旬のルバーブで、幾何学模様タルト
マルシェにも八百屋さんにも、パリの街中に色とりどりの野菜や果物たちがあふれ出す、この季節。
この時期になると、私には必ず作るお菓子がある。
それが、「Tarte à la rhubarbe(ルバーブのタルト)」だ。
正確に名付けるならば「Tarte géométrique à la rhubarbe」。
géométrique=幾何学模様の意味。
去年のコンフィヌモン中、ルバーブを幾何学模様に並べる作業にハマりすぎて(そこか)何度も何度も作った、マイ酔狂スイーツのひとつである。
ちなみに以前、この記事の真ん中あたりで触れた、「インスタで開催されていたタルトコンクールみたいなやつで入賞してケーキサーバーをいただいた」ってやつは、このルバーブのタルトのことだ。錬金術(?)成功ユッピー。
季節モノは流石にその季節ジャストで書きたい・・・!とは思っているのだが、あまりにハマって作りすぎて、昨年は完全にnoteに書くタイミングを逃してしまった。
先週、ようやく今年のルバーブタルト開きをしたため、一年越しでようやくこのマイ・オリジナル・酔狂スイーツのことを書こうと思う。
そもそもルバーブって?
カタカナ表記はシンプルに「ルバーブ」なのか、より発音が近いような気がする「リュバーブ」なのか。
いつも迷うけど、まあここではわかりやすく「ルバーブ」ということにしておこう。
こちらがマルシェで売られているルバーブ。
隣にはアーティチョーク。
アーティチョーク好きなご近所の皆さんが喜んでくれそうな画だ。
上のページにもあるけれど、どうやら日本では北海道や長野など涼しい地域で栽培されているみたい。実家(長野県)にいるときは地元のスーパーツルヤなんかでもたまに見かけたものだ。
ちなみにこのルバーブ、見かけはフキのような感じなのだけど、生でかじってみるとそりゃもう歯が酸で溶けるんじゃないのって酸っぱくて食べられたもんじゃない。
がしかし。ジャムにしたりタルトにしたりと、砂糖+加熱という手間を加えると、途端にその酸っぱさが活きる。海外在住の日本人の間では、ルバーブで練り梅もどきができるなんてこともよく聞くけど、作ったことはない。
私とルバーブとの出会い
私とルバーブとの出会いといえば、2013年に最初の滞在でフランスに来てすぐのこと。
2013年5月にパリCDG空港に到着してすぐその足で入居したものの、まさかのアリ🐜が大量発生して3週間で退去する羽目になったひとつ目のアパルトマン。
その曰く付きの物件で最初に作ったのが、このルバーブで作ったジャムだった。
フランスで作った初めての料理ということで、なにかと思い入れのある野菜なのである。
私の酔狂なルバーブのタルト
あまり自分から酔狂とは思わないけど、これに関しては昨年のハマりぶりがちょっと異常だったので、自ら酔狂認定している。
そんな私の酔狂なルバーブのタルト。
ざくっと紹介すると、構成としてはこんな感じになろうか。
①タルト生地
+
②クレーム・ダマンド(アーモンドクリーム)
+
③ルバーブのコンポート(もしくは他のジャム)
+
④生のルバーブ(酔狂パート。一番楽しいところ🤤)
④に砂糖を振りかけて焼き上げたら完成。
うちにある材料とかそのときの気分で、各パートは適当にアレンジすることにしている(例えばタルト生地は市販のものを使っても、サブレ生地を自ら作ってもよし。余ったらTOP画のように縁どりをしても!)
去年記録しているものも振り返りながら、各パートについて紹介しよう。
①タルト生地
昨年は大体市販のサブレ生地で作っていたけど、先週作ったものはちゃんと自分で生地から自作した。
焼き込みタルトなので空焼きはしなくてもいいのかもしれないけど、私は途中卵を塗り塗りしつつ、一応15分くらい空焼きしておくことにしている。
昨年は長方形型でも作った。
②クレーム・ダマンド
覚えやすいので、砂糖と卵とバターとアーモンドプードルを同量用意して、全部混ぜて、最後にラム酒をちょこっと加えるだけのシンプルレシピ。
そういえば先日mamigeさんが作っていらっしゃった、見目麗しすぎるキルフェボンタルト。クレームダマンドにココナッツファインとかホワイトキュラソーとか入っていて、おお!なるほど、果物によって加えるのいいなと思った次第。
焼き上がったタルト生地にクレーム・ダマンドを敷き込む。
③ルバーブのコンポート
④で使うルバーブを最初に確保しておいて、余りをコンポートに。
ルバーブの重さの大体半量の砂糖とレモン汁適量を加え、鍋でコトコト煮詰める(左から時計回りで時系列)。
このときは油断してちょっと焦がしてるけど、キャラメル風味で逆によかった。
先週は元々のルバーブの量が少なすぎて、あまりのルバーブもほぼ出ずちゃんとコンポートにできなかったので、うちにあったいちご&ラズベリージャムを敷いてみた。ルバーブといちごって合うのでちょうどいいや。
④ルバーブをのせて仕上げ
酔狂パート。
最後のパートになっているけれど、本当は最初にとりかかるのがルバーブのデザイン、すなわち下書きみたいなもの。
赤と緑と中間部分に分けて、セルクルやタルト型に合わせて先にデザイン通りに並べておく。去年はこの部分でだいぶ試行錯誤したなあ・・・(遠い目)。
ジオメトリーに並べたら、そのまんまタルト型にも並べていく。忘れなかったら、焼く前に砂糖をふりかける。
ちなみにTOPの画像は、去年4回目か5回目くらいに作ったときのもの。
noteを始めて三つ編みアップルパイとか狂ったように作り始めていたとき、親友に、「よっ!縁取りのファンタジスタ!」って褒められた結果、調子にのってできた産物。
趣向を変えて、長方形バージョン。
お絵描きしてからこんな模様にもチャレンジ。
左と右のデザインで迷って、日本の妹たちにまでどっちがいいか尋ねた結果、左バージョンを採用。
そしてフィニッシュ
このタルトの唯一にして最大の弱点は、
「焼く前までは色鮮やかで美しいのに、焼き上げるととたんに地味菓子へと変貌を遂げてしまうところ」
である。
・・・ほらね、地味でしょう?
焼くと茶色くなってですね・・・ううう・・・。。
まあそうは言っても、ジオメトリックに並べるのにかなりの集中力を要しながら、色の配分なんかがうまくいくと毎回えも言われぬ大きな達成感を得ることができる。
切るとこんな感じ。酸っぱいルバーブと甘酸っぱいコンポート、甘いクレーム・ダマンドとサブレ生地がちょうどいい感じのハーモニー。
そして、この愛用しているAstier de Villatte(アスティエ・ド・ヴィラット)の「cube」というプレートはこのタルトのためにあるんじゃないか…?とさえ思うコラボレーションができるのも嬉しい。
ちなみに最初のできあがりの写真を見ておわかりのように、このプレート、半年前くらいに何かの弾みでパッカーンと真っ二つに割れてしまってからというもの、接着剤でくっつけて使っている(号泣)。金継ぎしなくてはと思ってはいる。
とにもかくにも、A型部分の几帳面さとB型部分のおこだわり加減がうまいこと作用する、このルバーブのタルト。
毎年の定番の酔狂スイーツとして、今後も作り続けたいお菓子のひとつである。
かーちゃん🍤型。俺は何型なんだろ?
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