私のスキをつめこんで〜じょり家のはちみつレモンタルト
ぱっとひらめいたタイトルが、『恋人がサンタクロース』といえば、の映画タイトルを彷彿とさせるかのようになってしまった。
今、真夏なのに。
母が愛してやまないユーミンの歌は、私の脳裏に焼きついた、幼き頃の思い出。
そして今日のエトセトラは、私が愛してやまない、レモンとはちみつを使ったお菓子について。
好きで好きでたまらない、レモンとはちみつ
数ある私の偏愛フードのなかでも、かなりの上位に食い込んでくるのが、レモンとはちみつ。
まずレモン。フランス語で、シトロン。
もうどちらも響きからして最高。
私のレモン偏愛歴は長く、幼少時にまで遡る。
小さい頃のおやつの定番といえば、黄色いハイレモン。
隣の青いヨーグレットには目もくれなかった。
小学生のとき、華々しくCCレモンが登場。
ごちそうドリンクは、それまでのファンタオレンジからCCレモンに速攻でチェンジした。
大学生になるとレモン好きはエスカレート。
居酒屋などに出入りするようになると、揚げ物の横についてくるレモンをお行儀悪くしょっちゅうかじっていた。
社会人になり、3ケタにのるかもしれないくらい参加した異業種交流会という名の会合でもそれをやらかしていた。たいした成果も得られなかったのは、レモンをかじる変わった女性としか思われなかったからだという節がある。
そして今。
短期的な夢は、イタリアとの国境付近にある南仏都市、マントンのレモン祭りにいくことだし、中長期的な夢は、庭にレモンの木をたくさん植えて、自家製レモンを愛でることだ。
レモンを直接かじるのは歯に悪いと聞いてから、たいぶ控えてはいるけれど、それでも私のレモン愛は、今でも変わることがない。
ちょうどこのはちみつレモンタルトを作った翌日、勝手にnote飲み助仲間だと信じている@えりきゃっとさんが、偶然にもレモンを愛でていらっしゃった。
同じレモン狂でも、えりきゃっとさんはセレナーデのようにとっても美しい文章でレモンを語られているので、これまた勝手に貼らせていただく。
次に、はちみつ。フランス語だと、ミエル。
前世はミツバチだったんじゃと錯覚を起こすくらい、こちらも偏愛歴は長い。
小学生のとき、親戚のおばちゃんの家でいただいた何の変哲もないはちみつマーガリントーストが衝撃的に美味しくて、以来、甘味といえばはちみつびいきになった。
実家では、「(くまの)プーさん」と呼ばれていて、優しい母は私のためにはちみつの大瓶を常に用意してくれていた。
パンにはもちろん、ヨーグルトにも紅茶にも、料理にもはちみつ。
喉が痛くなっても、はちみつ。
口内と脳にダイレクトにあっま!と効いてくる砂糖たちとちがって、はちみつの、ねっとりと優しく、じんわりと語りかけてくる感じがたまらなく好きなのである。
フランスの定番お菓子、タルト・オ・シトロン
フランスで、どこのブーランジュリー(パン屋さん)およびパティスリー(ケーキ屋さん)にも売っている定番お菓子といえば、エクレア、ミルフィーユ、フルーツやチョコのタルトなどなど。
そこに並んで必ず挙げられるのが、タルト・オ・シトロン。レモンのタルトだ。
そういえば、日本のケーキ屋さんでこのシンプルなタルト・オ・シトロンをあまり見かけないのはどうしてだろう。
たしかコージーコーナーはレモンといってもレモンパイだったし、他のケーキ屋さんでもレモンの他にムースだのスポンジだのと挟んであったものが多数だったような。シンプルすぎると売れないのかな。。
それはさておき、2013年に初めてフランスに来て、最初に感動したのが、スーパーで簡単に買えるボンヌママンのレモンタルト。最近では日本でも成城石井とかカルディでも買えるんじゃないかな。というかAmazonで普通に売ってた。
スーパーで買えるお菓子でこれ??と、驚いたし、感動した。酸味がしっかり効いていて、タルト生地も安定のバターの存在感。
もちろんパン屋さんなどで3ユーロくらいで買えるごく普通のタルト・オ・シトロンも、普通に美味しい。
ちなみに私は上にメレンゲがのっかっているのは好みでなく、タルト生地にレモンクリームだけのシンプルなものが好きだ。
