見出し画像

UXライティングは「おもてなし」の心

UXライティングとは

「UXライティング」という言葉を聞いたことはありますか?あまり聞き馴染みの無い言葉ではありますが、「UX」と「ライティング」に言葉を分解すれば何処となく輪郭を掴めるのでは無いでしょうか?

UXとは「User Experience」の略称で、直訳すると「ユーザー体験」という意味になります。商品やサービスを利用した時にユーザーが感じる体験のことを指し、Webサイトやアプリケーションを制作する際には「ユーザー体験」は一つの指標として重要視され、「UXデザイン」のようにUXを重視して取り入れている企業や組織が増加しています。

そんなUXに「ライティング」を付与した造語が「UXライティング」です。

UXライティングは文字通り「ユーザー体験を引き起こすテキスト」のことで、テキストによってユーザーの行動を促し、優れた体験を提供するものです。

ユーザーとのコミュニケーションを伴うタッチポイントのため、UXライティングの重要度は高く、設計・実装でミスが生じるとサービスそのもののパフォーマンスが大幅に低下することも考えられます。

■UXライティングが利用される箇所
・説明書、マニュアル、ガイドライン
・ナビゲーション
・購入ボタン
・注意喚起
・利用規約
・テキストリンク
・登録時の指示
・ラベルやタグ
・プッシュ通知
・FAQ…など

ユーザー視座によって設計された文言

UXライティングはユーザーの視座に立って設計された文言であるという特性を持ちます。「直感的」で「分かりやすい」テキストを設計するためには『ユーザーの視点に立つ』『何をしたいのかが明確』『操作の誘導・理解の補助』といった観点を持つ必要があります。

そして、サービスの特性や利用者の属性を理解した上で的確で寄り添ったメッセージを提供することで、ユーザーは直接的に感じ取ることができない「体験」を得ることができます。

UXライティングを実装することで「スムーズな操作性」や「世界観の統一」「正しい理解の促進」を実現することができると注目されています。


「おもてなし」の意識

UXライティングは新しい概念ではなく、昔から存在していました。

「駅構内の道案内」や「ゲームの取扱説明書」など『デザインされた言葉』は身近に存在しています。そういったデザインをデジタル上でも実現するのがUXライティングです。

UXライティングは非常に地味な存在です。

例えばWebサイトのナビゲーションが全て「英語」で書かれていたとします。この時、あなたは「事例」を探していますが、どこにあるのか分かりません。ナビゲーションには【ABOUT】【PRODUCT】【WORKS】【SERVICE】【MESSAGE】【CONTACT】とありました。


あなたはどのラベルをクリックしますか?


この場合、多くの人が【WORKS】をクリックするでしょう。私でもそうします。しかし、このサイトでは【PRODUCT】内に事例を設置しています。結果として、あなたはWebサイト内で迷子になってしまうでしょう。

これは意地悪ではありません。

実際によく起きている事例の一つです。

世界観やオシャレさを優先するあまり、自社のこだわりをラベルに反映させたことで「ユーザー視点で見ると難解なサイト構造になっている」ことはよくあります。

これが日本語で「事例」と書かれていたなら迷うことなくスムーズに行動できていたことでしょう。

UXライティングとは「おもてなし」であり、誰でも等しくストレスを感じることなくサイトやサービスを利用するための影の立役者なのです。


神は細部に宿る

UXライティングは「細部」への気遣いでもあります。

「ユーザーの妨げになっている箇所を改善する」と聞くと大層立派で大きな改善を行うと思いがちですが、実際は見た目の変化に気づくのはプロジェクトに携わった人だけで、多くの人は気に求めないような部分の変化であることも珍しいことではありません。

「ナビゲーションのラベルを変える」

「説明文の抽象的な箇所を具体的な内容に変える」

「ボタンの文言を英語から日本語に変えた」

「ボタンの文言を日本語から英語に変えた」」

「フォーム内に例を追加した」

「【〇〇を探す】を【〇〇をさがす】に変更した」

「【問い合わせ】を【お問い合わせ】に変更した」

こういった変化はサイトの見た目を大きく変えるものではありません。もしかすると「不必要な変化」だと思う方も少なくは無いでしょう。

しかし、こういった小さな変化が時として大きな変化をもたらします。


UXライティングのススメ

UXライティングは簡単な領域ではなく、非常に複雑な要素を持つ概念です。

例えば「ナビゲーションが英語」は日本のサイトであれば使いにくいラベルではありますが、英語圏の方が訪れる可能性が高いサイトであれば英語の方が理解しやすいかもしれません。

また、その業界の特性上「英語」がスタンダードである場合、利用者が日本人でも意味を正しく理解することができるので利便性が上がる可能性もあります。

UXライティングはユーザーを正しく理解し、ユーザーの視座に立って表現方法を設計することが重要です。

そのためにはデータをもとにABテストを繰り返し、最適化し続けていくしかありません。

小さな変化ですが大きな体験を提供することができるUXライティングに取り組むことで、自社の抱える課題解決にも繋がる可能性があります。

ぜひチェックしてみてください。

【パーソナル】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント
   Webライター、Webマーケスクール講師
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽
   ラジオ、伝統・民俗芸能について調べること
特技:和太鼓、フットワークが軽い

【連絡先】
メールアドレス:yy.edih.xx@gmail.com
Twitter:@hd2OimM

Web制作会社のマーケティング支援部門でWebマーケティングコンサルタントとしてSEO、広告、コンテンツ制作、LPO、EFOなどの手法を元にお客様のWeb戦略のサポートを担当。提案・分析・企画・施策の実施・効果測定まで全て一気通貫で対応できることが強み。その後、Web接客ツールのベンダー企業にカスタマーサクセスを提供するコンサルタントを経て、現在フリーランスとして活動中。

何かございましたらお気軽にお声掛けください。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました! もしよろしければスキやシェアをしてくださると嬉しいです! また、サポートしていただけましたら、より良い記事を書くために活用させていただきます。