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ハロウィンの夜、柿が奏でるオレンジな前菜たち

今年のハロウィン用に、テーブルに飾っていたこの3兄弟。
と、うちの愛すべきパンプキン男。

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我が家にやってきた順番は「右→左→真ん中」なわけだが、真ん中に顔があったので、思い立って左と右にも油性マジックで顔を描いてみた。皮は剥いて使うからいっかと思って。

今日からは、この方たちを余すことなく調理していきたいと思う。

第1弾は、真ん中の一番小さい子、のご登場だ。

先日の投稿でのせたけれど、コンフィヌモン開始前日にスーパーでハロウィン仕様になっていたこの柿。フランスではそのまま、「Kaki」として売られている。

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私、こういう遊び心に弱くて、面白いから速攻カゴに入れた。
ちなみにこの顔はステッカーだった。

柿といえば、実家の向かいの祖父母宅で毎年作っているのが、干し柿。
私の地元、信州松本は、冬場となるととにかく寒い。
寒いのは「痛い」のだとずっと思っていた。朝起きると庭に霜が張り、タオルは凍る、チャリを漕いで高校に向かうのは痛みという名の寒さとの戦いだった。

そんな寒冷地だけあって、漬けたり干したりってのはお得意なのだ。
これ、柿を干し始めたところ。

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干し柿をブルーチーズに合わせるのが最高にうんまいので、酒好きは是非試してほしい。父送ってくれないかな、干し柿。無理か。


干す前の柿が市場に出回ってくると、そのままでももちろんいただくけれど、決まって作るのが、ルッコラと合わせたサラダだ。

東京とパリでテレパシーし合っているエア飲み友のえりきゃっとことえりちゃんが、すこし前にこんな記事をアップしていた。
柿が夕焼け色とは、えりちゃんだからできる、なんとも風流な表現。よき。


そしてコンフィヌモン初日、夕方の散歩ついでに、肝臓に効くお茶を買いにビオのスーパーに立ち寄った。ついでに葉物野菜も仕入れようと思って野菜売り場でぶらぶらしていたら、果物売り場でまたnoteから天使が降ってきた。

ハマのQOLブチ上げ30代ことぽなちゃんが、先日アップしていたこの記事。

よだれしかでない豪快なペスカトーレの左上に添えられていた一品、生ハムに巻かれたメロンとは思えぬ白いものをめざとく見つけた。聞くと、なんやら甘くなかった洋梨をハムで巻いてやったらしい。
ハズレでも万能選手生ハムを巻いてふたたびスポットライトを当ててあげる、その優しさが好きだ。

ちなみに洋梨はフランスでpoire(ポワール)と言って、秋以降に旬を迎える。
私は日本のみずみずしい幸水梨が死ぬほど好きで、もはや水分として摂取するほど大量に食べていたが、フランスではアジア系のスーパーでしか見たことがない。

ポワールは、はずれの確率も多々あれど、当たればねっとりと甘く、とても美味しい。タルトなどの焼き菓子作りにも多用され、料理にもよく使う。

我が家はリーズナブルな生ハムを常備しているため、あたりかハズレかはわかんないけど、ハズレでもぽなちゃん流に生ハム巻いときゃなんとかなるか。
当てる確率を高めるため、2つほど買ってみた。

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洋梨は生ハムで巻いて、柿はルッコラと合わせていつものサラダにしようと調理を始めようとした、そのとき。

最近のオキニ、ミクニシェフのyoutubeを開こうとしたら、まさにこれから作ろうとしているものが・・・!
『お酒好きにおすすめ〜・・・』って、タイトルからしておすすめされている。

しょっぱなから「モツァレラ」って言えてなかったりとか、洋梨が用なし?とか、今回もテンポよくギャグまで連発。
生ハム巻きながら「いーとー巻き巻き」とか、お皿に並べるときに「好き、きらい、好き、きらい、好き・・・」みたいに「梨、柿、梨、柿、・・・」って。

乙女か。

シェフ、これ絶対楽しんでるな。
みてる側にも伝わる。で、また見ちゃう。

ドレッシングにつかっているすだちもブロシェットに向いてるようなチェリーモツァレラもなかったけれど、組み合わせ的にはありだなと思って、すだちはレモンで、サラダに使う予定だった柿の半分は、生ハムで巻き巻きすることにした。

さらに偶然は重なるものだ。
別の一品(温菜)を作っている間にのぞいていたInstagram。
少し前から仕事・育児に加えて料理まで作り始めた友人の♯料理系弁護士Zが、ちょうど柿の上に生ハムをのせた一品を投稿していた。
しかも「柿は飲み過ぎに効く。完璧」という万年飲兵衛が泣いて喜ぶコメントを添えて。

最高か。

次に記事にする予定の温菜も作っていたので、合間を見て、ちゃちゃっと切ったり混ぜたり巻いたり並べたりして、2つの冷菜を仕上げることにしよう。

まずは、ミクニ風にいうと「生ハムとフルーツのプロシェット」から。

皮を剥いて、大体同じ大きさになるように、切る。
一口でギリいける感じ。ミクニシェフなら楽勝だろう。

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オリーブオイルと白ワインビネガーとレモンで簡単にドレッシングを作っておく。
生ハムを一つずつ巻きつけて、シェフ・ミクニ的に「梨・柿・梨・・・」と唱えながらお皿に並べたら、食べる直前まで冷蔵庫で冷やしておく。


次、ルッコラと柿のサラダ。
苦い野菜ラブなので、ルッコラは大好物。ルッコラを食べるときはドレッシングにはいつもすりごまを入れているのだが、どこを探しても見当たらない。

ということで、まあ何にでも合いそうなハニーマスタード的なドレッシングにしてみることにした。

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ルッコラと半分の柿を合わせて、適当ドレッシングを振りかけて和えるのみ。

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食感用に松の実、色がきれいになるかなと思って、ドライクランベリーをちぎって加えてみた。なくても全然かまわない。

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お皿に盛り付けて、完成。

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すっかり忘れそうになっていた生ハム巻きたちも、冷蔵庫から出して、ドレッシングをまわしかける。パセリもちらしてみよう。

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ハロウィン風、柿オレンジを使った前菜の完成。

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本当、生ハム万能。
生ハムの塩気とフルーツの甘味の組み合わせって最高だ。

ルッコラのサラダは、やっぱりゴマがほしくなるけど、これはこれで美味しい。
ナッツは入れて正解。アーモンドでもカシューナッツでもなんでもよさそう。
クランベリーはなくてもいい(笑)元々、色が欲しくていれただけだから。

飲み物は、シェフ・ミクニの試食を見ていて、ああ、泡にすればよかったー!と思ったけど時すでに遅し。冷やしておいた白ワインでいただく。

なお、私は通しでワイン派だけど、Otto氏はアペロで大体ジャパニーズウイスキーで、食事中は炭酸水。ジャパニーズウイスキーの銘柄はなんでもいいらしい。山崎のウン年物を手に入れるのが夢のようだが、まあこのご時世、難しいわな。

このあと温菜も、あるよ。


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極寒期の松本城
アルプスに雪が降ると山がこれまた美しいのだ





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