なので我が家のタルト・オ・シトロンもごくごくシンプル。大好きなはちみつとレモンを使ったはちみつレモンクリームを、サブレ生地に流し込んで固めるだけの簡単タルト。
タルト生地は面倒なら市販のものでもいいし、なんならはちみつレモンクリームだけ作ってそのままなめても、何かにつけてもいい。私は味見でだいぶなめてしまっている。
じょり家のはちみつレモンタルトの材料
直径22cmの底無しサークル型1台分(底ありでもOK)
【サブレ生地】
・薄力粉:170g
・砂糖:60g
・バター:60g。角切りにして冷やしておく。
・卵:小1個
【はちみつレモンクリーム】
・卵:2個
・レモン汁:80cc。目安としてレモン1個と半分程度。しぼって種や果肉を取り除いておく。
・砂糖:60g
・はちみつ:70g
・ゼラチン:3g。板ゼラチンを使用。レモンクリームに取り掛かる前に、5分ほど水でふやかしておく。
・バター:60g。角切りにしておく。
・ピスタチオ:飾り用に適量。
サブレ生地に関しては、移民研修で教わったサブレの記事を参照。このサブレ生地のベーキングパウダーを省いたバージョン。
じょり家のはちみつレモンタルトの作り方
1、まずサブレ生地から。
小麦粉と砂糖をボウルに入れて混ぜ、小さく角切りにしたバターをいれる。
最初はスケッパーやカードなどでバターを切るように粉と馴染ませ、その後両手で手を洗うイメージで砂をすり合わせるようにして混ぜて、見た目パルメザンチーズっぽくなるまですりすりする。
2、そこに卵を割り入れて、混ぜて、軽くこねて生地をまとめ、冷蔵庫へ入れて1時間ほど休息タイム。
3、1時間後、オーブンを170度に予熱。休んでいた生地を均一に伸ばして型にしく。フォークなどで底面にランダムにピケをする。
そんなにきれいじゃないけど、私はプロではないので、ご愛敬ということで。
4、重石(我が家はインディカ米で代用)をのせて、オーブンで15分くらい焼いたのち、重石を外してさらに10分くらい焼き上げる。焼き上がったら、オーブンから出して冷ましておく。
こんな感じで、土台の完成。お店のように作るには研修とさらなる経験が必要。
なお、今回余ったサブレ生地は型抜きしてクッキーに。
4、はちみつレモンクリームをつくる。卵、レモン汁、砂糖、はちみつを鍋にいれて、弱火にかけながらゴムベラでまんべんなくかきまぜる。
はちみつの種類はお好みで。
5、かき混ぜているとだんだんとろみが出てくる。とろみが出てきたら火からおろしでザルでこす。
6、こしたクリームに、水でふやかしたゼラチンを加えて混ぜ、その後角切りにしておいたバターを加えて余熱で溶かしながら混ぜる。
7、冷ましたタルト生地に、レモンクリームを流し込み、冷蔵庫で2時間ほど固める。
8、クリームがしっかり固まったら、みじん切りにしたピスタチオを縁部分に飾る。クッキングシートで直径20cmくらいの円をつくり、ガードしながらのせるとストレスなくわりと綺麗にできる。
これで、完成!レモンの黄色は元気がでる。
断面はこんな感じ。若干固すぎってくらいちゃんと固まってくれたので、綺麗に切れた。
レモンとはちみつ、しあわせなコラボレーション
綺麗にカットした一切れの、先っぽ部分からフォークを入れる。
ちょっとタルト生地が硬いけど、ささいなこと。
ふくらんだ期待感とともに口に入れる。
レモンのくぅーっとした酸味を、はちみつのまったりやさしい甘さとふくよかな風味が包みこんで、えもいわれぬ幸福感。
レモンに合わせるのは砂糖だけでももちろんいいのだけど、はちみつのおかげで、幸福感が倍になる。
ちなみに、お菓子にもお菓子作りにも並々ならぬおこだわりを持つOtto氏は、私のつくるお菓子のなかでこれが一番好きだという。
これぞはちみつのもつ、人をしあわせにするやさしさパワー。効果効能抜群なうえ、最後のフレーズまでぱっとひらめいてしまった。
バファリンなみに、
このタルトの半分はやさしさでできています。
太田胃酸なみに、
働きばちさん、ありがとう。いい薬です。
君のじゃ、ないよ
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