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秋の定番〜フランスの大きな栗で、ほっくほく栗ごはん

一昨日はイカ・タコのお祭り系おかず、昨日はメインっぽい塩釜豚ときて、今日はごはんもの。

本当は、鮭ときのこで炊き込みご飯にでもしようと思っていたのだけど、あいにくタッチの差でお得な鮭が手に入らなかったこともあり、ここは秋の森の果実、栗を使うこととしよう。

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私にとって栗といえば、学校の帰り道。
田舎育ちゆえ、私の通学路にはいくつもの「栗」スポットがあった。

体があまり強くなくてチャリ通ほぼ帰宅部状態だった高校時代の私は、秋の帰り道にその栗スポットに立ち寄るのが日課。ひとり黙々と栗をひろうことを秋の楽しみとしていた。暗い。。

実家近くの祖父母の家の庭にも、栗の木はたしかあった。

アンちゃんに導かれるかのごとく、昨日なんの兆候もなくぽっくりと天に召された96歳の祖母。

農作業に精を出すおじいちゃんに、「おやつですよ」と声をかけては、遊びに行っていた幼子の私も一緒に縁側でおやつ団らんをしたものだ。

そしてその時のおやつの定番といえば、温かい緑茶と信州といえばの漬物(いわゆる自家製野沢菜)、そして変色防止のため塩水に浸けたしょっぱいリンゴと甘い煮豆もしくは甘納豆。

子供心的には超イマイチなラインナップで、小さい頃の嫌いなものの筆頭は「漬物」なんて生意気な口を叩いていた。

でも今になってみれば、なんて渋くて粋なおやつなのだろう。
大人になってはじめてわかる、信州の魅力。漬物と甘じょっぱいりんごの素晴らしさ。

あのときは全くわからなかったけれど、今こうやって逡巡して良さを再発見できるのは、祖母が毎回出してくれたあのおやつがあったからだ。

こんなコロナ事情じゃ、速攻駆け付けたくてもどうしたって帰れないんだよね。
お葬式にも行けなくて、ごめんね、おばあちゃん。


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さて話をもどして、栗に関しては、モンブランや栗きんとんなどの砂糖を加えた加工品よりも、母に湯がいてもらったただの栗をスプーンでほじくって食べるのが好きだった。

もしくは、甘栗。特に冬は、「こたつにみかん」ならぬ「こたつに甘栗」状態。気付いたら永遠に剥き&食べ続けていて手が真っ黒なんてことはザラだった。

そんな甘栗大好き女にとって、手を汚さずにコタツ以外でも甘栗を堪能できる「甘栗むいちゃいました」の登場は、歓喜以外の何モノでもないことは想像にたやすいだろう。

就職してからも、小腹が空いて駅のホームで買うのは、決まってこれだった。
日本が世界に誇るポケット菓子だと真剣に思っている。


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フランスのマルシェで仕入れる栗は、とにかく大きい。5センチは横幅がある。

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こちらは、皮を剥きやすくするため、熱湯を入れて2時間くらい放置しておく。

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米を研ぎ、研ぎ汁はイカ大根の茹で汁用にとっておき、水を浸水させておく。

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タコだのイカだのを下処理したりしている片手間で、栗の皮をむく。前のフランス滞在の際も毎年秋に栗ごはんを作っていたこともあり、なぜか栗剥き器がある素敵な我が家。

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ひたすらにむきむきする。2時間くらい浸けていたこともあり、ほぼ身が崩れずにきれいに渋皮までむけた。

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これまたイカだのタコだので使ったコンロが空いたら、ようやく栗ごはんを炊飯。

昆布を敷いて、酒・みりんをスプーン2杯、塩をふたつまみいれて、栗を敷き詰める。蓋をし、弱〜弱中火で10分くらいかけて沸騰させ、12分くらい弱火で炊飯。その後10分〜20分蒸らす。

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十分に蒸らしたら、さあ、ご開帳。

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ほっくほくな大きな栗のくりごはん、今年もお目見え。

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そして明日はいよいよ最終章!

果たして今までの渾身の一皿たちが、我が家の小難しいフランス人に受けるのだろうか・・・。

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