治療はな。病院の都合に合わせてするもんじゃねえ。患者の都合に合わせてするもんだぜ!よく覚えておけよ!
みなさん!くそ暑い熱帯夜が続きますがいかかがお過ごしでしょうか?
私ごとですが、
電気料金を心配して妻(家庭での最高権力者、別名プーチン)が、
クーラーをつけてくれないため、妻(プーチン)にお願いしてシベリア
にでも送ってもらおうと思っていたのですが、さすがに妻も暑さに
我慢が出来なくなったようで、やっとクーラーをつけて寝ることが
出来るようになりました。ほっとしています。
今日のnoteは、
それほど大したことでないことを難しく言う傾向のある脳神経外科の
先生が、多くいる中で、バカな私が、脳外科の病気や治療を皆様に簡単にわかりやすく説明し「なーんだ。そんな事か」と思って頂くためのnoteです。
今日は、脳外科の病気の中でも特にオタクだけが知っていますが、
あまり出会う事のない下垂体卒中と言う病気の治療について説明したいと
思います。😊
手術は、神の手と呼ばれた福島孝徳先生直伝の方法でしていますよ。
(尊敬と感謝を込めて。若かりし頃に10年間指導して頂きました。
先生の遺伝子は、若い脳神経外科医に受け継がれて行っていますよ)
※暑さのため私の脳がオーバーヒートとして、ぶっ飛んでいますから、
誤字脱字や怒られるかもしれないお下品な言葉遣いはご容赦くださいね。
では、始めましょう。
まずは、下垂体腫瘍がどのような場合に手術適応があるかを簡単に
説明しますね。
1)視野、視力障碍がある場合。
視野は、両耳側半盲と言って両側の耳の側から、視野が欠損し
始めます。ゆっくりと進行しますから、本人は腫瘍がよほど
大きくなるまで気づかないことが多いようです。
視神経(ものを見る神経)が腫瘍により下から圧迫されることにより
起こります。
2)ホルモンに異常がある場合
女性は、生理の不順や妊娠もしていないのに乳汁が漏出すること、
体毛(恥毛)が薄くなり気づきやすいのですが、男性の場合
腫瘍がかなり大きくなるまで気づかないことが多いようです。
3)突然の頭痛と嘔気、視力低下、ひどい場合は意識障害、ショック
などくも膜下出血と同じような症状で発症することがあり、
それが、下垂体卒中と呼ばれるゆえんです。(腫瘍内出血)
私は、緊急手術の適応があると思っています。
まとめると下のスライドになります。
1)症例 60歳男性
この患者さんは、脳ドックですでに下垂体腺腫があることを指摘されては
いましたが、視力視野障害もなく、ホルモン検査でも異常が無いため
外来で経過を診ていたのです。
下垂体腺腫の2-7%程度に起きるいわゆる下垂体卒中が起きて
しまったのです。
2)救急搬入時MRI
上から3番目のバカC(いや部下C):
「先生。下垂体が月食のようになっています。」
私は、すかさず愛用の南部鉄瓶の灰皿を取り出し、部下Cの頭を一発
愛をこめて優しく殴ってやりました。(開頭術が必要でない程度に)
最近は、ぐわーんとまるで除夜の鐘のようないい響きがします。
部下C:「あっ、痛っあー!」と部下もとてもいい反応をしてくれます。
私:「おまえは、画像だけを見て、画像に込められた意味を読み
とっていないだろ!同じように見えても意味が全く違う事を
知ろうとしていないじゃないか。
アート(芸術)の素養を身に着ける必要があるな。」
私:「この下垂体の画像はな。ニボー(液面形成)になっているんだ。
つまり、性質の異なる液体がまじりあうことなく分離した時に
起きる画像だ。CTにしろMRIにしろ頭の検査でこのニボーが
見られたら経験上2つしかない。それは、出血かあるいは
膿なんだ。覚えとけよ。」
部下C:「先生もたまにはいい事おっしゃいますね」
すかさず、2度目の除夜の鐘がぐわーんと響きました。
私:「おめえは、いつもひとこと多いんだよ。注意しないと大仏様の
頭になるぞ。」
部下C:「大仏様の頭って何ですか?」
私:「後で教えてやるよ。まあ、悪い事ではないから心配するな。」
上から2番目の部下B:
「先生。今日は手術が多くて手術場のみんなも疲れていますから、
この手術は、明日に回しましょうか?」
その時南部鉄瓶の灰皿の奏でる除夜の鐘の音が、立て続けに3発
響きました。
あたりどころが違うためか、「ぐわーん」「ぐおーん」「ごっつ」と
音に変化がついていました。
私:「そんな言い草は、大学病院や公立病院の頭のいい偉い先生が
できない理由を考えて言うときに使う言葉じゃねか」
「患者さんは、頭が痛くて吐き気がして、目まで見にくいと
おしゃっているのだぞ。明日の朝まで、我慢させるのか?
