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砂漠の古代遺跡へ【ヨルダン旅行記1】


こんにちは!yukiです。

今回と次回の2回で、
ヨルダン旅行記を書いていきます。

滞在自体が1週間程度と短かったので、
ぎゅっと凝縮して記事にしていきますね。

今回は首都アンマンと、
偶然出会った旅行者たちと
名高いペトラ遺跡を巡ったお話です。

楽しんでいただけますように!



黄色い街


イスラエル、パレスチナの旅を終え、
国境を越えてヨルダンに入りました。

ヨルダン側で乗り込んだバスは、
茶色く乾燥した大地を走っていきます。

数時間もしないうちに、
首都・アンマンに到着。

バスを降りて驚きました。

なんだか東南アジアっぽい匂いがする…!

スパイスや香料が混ざり合ったような、
少し甘く、旅情をかき立てる匂い。

懐かしさが込み上げてきます。

黄土色の家が立ち並ぶアンマンの街は、
想像していた中東の街そのものでした。

目星をつけていた宿に荷物を置き、
管理人さんに、

「近くに安価で美味しい食堂はありますか?」

と尋ねてみます。


教えてくれたのは、
宿の裏の路地にある小さな食堂。

かなりたくさんの人で賑わっていました。

「何を食べたいんだい?」

お兄さんに聞かれます。

よく分からないので、
席で食べている人の料理をそっと指差し、

「同じのでお願いします」

とオーダーしました。

・・・すると、
なんかめっちゃ出てきた汗

出てきたのは、
アラブパンのホブズ、
そら豆料理のフール、
ひよこ豆コロッケのファラフェル、
野菜類とミントの紅茶。

どれもすごく美味しいのです。

しかも全部で約200円でした。
教えてくれた宿の管理人さんに感謝!


腹ごしらえをしたところで、
街を歩いてみます。

「ハロー!中国人かい?」

アンマンの街は、
明るく声をかけてくれる人が
かなり多くいるように感じました。

大都市なのに、
すごくフレンドリーなのは珍しい気がする。


市場は、どこかアジア感があります。

幼いのに、
たくましくお店で働いていた少年。
背筋が伸びる思いでした。

「この街の雰囲気、好きかも」

なんだかとても、
居心地の良さを感じたのでした。

アジア人チーム


アンマンについた翌日、
早くも中部のワディ・ムーサへ移動することに。

ワディ・ムーサには、
名高いペトラ遺跡があるのです。


ワディムーサ行きのバスは、
南バスターミナルから出ているのですが、
宿から近いのは北バスターミナル。

そこで、まずは北バスターミナルに行って、
市内バス(セルヴィスといいます)で
南バスターミナルへ移動することにしました。

北バスターミナルに行くと、
タクシードライバーの方々が声をかけてきます。

そのうちの1人が、
ちょっとしつこい感じで、

「南バスターミナルへ移動する
 セルヴィスはないぞ。
 タクシーに乗っていくしかない

というのです。


うーん、宿のスタッフさんは、
バスあるって言ってたんだけど。

「本当にないんですか?
 他の人はあるって言ってましたけど」

「本当だ、ない」

そう言いながら、
こちらと目も合わせようとしません。

・・・ウソですよね?笑

そのとき、まるでマンガみたいに、
私たちの目の前にセルヴィスが現れました。

タクシードライバーは、
何も言わずに離れていきました。

・・・引っかかる観光客は多いだろうけど、
そういう商売の仕方だと、
心が荒んでつらくならないのかなあ。



無事、南バスターミナルへ移動し、
長距離バスに乗り込みます。

バスは砂漠の道をひた走り、
夕方頃にワディ・ムーサに到着しました。

バスを降りたところには、
なんと泊まりたかった宿の送迎バスが。
イージーすぎる!


