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山と海の繋がりを体感する屋久島の旅1.伊賀の米農家がなぜ屋久島へ?

昨年3月。急遽実家で営んでいた兼業米農家を継ぐことになった私は、いわゆる対人・組織運営支援のお仕事から一転、天候と自然環境・集落の人間関係や風土に向き合う生業に取り組むこととなりました。

また、そのような大きな変化の中で、四季の変化と共に生きること、土地や太陽、自然の恵みによって生かされていること、それら自然環境と集落の相互作用関係の中で人々の文化や風土が生まれてきていること等を日々実感するようになりました。

この学びを新米兼業農家の記録として残すだけではなく、より身近に、もっと多くの方に感じてもらえるような機会を作っていけないか?

そう考え、今年からは庭先のバケツでも米づくりを行う「バケツ稲」と、共感しあえた仲間と進める「村づくり」を並行して行ってきました。

今回、ご縁あって屋久島を訪れることになったのは、これらの取り組みがきっかけとなっています。

自然環境と人とが相互作用し合う関係や営みと屋久島への旅が、どのように繋がっているのか……その接点は、「土中環境」というキーワードにありました。

屋久島の特徴と土中環境

まず、私自身が米農家として米を育てる経験を通じ、水と土の役割というものを強く意識するようになりました。

米の美味しさの決め手は、美味しい水がある土地かどうか?良い土があるかどうか?で決まると一般的に言われます。

また、自然環境としての水田というのも、私にとっては研究対象となりました。

水田は、一年を通してダイナミックに環境が変わります。秋から次の年の春にかけて何度か耕され、田植えの時期以降は水が満たされます。

これに加えて、バケツで米を育てる体験は、土の持つ力と米の持つ力の両方の可能性を知ることができました。田んぼに比べると本当にわずかな量、深さの土であっても、土は穂を実らせることができました。

このような経緯から、土の中で起こるメカニズム、ダイナミズムについて探究を深めたい、米づくりの最中で感じた自然と一体になる感覚についてさらなる理解を深めたい、という思いが強くなってきていました。そこで出会ったテーマが、土中環境です。

屋久島といえば、鹿児島県の沖に位置する島であり、樹齢1000年以上の杉である屋久杉や、その屋久杉の中でも最大級の縄文杉で有名です。

しかし、屋久島の地形の特筆すべき特徴として、山と海の近さがあります。

屋久島の隣に位置する種子島から屋久島を臨むと、切り立った山岳が聳え立つ屋久島の姿が目を引きます。

屋久島の最高標高は2000メートル近くに達し、それが淡路島より小さな島の中に収まっています。(以下の写真は山の中腹から撮ったもの。手前の高い山に隠されて、最も標高の高い奥の山はまだ見えていません)

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この、山の源流から海に至るまでの河の流れ、生態系の繋がり、それらを育む水と土中環境についての見識を深めるのに屋久島がうってつけだという仲間の提案により、今回の旅が実現したのでした。

旅の拠点:Moss Ocean House

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今回の旅でお世話になったのはこちら!Moss Ocean Houseです。

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今回の旅は、正面に太平洋を臨み、森と溶け込むように位置しているこのMossを拠点に海と山の繋がり、生態系を育む水脈と土中環境、生命の循環ついての探究を深めていくこととなりました。

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壁面の黒板に描かれていた図が、まさに旅の趣旨そのままを表してくれています。

自然と向き合うことは牧歌的で穏やかなだけではなく、厳しさもありますが…ここに描かれた図からは、それらを含んだあたたかさも感じられました。

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さて。以降は、屋久島の海と山、そしてそれらの繋がりを学んだ旅の記録をつけていきたいと思います。




サポート、コメント、リアクションその他様々な形の応援は、次の世代に豊かな生態系とコミュニティを遺す種々の活動に役立てていきたいと思います🌱