家族だって明日の朝まで不安で、眠れないじゃねえか。」
私:「バカな俺たちはな、知識じゃなく、情熱と愛情で偉い先生方と
張り合わなければ飯が食えねえんだ。」
私:「いいかよく覚えとけよ」
「治療はな。病院の都合に合わせてするもんじゃねえ。患者の都合に合わせてするもんだぜ!」
私;「それとよ。働き方改革なんてほざいているのはな。
税金で飯食っている人たちの絵空事じゃねえか。
人生の3分の2の時間を費やす仕事が、やりがいが無く
楽しめなくてどうするんだ。時間を区切ったらやりがいが
出て、楽しくなるとでも言うのかよ。🤣
暇して、何をしていいのかわからなくなり、よけいな事を
考え始める。むしろそっちの方が生きずらくなるんだよ。
仕事はな。周りの誰かのためになる愛の実践のひとつ
じゃねえのかよ。」😤
部下C:「先生。今日はどうしたんですか。いい事言うじゃないですか。」
ぐわーんとまた一つ除夜の鐘が響きました。
いちばん上の部下A:
「先生手術場の準備ができました。今からやりましょう。」
私:「レジェンドの俺でも30年間に3症例しか下垂体卒中は
経験していないんだ。たかが2-3時間の手術だから、
貴重な症例をみんなで経験を共有しようじゃないか。いいか。」
部下C「へえ」そのあと。「ぐわーん」
私:「おまえは、何度言ったわかるんだ。へえじゃなくてハイでしょ。
かわいく笑顔でハイと元気よく言いなさい。いいね。」
部下C:「へえじゃなくて、ハーイ!」そのあとぐぁーんと除夜の鐘。
私:「ハーイじゃねえ。ハイ!」
3)鼻くそほじるついでに下垂体腫瘍を取る手術
私たちは、緊急手術の全身麻酔は自分たちでかけてきました。
私は、脳外科医ですが、1000例以上の全身麻酔の経験を持ちます。
その中で麻酔が困難であった症例は、巨人症の脳内出血の患者さんで
巨大舌のため、気管内挿管が困難でしたが、内視鏡を使いなんとか
挿管できました。それと2例気管支痙攣をおこし、換気が困難な症例がありましたが、なんとかこれも処置によりきりぬけました。
脳の緊急手術は、急ぐ必要があり、麻酔科の先生を呼び出すより
自分たちでかけた方が、時間を短縮することが出来るからです。
救急を扱う脳神経外科医は、全身麻酔の技術が必須であると考えています。
執刀医は、信頼する部下A君です。
①「C君、鼻くそをしっかりとって、鼻毛をきれいに切り取るんだよ」
C君:「ハイ。先生。」
私:「南部鉄瓶の灰皿の教育の効果が、出てきたかな」
②「ナビゲーションで迷子にならないようにね。開創器が
下垂体のちょうどいいところにあたる方向に進んでいくんだよ。
蝶形骨洞の前壁の骨を削って、下垂体の入っている下の骨を
削る時には、両側にある海綿静脈洞を傷つけないように
必ずドップラーで確認するんだよ。うちのナビゲーションは、
古くてあてにならないからな。海綿静脈洞を傷つけると患者が死ぬよ。
そこだけ注意すればいいんだ。」
③「下垂体のそこの膜を切ると、黒い血種が出てきただろ、後は、
耳かきみたいなもので、ドロッとした、腺腫を取れるだけ取ればいいよ。
正常の下垂体は、やや硬くて柿色をしているから傷つけるなよ。
それと、脳底槽のくも膜を出来るだけ破らないようにね。
髄液鼻漏が起きると少し入院期間が延びるからね。」
④「早くもとれたじゃないか。出血を完全に止血するんだよ。
再出血すると患者が失明するからな。完璧に止血だ。
腫瘍の取り残しが無ければ、すぐ止血できるはずだよ。」
⑤「もう止血できたのか。じゃあ閉めて、麻酔を覚まそうや」
ふと時計を見ると午前0時前でした。
私の頭の中:(A君のやろう。午後9時から始めて3時間以内に下垂体の
手術を終えている。だいぶ技術が上がって来たな。
俺の教育は、間違っちゃいないと言う事だ。)と
自分で自分を褒めている自分に気づく。
手術もみんなが協力して、無事終わり疲れはあるものの貴重な1日を