宿は広くて清潔でした。

部屋はシングルベッドが並ぶドミトリーで、
中国人男性が2人、韓国人女性が1人、
日本人女性が1人泊まっているそう。
(アジア人ばっかり笑)

さて、
このバレンタイン・インという宿では、
夕食に美味しいブッフェを楽しめます。

料理を取って食べ始めると、

「一緒に食べてもいい?」

韓国人の女の子に声をかけられました。

彼女は、スーといいました。

小柄で可愛らしいけど、
強い信念が滲み出てるような人。
僕より2つ歳上でした。

「スーはもうペトラ遺跡行ったの?」

「うん、私は今日行ってきたよ。
 壮大だった!」

スーも長く旅しているようで、
ヨーロッパを巡ってから
ヨルダンに来たのだそうです。

夕食後も、
夜の町を散歩しながら
旅の話に花が咲きました。

「私、明日も遺跡行くんだけど、
 良かったら一緒に行かない?」

「いいね!そうしよう!」

ドミトリーに戻ると、
中国人男性の2人と、
日本人女性も帰ってきていました。

ケビンジン、そしてシホさん

みんな明日ペトラに行くらしく、
5人で一緒に行くことに!

ケビンは、兄貴肌のたくましいお兄さん。

ジンはアフガニスタンに
旅行で行ったばかりのぶっ飛んだ人。

シホさんは底抜けに明るくて、
ずっと笑ってるお姉さん。


明日が楽しみ!
わくわくしながら眠りにつきました。

2000年前の遺跡


朝起きて窓の外を見ると、
青空が広がっていました。

絶好の観光日和!

遺跡の入場チケットは、
1日券、2日券、3日券と分かれていて、
プランにあわせて選ぶことができます。

(このチケット、なかなか高額なのですが、
 2023年現在の値段を調べてみたところ、
 1日券ですら10000円かかるそうです汗)

スーは昨日来ているので2日券の残り。
他のみんなは1日券を買っていましたが、
僕は3日券を購入。

「まじ?!
 3日も何するの?!」

って驚かれたのですが、
実はペトラ遺跡ってとんでもなく広いのです。

いくつものトレッキングルートがあり、
僕はたくさん歩き回るつもりだったので、
3日券が必要だったのでした。

さて、入り口からしばらく歩くと、
巨大な岩の峡谷に入っていきます。

「どこまで続くの、これ…」

延々と同じような道が続いていき、
歩き続けること約30分。

道の先に光が見えてきました。

そしてピンクに輝く遺跡の姿も!


ようやく峡谷を抜けたところには、
とんでもなく美しい遺跡があったのです。

この建物の名は、
エル・ハズネ(宝物殿)。

ペトラ遺跡は、
アラビア半島からやってきたナバテア人が、
紀元前4世紀ごろに築いた王国の都なのです。

ざっと2400年くらい…
とんでもないスケールですね。


エル・ハズネを見た後は、
さらに奥へと進んでいきます。

ペトラ遺跡の面白いところは、
どこでも自由に入れること。

遺跡の中だろうが、崖に登ろうが、
「どうぞご自由に」って感じです笑

侵入禁止の柵なんて、
ほとんどありません(エル・ハズネくらい?)。

それでいて、
とてつもない絶景がひたすら続くのですから、
楽しくて仕方がないのです。


ペトラ遺跡には、
うじゃうじゃラクダがいます。

笑ってるみたいな、
愛らしい顔してますよね。



ときどき、売店で飲み物を買うのですが、
シホさんが値切り交渉うますぎて驚愕でした。
あっという間に半額以下になっちゃうのです。

(ペトラに行く方は
 ぜひ挑戦してみてください!
 僕は3割引が限界でした苦笑)


