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「うるせえこの無職が!」|メンタルヘルスと社会の狭間

社会の無意識な壁

メンタル疾患を抱えながら社会復帰を目指すと、目の前に立ちはだかるのは厳しい現実、そして見えない社会の壁だ。心の深い傷とも戦わなければならない。ネガティブに捉えられるかもしれないが、ここではあえて感情をそのまま書き残す

うつ病が完全寛解する確率は25%に過ぎない。統計によると、2回目以降の再発率は90%に達する。

焦って復職や転職を繰り返すと、症状は悪化の一途をたどる。金銭的な不安や生活の問題だけではない。社会的な偏見もさらなる重荷としてのしかかる。



切り裂く言葉

「仕事してないの?」繰り返されるその一言が、ナイフのように心を切り裂いた。なぜバレたのか。心臓が強く脈打った。嘘がバレないように心を落ち着かせる。

仕事をせずに治療に専念することは「甘え」として見られることが多い。休職中の民放アナウンサーが、パリオリンピックを観戦し笑っていたことも許されない。帰国後すぐに彼女は退職した。私もまた友人に「働かざる者食うべからず」と真顔で説得された日を思い出す。

「うるせえこの無職が!」という友人の冗談も、私には深い傷となり、しばらく心を閉ざす原因になった。

偏見がないと言う人ほど、無意識に心を踏みにじってくる。悪気のない顔で「なんで仕事しないの?」と問いかけられ、意志の弱さを指摘してくれた。それゆえ、私は「治療中」であることを隠さざるを得なかった。そう、私は自分の治療を恥じていたのだと思う。

あるいは、治療の一環で筋トレや運動をすると、ますます健康的に見えてしまい、厄介だった。筋トレは、健康的な遊びにしか見えない。私は見た目まで不健康でなければならなかった。



「治療中」の難しさ

「治療中」であることは、なぜこんなにも大きな壁になるのだろう。健康であれば当然できること、当たり前のことが、私にはできなかった。そんな自分を受け入れることも、どれほど難しいことか。

数時間動いただけで、信じられないほどの疲労感に襲われることがある。

いくつもの秘密に押しつぶされ、孤独を感じながら生きる――これはメンタル疾患を持つ多くの人々が直面する治療に伴う苦しみだ。



「じゃあどう接すればいいんだ」と言われそうだが、どうか、私たちが自分のペースで治療することを許してほしい。



二重の隠蔽

性的マイノリティであれば、メンタルヘルスの問題に加え、社会からの二重の隠蔽を余儀なくされる。家族や友人に自分を打ち明ける際、どちらか一方を隠さざるを得ないことも多い。これが孤独感を一層深めていく。私はそんな他の属性も多かった。

「ダブルマイノリティ」の自助会には一度だけ参加したことがある。



それでも生きていく

私の人生は、私のものだ。

他人の基準に振り回されてはいけない。私たちは、正にその失敗から学んできた。何度ももがき、何度も失敗し、その経験を誰よりも深く理解している。自分のペースで回復する他はなく、社会の評価に無理に応えてはいけないと、ようやく気づいたのだ。

自分を偽らず、自分にできることに正直であること。それこそが肝要だ。

一歩ずつ、進んでいけばいい。静かに。



もし、このブログを読んだ人が、数パーセントでも共感し、同じ苦しみを感じる人が減ることを願いつつ、今日はこのわがままな文章を終える。


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