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『光る君へ』第6話を観て ※ネタバレあり

みなさん、こんばんは。
NHK大河ドラマ『光る君へ』第6話が放映されましたね。
「二人の才女」とあるように、とうとう紫式部と清少納言が出会いました。

今回は主要人物それぞれに変化が見られる回でしたね。
変わらないのは真宙君だけ・・・。
漢詩の会へ参加する父親の随伴を
「ムリ〜」
と逃げ出してしまいました。
相変わらずのほんわか清涼剤です。


まひろの決意

さて、今回の冒頭を振り返ってみましょう。
道長に母が殺されたことを告白したことで心を乱したまひろを為時(岸谷さん)は、
「何があったのかは聞かない」
そう娘を思い遣る姿に、子供の頃に仲良しだった父娘の姿を思い出しました。
そして父と娘はようやく向き合い、まひろは父を、ひいては家門を支えることを決心しました。
右大臣家だけを頼りにするのは、これから先も得策ではないと源左大臣の関心を引くべく、娘の倫子を通じて自分なりの立ち位置を獲得しようという考えですね。
何かの使命を全うしなければこの命に何の価値があろうか・・・。
そんな気概を感じました。
あなたはこれから先、千年以上愛される物語を書きあげるのよ!
とまひろにネタバレしてあげたい!!
道長と距離を置かなければと肝に銘じておりましたが、この二人遭遇率高すぎます。
来週もまた市井で出会ってしまうモヨウです。。。

道長の変化

飄々としてつかみどころのなかった道長がようやく目を覚ましたというか、自分の身を守るためにも政事に目を向け、周りの状況を把握しておく必要があると思い至ったわけですね。
あの温厚な長男道隆に宮中で勢いを増す義懐(高橋光臣さん)が若い勢力をとりこもうとしていることをチクった道長。
どんなに腹は黒くても父・兼家のほうが政治家として国の為になると素直に意見を述べたところが、柄本道長らしいと感じました。
穏やかでうまい具合に若い衆の心をつかもうとする道隆は鷹揚でなかなかよく考えていらっしゃいます。
そして、道隆の北の方(板谷由夏さん)もさすがの内助の功ですね。
こちらも賢い才女であるなぁ、と感じました。
道隆は花山天皇の女御・忯子が子を産むことはない、と安倍晴明による呪詛を道長に漏らしたのも、道長を一門の男子として認めた証でしょう。

さて、源氏物語でも光る君と頭中将は漢詩を得意としていて、よく宴を催しておりました。朱雀帝の御世に弘徽殿女御とその父親の太政大臣が権勢をふるい、出仕を控えて邸に籠っていた時も、弟の帥宮や仲間を集めて韻ふさぎで遊んだり、漢詩を作る宴を催して、弘徽殿女御の勘気を蒙ってしまいます。
そんな平安の知的な雅を今回のドラマで垣間見られて、さすがNHKと痛み入りました。

栓子の足掻き

前回私にも考えがある、と兄の道隆にほのめかしていた栓子、一体何をするのかと思いきや、左大臣・源雅信を味方につけようとは。
今は花山天皇を前にして良好な関係を保っている両大臣、まさか栓子が秘されなければならぬ父親の悪行(帝に毒を盛ったこと)を左大臣にバラしてしまうとは。
これを聞いたからには否応ナシよ、という脅しに近い従わせぶりでした。
それにしても益岡徹さんは困った顔がよく似合う。
やはり栓子はまごうことなき兼家の娘ですね。
弟の道長のことをあれほど可愛がっていたのに、弟も駒にしようとするしたたかさが感じられました。
しかし左大臣をどうやって動かそうというのか、父の政治力を削ぐつもりなのでしょうか。これから何がしかの動きがあると思うので要注目です。
父・兼家にも姉栓子にもオススメされて、やはり道長は倫子を娶ることになるのですね。
まひろへの恋心を自覚したばかりなのにカワイソウ・・・。

二人の才女

平安の女流作家といえば何でも比較されがちな紫式部と清少納言。
書くテイストも内容も真逆な二人がどうしてここまで論じられるのかというのは、やはり宮廷の勢力図が関わって来るからでしょう。
道隆は娘・定子を一条天皇に入内させ、清少納言を仕えさせます。
そして紫式部は道長の娘・彰子に仕えて立后の一役を担うのです。
一条天皇に入内した時の彰子の年齢は12歳。
まだまだ幼く、一条天皇より3つ年上ですでに中宮に冊立されていた定子を前にしては女性という存在ではありません。
その帝を彰子の局に留めるよう関心を引くように書かれたのが源氏物語であったといわれております。
紫式部と清少納言の最初の対決は漢詩の感想でしたね。
藤原公任の作った歌を吟味してまったく逆の感想を漏らしました。
感想なので、それをどちらがどうとは言えませんが、二人の才女は共に白楽天(白居易、白楽天は通称)とその友人の詠んだ漢詩を把握しているということですね。やはり稀なる才女に違いありません。
これからも悉くやりあってくれるでしょう。
ところで藤原斉信(金田さん)と清少納言(ウィカさん)は後に男女の友情というか、(ほんとに関係があったのかも?)じゃれ合うような関係になりますが、その片鱗が今回はみられましたね。
公任(町田さん)が「おい、おい」といった感じで辟易しているのもクスリです。
町田さんは品行方正な貴公子役がとてもよく似合いますね。
そしてすでに若手のカリスマといった感じが滲み出ています。
この頃までは調子がよかったのですが、これからは苦難の道が待っているわけです(ネタバレ)
柄本道長とは対照的な君ですが、こちらもこれから要注目です。

忯子の死

第六話の最後にとうとう花山天皇の女御・忯子が儚くなってしまいました。
安倍晴明の呪詛が覿面であったということですね。
恐ろしい。。。
子も生まれず、この後花山天皇は世を儚んで出家してしまいます。
というのは表向きのお話で、実は道長の泥をかぶる役の兄の道兼に騙されて出家させられてしまいます。
在位わずか2年。。。
右大臣家の隆盛につながる栓子の子・懐仁親王の即位の為の第一歩ということになります。

今回のお話では、道長がしみじみとまひろを想う漢詩や和歌がありました。
それは両方とも元のあるお話なので、次の「いろいろ解説」でつまびらかにしてゆきましょう。
それでは、また来週☆


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