さて、少し山を登ったところにある、
エド・ディルという遺跡を目指して
みんなで坂を登っていきます。

「ちょっと…休憩しよ…」

砂漠の国だけあり暑さも厳しいので、
スーは結構辛そう。

みんな夏場の格好なのに、
ジンだけは長袖のパーカーを着て
フードまで被っています(日焼け対策?)。


何度も休憩しながら
なんとか上り切ったところに、
これまた美しい建築物が姿を現しました。

エド・ディル(修道院)です。
その姿は堂々たる風格を備えていました。

「やったー!
 ついたー!!」

登りきった達成感もあって、
みんなはしゃいでいました。

「これからどうする?
 まだ日没まで時間あるよね。」

「エル・ハズネを崖の上から見られる
 ビューポイントがあるらしくて、
 そこ行ってみない?」

スーの提案で、
ビューポイントへ行ってみることに。

途中、映画の撮影に出くわしました。

遺跡をそのまま使っている笑

休憩中の俳優さんたちと
お話しすることができましたが、
エジプトから撮影のために来ているのだそう。

一緒に写真を撮ってもらったり、
飲み物まで分けてくださったり、
お仕事中なのに気さくな方達でした。

陽がだんだん傾いて、
さらにドラマチックな光景になっていく。

ビューポイントへは、
崖をどんどん登っていきます。

高所恐怖症の人にはムリそうな階段があったり、
突然景色がひらけたり、とても楽しい道のり。




たどり着いたビューポイントからは、
かなり壮観な風景を見ることができました。

もう日が当たらず、
エル・ハズネの輝きは薄れていましたが。

ビューポイントには小屋が建っていて、
2人のベドウィンの男性がいました。

「シャイを飲んでいきな」

強烈に甘く、ミントも入った、
“シャイ”と呼ばれる爽やかな紅茶を
淹れてくれました。

ベドウィンとは、
アラブの遊牧民族のことです。

『アラビアのロレンス』を観た方や、
『アルケミスト』を読んだ方は
想像がしやすいかもしれません。

お茶をいただいているうちに、
1人がを吹きはじめました。

夕暮れの砂漠、
岩山に響いていく乾いた笛の音色…

なんて素敵な時間なんでしょう。


笛を吹き終えた彼は、

「ちょっとその帽子、
 被らせてくれ」

シホさんの帽子に興味を示し、
被りたがります笑

「どうだ?
 似合うか?」

さっきまで格好よかったのに、
なんかコミカルになってしまった笑



気づいたらすっかり日が暮れて、
あたりは真っ暗になってしまいました。

ベドウィンの2人が言います。

「帰りは、ここの崖を降りて、
 まっすぐエル・ハズネに行けばいい

 俺たちも降りるから、一緒に行こう」

「この崖を下るんですか?!」

2人についていくと、
険しいけれど、
何とか降りられそうな場所がある。

スマホのライトで照らし合いながら、
岩にへばりついて、
少しずつ降りていきます。

15分くらい経ったでしょうか、
エル・ハズネまで
本当に降りてきてしまいました。

賑わっていた広場は、
もう人影もありません。


そのとき、

「エル・ハズネに入ってみたいか?」

笛を吹いていたお兄さんが言いました。

「入っていいんですか?」

「俺たちはベドウィンだから、
 そんなのは自由なのさ。
 一緒にいるお前たちも同じだ。
 ついてきな!」


好奇心を抑えられず、
みんなで彼について
エル・ハズネに入りました。

・・・想像以上に狭いです。

奥行きがあるのかと思ったら、全然ない笑

拍子抜けしたとはいえ、
ありえない経験をしてしまいました。


「じゃあ俺たちはこっちだから、
 町まで気をつけて帰れよ!」

エル・ハズネを出ると、
ベドウィンの2人は
荒野の方へ去っていきました。

どこで寝るのだろう。
先入観もありますが、
やっぱベドウィンはかっこよすぎた…



5人で、ふたたび、
長い峡谷を歩いていきます。

「やばいね、
 エル・ハズネ入っちゃったね」

みんな興奮が収まりません。

はるか上の岩の裂け目から、
瞬く星が小さく見えていました。

ほぼ真っ暗な峡谷を抜け、
町の明かりが見えた時には、
思わずみんなでハイタッチし合ったのでした。





最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

それでは、今日も良い1日を!



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