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ヨーガ・呼吸法の師である高橋玄朴先生が講師を務められる筑波大学『みんなのヨーガ』メールマガジンの3月号に掲載して戴いた記事です。

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脳性麻痺の9歳の息子、ハッキリとした発語は限られていますが、表情やジェスチャー、ニュアンスで上手に意思を伝えてきます。

就学前の早いうちから獲得した“もう1回”と人差し指で1を示すジェスチャー。
息子の大好きなドリフターズや志村けんさんのコントや踊りの動きも真似したがります。

しかし、何度も観てイメージできている動きであっても、一人で座れず歩けず左手はほぼ自分の意思で動かない息子にとっては、一人では真似することが難しいものが多いのです。

座位の場合、私が二人羽織りの要領で息子の手を取り、動きを真似て動かすと、嬉しそうな顔をし、終わると真顔で“もう1回”を繰り返します。

介助歩行(後ろから息子の脇を支えて歩く)も同様、“リハビリ”という観点からは足の動きや姿勢を考慮しながら、自主性も尊重し、丁寧に進めるべきだと思いますが、普段見かける健常のお子さまやTVなどでの大人の動きのように、自由に歩いたり走ったりする“イメージ”が息子の頭の中にあり、たとえ息子の手足が追いついていなくとも(笑)同じように動いているようにサポートすると、キャッキャとそれは楽しそうに歩き回ります。

そして、“もう1回”…

たとえ自分には出来ない動きでも介助により体感し、自分でしている“気分”を味わって楽しんでいるのです。

息子は“嬉しい”“楽しい”“気持ちがいい”
そんなポジティブな“気分”を選び取って繰り返すことが本当に上手だと思います。

大人は、そこにいろいろな状況や立場などが絡み合い、“苦しい”“つまらない”“つらい”
などのネガティブな“気分”を知らず知らずのうちに自ら繰り返しているのかもしれません。

これは、1月『みんなのヨーガ講座』質問の時間で話題となった、病気に関して自分の心身が今求めていることに忠実であることが、健康につながるということにも共通しているようにも感じたのです。

そして、できれば私も息子のようにポジティブな思考の“もう1回”を日々繰り返していきたいものだと思います。

※写真は、ドリフターズ『カミナリ様コント』
をイメージして作ったもの

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