほとんど観光客の姿はありません

「アラブの春」の混乱後、
シナイ半島の治安は悪化しており、
観光客が激減してしまったのだそう。

ゴーストタウンは言い過ぎですが、
いつもガラガラのシーサイド・レストランや
人気のないメインストリートのお土産屋さんが、
物悲しい雰囲気を醸しだしていました。

どこが“恋するダハブ”だ、
そもそも人がいないじゃん!笑

というかこの町、
このさき大丈夫かな…?


宿に戻って、
歯を磨き水道水を口にすると、

しょっぱっ!!

まさかの、
水道水が海水でした。

もちろん宿のシャワーも海水。
髪がキシキシになるし、目が痛い!

ザキは先にカイロへ出発しましたが、
居心地がいいので、僕は3日ほど滞在しました。

その数日間は、
シュノーケリングしたり、
海辺のレストランでPC作業をしたり、
宿の人たちと夜ご飯を作ったり。

海辺のレストランはかなり安く、
滞在中は毎日行きました。

しかし、
他のお客さんがいたことは
1度もないという汗

ダハブ、大丈夫かな…

そういえばマンジェからは、
「お金返します!」って連絡が来て、
本当に返してくれました。

全く期待してなかったんですが、
誠実な人で良かった!

ついにアフリカ。大都市カイロ


ダハブでのんびり過ごしたあと、
夜行バスで首都のカイロへ
移動することにしました。

ここシナイ半島では、
武装組織にバスが襲われることもありますが、
確率は低いし、さっさと寝てしまいます。

・・・アナウンスで目が覚めると、
バスは無事、カイロに到着したようでした。

バスを降りて街に踏み出すと、
衝撃的な光景が目に飛び込んできます。

立ち並ぶビル。
混沌とした雑踏。

ヨルダンもパレスチナも、
ちょっとアジアっぽかったけど
ここまでではありませんでした。

しばらく綺麗な国を巡ってきたので、

「ああ…戻ってきてしまった…」

という気分です。

でも、この、
エネルギーに飲まれる感覚。

心のどこかで、
これを求めていた感もあるのです。

ついにアフリカの玄関口に
やって来たのでした。



ザキのいる宿へ向かいますが、
いかんせん大都市。

辿り着くのも大変そうなので、

「まずは腹ごしらえをしよう!」

と見つけたお店に入ってみます。

「ワオ、お兄さんどこの人?!」

フレンドリーな店員さんたちが
迎えてくれました。

このお店で出している料理は、
エジプトの庶民食、コシャリです。

ご飯、マカロニ、ひよこ豆、刻んだスパゲッティ、
トマトソース、フライドオニオン。

その全てがごちゃ混ぜになっています。

エジプト風ファーストフードですね。
味は、可もなく不可もない。笑

コシャリはともかく、
店員さんたちが素敵すぎて、
カイロの第一印象は良い感じ!


街角には、
あちこちにフレッシュジュース屋さんが。

ものすごく濃厚で甘い、
フルーツの香りが漂ってくるのです。

特に大量の熟れたマンゴーが、
強烈な存在感(香り)を放っています。

大きい荷物を背負いながらも、
ついつい買ってしまいました。

ジュースは水や氷で薄めておらず、
お腹を壊す確率も低そうです。

・・・美味しすぎる!

そして30円くらいなのです。
ありえない。

(カイロ滞在中は1日3回ほど
 フレッシュジュースを飲むこととなりました。
 特にマンゴーが素晴らしかった!)


さて、ようやく辿り着いた
“宿の場所らしきビル”は、
超オンボロビルでした。

本当にここで合ってるのか?
入り口がヤバい…

階段を上がって上階へ行くと、
確かに宿がありました。

宿のドアを開けると…
ずらっと日本のマンガやガイドブックが
本棚に並んでいるのが目に入ってきます。

そして日本語の話し声!

ここの宿は、
いわゆる“日本人宿”で、
泊まる人もほとんど日本人でした。

旅行者はここで情報交換し、
一緒にツアーに参加したり、
困難なアフリカ旅の同行者を探すようです。

ザキとも無事再開できました。

ハト飯


この日の夜は、
カイロに留学している友人ケントくんと、
予定を合わせてご飯に行きました。

繁華なバザールの広場で待ち合わせ、
姿を現した彼は、
アラブ人の伝統的なローブ姿!

「似合ってるね!」

「いつも着てるからね笑」

そうだった。
ケントくんは日本にいる頃から、
アラブの格好で過ごしていたのでした。

彼の提案で、
エジプトではメジャーな、
“ハト料理”を食べに行きます。

出てきたのは…

なんと、ハトの中に、
味付けご飯が詰まっていました。

イカ飯ならぬ、ハト飯。

ハトのお肉は、
食べるところ無さすぎて
よく分かりません汗

料理は全般的にクセがなく、
美味しく食べることができました。



ケントくんが言います。

「あと数日で、
 ラマダンが始まるよ。」

「あっ、そうなのか!
 日中の飲み食いはNGなんだよね。
 外国人は別に良いのかな?」

「ムスリムじゃなければ大丈夫だけど、
 せっかくの機会だし、守ってみたら?」

ちょうどラマダン(断食月)
被ってしまったようです。

食事はともかく、
日中に水が飲めないのは、少々きつい。

6月のカイロは、
昼間の気温は35度くらいで、
そこまで高くもありません。

しかしこれから行く南部では、
プラス10度くらいになるとのこと。

エジプトの次に行くスーダンも
イスラム教の国なので、
ずっとラマダンが続くのです。

これはなかなか厳しそうだ。

(実際はラマダンのおかげで沢山の出会いがあり、
 この時期で良かったと思えるのですが!)

食後は、バザールをお散歩。

ライトアップが綺麗で、
夜でも賑わう楽しいところです。

ケントくんとは話し足りず、
明日の夜も会うことになりました。

日中は、
ギザのピラミッドを見に行こう。



ここカイロから、
アフリカ縦断の旅が始まったのでした。



最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

それでは、今日も良い1日を!



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