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詩集『よすけ』

33
書いた詩をまとめています。見たもの、思ったこと、聞いたこと、そういうものを拙い言葉で綴る。
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#二人

つづき

つづき

 朝、目を覚ます。
 時計はいつもより遅い時間を示す。

 となりから聞こえる寝息。
 頬に触れる。

 起こさないように布団から出る。
 トイレに行く。
 コップ一杯の水を飲む。

 起こさないように布団に潜りこむ。
 もぞもぞと身を寄せてきて収まる。
 身動きが取れなくなった。

 もう少しだけ寝ることにする。

幸せ

幸せ

 なんにも予定がない二人の休日。
 やることがなくて、
 ただ時間を使える休みの日。

 お昼ごはんを食べて、運動がてらに散歩する。
 途中の公園で鳩を追いかける。
 どっちがうまく撮れるか勝負が始まる。

 家でお昼寝。
 久しぶりに一緒にお風呂。
 晩ごはんは余ってた冷凍うどん。

 会話がはずむ。

 今日のこと。
 明日のこと。
 これからのこと。

 思い出話。
 その日の気持ち。
 当

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〈自由詩〉さいごのひ

〈自由詩〉さいごのひ

 きみと笑ったさいごの日。
 かじかんだ手をかさねた日。
 ふたつの息が混ざった日。
 互いの肌をあわせた日。

 小さなことがたのしい日。
 同じ思い出を分けあう日。
 一緒がいいねと交わした日。
 幸せとぽつりこぼした日。

 言いたいことが言えない日。
 本気になったけんかの日。
 仲なおりしたなみだの日。
 本音をぶつけたなみだの日。

 ただくり返すふつうの日。
 ささいな時間がだいじな

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〈散文詩〉あいたい

〈散文詩〉あいたい

 会いたい、会えない。

 会いたい、会いたくない。

 分かってほしい。

 分かってよ。

 分かるわけない。

 分かってたまるか。

 向きあう、向かいあう。

 向き不向き。向こう見ず。

 何も知らないくせに、知ったふうな口をきく。

 ずけずけと、ずけずけと。

 そのやさしい瞳で。そのやわらかい手で。

 いたい。

 隔たりに。傷口に。触れる。

 会いたい、会いたい。

 会い

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