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「初めての人生の歩き方――毎晩彼女にラブレターを」(有原ときみとぼくの日記) 第193話:あなたの言葉はずっと心に残っています。

「死ぬことは悪くない。死について考えることから解放してくれるから」ジュール・ルナール


 夕方、彼が何気なく開いたFacebookにそれは載っていた。

「先日、鈴木常吉さんが亡くなられました」

 鈴木常吉。
 シンガーソングライター。
 もともとバンドマンだったが昨今は流しのようにアコギやアコーディオンを抱えてだらしなく飲みながら腹の底のロックを歌っていた人だった。

 彼は鈴木さんの曲が好きだった。
 好きすぎるあまりに一度押しかけて飲みに行ったこともある。

「お前は優しすぎるよ」

 そう言われたのを彼は今でも覚えている。

 彼は早い時間にサウナに行った。
 全身入れ墨で小指のないおっさんが湯船につかっていた。
 その下町の光景がなぜか鈴木さんの面影とかぶって、彼はそのおっさんの近くに浸かった。

 鈴木さんの匂いがした気がした。

 遠くから「思ひ出」が鳴っている。
 入れ墨のおっさんが帰っていった。
 彼はサウナに移動した。

 もう一度会いたかった。
 しかし、一度でも会えてよかったと彼は思った。
 
 後悔はない。
 家に帰ったら、久しぶりに流そう。

 今夜も蒸し暑くなりそうだ。

 誰かが亡くなるたびに、ぼくはいつかの自分とかさねてしまうんだ。

 そのとき、となりにいる君の顔を想像するたびに、少しでも健康で長生きしようと心に誓うんだ。

 でも、ぼくたちもいつかは死ぬ。

 だからこそ生きよう。

 今を精一杯、この時間を共有したい。

 愛してるよ。

 もうすぐだね。

 少しでも長くきみと一緒にいたいんだ。

初めての人生、年をとればとるほど楽しみも増えるけど悲しみも増える。

いつか死ぬ。

今日、

ぼくはいつか死んでもいいように生きただろうか。

明日がまたやってくる。

それは奇跡なのかもしれない。

今日もありがとう。

今年も、残り157日。

またね。

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