過ごすことが出来ました。働き方改革では、得られない幸福感です。
私:「おい。お前たち。今から家に帰ってもすることもないし、
今からすき屋にでも行って、牛丼をさかなにビールでも
飲もうぜ。」
部下達:「やったー。先生行きましょう。久しぶりに飲みましょう」
こいつら俺のおごりの時だけは調子に乗りやがって。
まあ、みんな手術が無事終えて、充実感に溢れているから、
こんな時こそおごってやろうと思いみんなですき屋に行きました。
私たちは、時間で仕事を区切ろうとする働き方改革などに従っていては、
患者さん中心の医療などは、できないのです。病気は、私たちの都合に
合わせて発症しているわけではありません。
でも、仕事がきつくても
悪いものとは、考えていません。なんたって、やりがいがあるのですから、
患者さんに「ありがとう」と言ってもらえるのですから。
患者さんを守る前に、医療の崩壊を心配するような医者とは同じに
見てほしくありません。
すき屋で、
部下C:「先生。大仏さんの頭になるぞって何のことです。
教えてくださいよ。」
私:「あれか。お前たちは、偉い先生方のように使いもしない知識を
ふりまわして、周りから承認を得ようとするような医者には、
なってもらいたくないんだ。
彼らの真似をするんではなくて
俺たち臨床医は、ありふれた病気をきっちり治せる医者を
めざさなくてはならない。
そのためにはな。ひとつ、ひとつの症例を大切に扱い
脳みそじゃなく、体で覚えていかなければならないと言う事は
わかるだろ?」
部下達:「・・・・・・・・」
私:「大仏さんの頭を想像してみろ。大仏さんの頭のこぶのひとつ、
ひとつはな。大仏さんが殴られながら、偉くなった証拠じゃないか。
お前たちだって、私の愛用の南部鉄瓶の灰皿で作られた、
こぶの数だけ成長していると言う事だ。
バカはな。記憶力を鍛えるのではなく、体で覚えていくのだよ。
ワトソン君!体で覚えたことは、決して忘れることがない。
お前たちも、大仏さんの頭をめざせ。そして私の愛のムチで
成長していくんだよ。ワトソン君。」
部下達:「・・・・・・・・」
部下C:「確かにA先輩は、手術が早くてうまくなっていますね。」
私:「そうだ、ここの牛丼とビールはとてもうまいだろ。」
4)鼻くそほじるついでに手術した下垂体腺腫の術後MRI
正常下垂体を残して、きれいに取れているでしょう。術前腫瘍に乗っかって
見えにくかった視神経もちゃんと見えますよね。
目の悪い方は、画像を大きくしてみてくださいよ。術後のホルモン検査でも
正常下垂体は、傷つけていないため、ホルモン補充療法をする必要も
ありませんでした。つまり、治癒したのです。やったね。
患者さんは、術後1週間で退院されましたよ。
世の中が明るく見えるようになったんだって。良かったですね。
5)術後の患者さんですよ。
下垂体の手術が上手く行った患者さんは、私たちをとても信頼して
くれました。
そこで私が、息子に教えられた腸を良くする免疫療法、パン(グルテン)の
中止と低糖質食をすすめ、炎症を抑えるオメガ3の油である
EPA DHAのサプリメントと体が作るステロイドの前駆体である
ビタミンD3サプリメントの内服を実践してもらいました。
すると、関節リュウマチの痛みが消失し、炎症反応(CRP)が
下がってきてステロイドや鎮痛薬を内服する必要がなくなりました。
治癒したのです。
写真の患者さんは、低糖質食で術前より体重が10Kg減少しています。
最後に、「なあーんだ。そんな事だったのか」と思って頂けたとしたら
とてもうれしく思います。
いつも本当にありがとうございます。😁
歳をとると言う事は、魂が老けることじゃなく、むしろ若返ることです。
僕は、そう思っています。よろしく!
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