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詩集『よすけ』

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書いた詩をまとめています。見たもの、思ったこと、聞いたこと、そういうものを拙い言葉で綴る。
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2023年1月の記事一覧

つづき

つづき

 朝、目を覚ます。
 時計はいつもより遅い時間を示す。

 となりから聞こえる寝息。
 頬に触れる。

 起こさないように布団から出る。
 トイレに行く。
 コップ一杯の水を飲む。

 起こさないように布団に潜りこむ。
 もぞもぞと身を寄せてきて収まる。
 身動きが取れなくなった。

 もう少しだけ寝ることにする。

幸せ

幸せ

 なんにも予定がない二人の休日。
 やることがなくて、
 ただ時間を使える休みの日。

 お昼ごはんを食べて、運動がてらに散歩する。
 途中の公園で鳩を追いかける。
 どっちがうまく撮れるか勝負が始まる。

 家でお昼寝。
 久しぶりに一緒にお風呂。
 晩ごはんは余ってた冷凍うどん。

 会話がはずむ。

 今日のこと。
 明日のこと。
 これからのこと。

 思い出話。
 その日の気持ち。
 当

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〈自由詩〉旅人の明日に

〈自由詩〉旅人の明日に

 旅の途中で 僕らは出会った
 それはどんな特別でもないさ

 風が吹くように 波が揺れるように
 僕らのほんの一瞬が重なった

 君のこと まだ知らないけど
 だからちょっと歌い合おうよ

 そうやって
 何回だって笑えりゃ楽しくなるよ
 それはどんな暗い風景もパッと照らせるよ

 なにか抱えて なにか手放した
 期待も不安も後悔も思い出も

 雨が上がるように 鳥が舞うように
 ほんの少しの勇

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なにもないもないよ

なにもないもないよ

 好きが嫌いかで言うと、どうだろう。

 楽しいかそうでないか。うーん。

 やりたい、やりたくない。

 やれる、やらなきゃ。

 わからんねぇ。

 なんとなくで続けるものがあってもいいか。

 可もなく不可もなく。

 通り過ぎるだけの日があってもいいか。

 かたちなんかなくてもねぇ。

立ち直る

立ち直る

見る方向を変えられるって大事。

疲れた時。
落ち込んだ時。
ショックを受けた時。

そういう時は一つの方向しか見えないもの。

人から言葉をもらう。
自分で気がつく。
時間が経つ。

だんだんと。
ある時いつの間にか。

今までと違う方向から見られるようになる。

うん。
明日からまた笑えるね。

よかったよ。

〈自由詩〉灯

〈自由詩〉灯

 無理をしないと息ができない
 立ち止まると飲み込まれる

 どれだけ救いの手があろうと
 痛いのはあなただけ

 あれがだってそれがなんで
 許したい、許されたい

 あなたの痛みがわからなくても
 痛がっているのはわかるよ

 消えそうになっても
 擦り切れてしまっても
 歪に穴があいても

 強くなくていい
 改めなくていい

 自分の声に耳を塞いでいい

 小さく、ただ、ここにいて
 小さ

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